この間「*重要*至急ご確認下さい」というタイトルのメールが来ました。
開いてみると案の定、架空請求です。
どうやら携帯電話のコンテンツ(具体名は無し)の料金を、「再三の警告にも関わらず」支払わなかったため(もちろん一度も来ていない)、法的手段に出るぞ、嫌だろう? ならここに電話するんだ(電話番号・会社名・担当名)――という内容でした。
記載されている会社名を調べてみたのですが、「似たような社名を名乗るメールが多発しているようですが、当社で名簿の流出はありませんしそのようなメールとは一切関係ありません」、と非常に迷惑されているようでした。
迷惑な架空請求にはご注意ください。
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・阿部公房『R62号の発明・鉛の卵』(1974新潮社)
・深水黎一郎『人間の尊厳と八〇〇メートル』(’11東京創元社)
・近藤史恵『タルト・タタンの夢』(’07東京創元社)
・森博嗣『神様が殺してくれる』(’13幻冬舎)
・小田雅久仁『増大派に告ぐ』(’09新潮社)
・阿部公房『R62号の発明・鉛の卵』
――会社を首にされ、生きたまま自分の「死体」を売ってロボットにされてしまった機械技師が、人間を酷使する機械を発明して人間に復讐する「R62号の発明」、冬眠器の故障で80万年後に目を覚ました男の行動を通して現代を諷刺した先駆的SF作品「鉛の卵」、ほか「変形の記録」「人肉食用反対陳情団と三人の紳士たち」など、昭和30年前後の、思想的、方法的冒険にみちた作品12編を収録する。――
星新一とはだいぶ違ったSF作品集でした。表現がやっぱり文学的な所が多いですし、ストーリーも暗いものや、結果がはっきりしないものが多い印象です。
どちらかというと、カフカに近い不条理さがあります。起承転結に重きを置いているというよりは、登場人物の心理をより描写しているというような。
表題作の『R62号の発明』や『鉛の卵』なんかは割としっかりしたSFで、特に『鉛の卵』は意外なオチもあって面白く読みました。80万年後の未来人と、奴隷たちの関係が素晴らしいです。
昭和30年前後という時代的な流れもあり、食糧難、戦争、貧困といったテーマが扱われています。今まで『箱男』しか読んだことがなかったので、こんなユーモラスな話も書く人だったんだなあと印象が変わりました。
ただ、『鏡と呼子』はちょっとよく分かりませんでした。SFというか、文学作品としか言いようがないような。
・深水黎一郎『人間の尊厳と八〇〇メートル』
――このこぢんまりとした酒場に入ったのは、偶々のことだ。そこで初対面の男に話しかけられたのも、偶然のなせるわざ。そして、異様な“賭け”を持ちかけられたのも―。あまりにも意外な結末が待ち受ける、一夜の密室劇を描いた表題作ほか、極北の国々を旅する日本人青年が遭遇した二つの美しい謎「北欧二題」など、本格の気鋭が腕を揮ったバラエティ豊かな短編ミステリの饗宴。第六十四回日本推理作家協会賞受賞作を含む、五つの謎物語。――
あまりにも意外な結末が待ちうける、というので煽られて。
表題作は、実は犯人は私だったのだ! のようなどんでん返しタイプの意外な結末ではありません。最後に爆破オチのようなタイプの意外な結末でも勿論ありません。
そもそもストーリー自体が二人の男の会話主体で構成されていて、流れでいえばバーで見知らぬ男から八〇〇メートル競走を持ち掛けられる、それを了承させるために男が量子力学を持ちだして納得させにかかる、という会話劇です。
なので意外な結末というのは確かに意外な方向からやってきます。そこ!? という感じの驚き方でした。ロジカルな会話がお好きな方はどうぞ。
他の所収作品だと、『完全犯罪あるいは善人の見えない牙』『特別警戒態勢』の方がオチがはっきりしていると言えるかもしれないです。
『北欧二題』と『蜜月旅行』は旅をテーマにした短編で、ミステリー色は薄いけれど『蜜月旅行』は普通の読み物として面白かったです。
初めて読んだ作者の方ですが、結構ストイックな話が多いですね。キャラクターに頼らないというか。自分の書きたいことを自分の意志で書いている、といった印象の作家さんです。
・近藤史恵『タルト・タタンの夢』
――下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。風変わりなシェフのつくる料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな名シェフは実は名探偵でもありました。常連の西田さんはなぜ体調をくずしたのか? 甲子園をめざしていた高校野球部の不祥事の真相は? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?……絶品料理の数々と極上のミステリ7編をどうぞご堪能ください。――
知人が読んでいたので読んでみようと思った作品。
連作短編ミステリーです。無口な探偵役のシェフ三船さんと、人当たりのいい料理人の志村さん、ソムリエの女性金子さんと、語り手のギャルソン高築くんの四人が働く小さなフランス料理店で持ちあがる謎を、美食に絡めて解決していく、という趣向。
エンターテイメント系のライトな作品でした。以前読んだ大崎梢の『平台がおまちかね』シリーズと似た雰囲気を持っています。
レストランの日常描写→お客さんから謎の提示→ヴァン・ショー(ホットワイン)と共に三船シェフの推理→解決、といった流れです。
推理パートがほとんどなく、三船シェフすげえ、な部分にはミステリーファンには物足りないかもしれません。
専門用語が多いけど美味しそうな料理シーンは読んでて力入っているなあと感心しきりでした。
ただ、個人的には三船シェフのキャラクターがいまいち掴めなかった。無口、という割にはそんなでもない。無愛想というほど無愛想でもなく。他の三人はしっかりキャラが立っているんだけど、読み方が悪いのかな、よくわかりませんでした。
上記の『人間の尊厳と~』とは全く違ったミステリーでした。謎の提示、解決、個性的なキャラクター、というわかりやすい構成なので、読みやすい作品です。
・森博嗣『神様が殺してくれる』
――女にしては、美しすぎる。
パリの女優殺害に端を発する連続殺人。両手を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオンは「神が殺した」と証言。事件の手かがりは、彼の異常な美しさだけだった。
幻冬舎創立20周年記念特別書き下ろし作品
連続殺人、舞台はリール、パリ、ミラノ、フランクフルトそして東京。
パリで往年の大女優が絞殺された。両手首を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオン・シャレットは「神様が殺した」と警察で証言。彼は同時に殺人者として僕の名前も挙げた。が、僕に身に覚えはなく、殺人はまったく不可能だった。リオンは大学の寮の僕のルームメイトで、当時から多くの人をその美しさで幻惑した。僕は卒業以来2年半、一度も会っていない。容疑者の特定はおろか手がかりもないまま、やがて起こった第2の殺人。ミラノで有名ピアニストが絞殺された。またもや現場には昏睡したリオンがいた。インターポール(国際刑事警察機構)に勤務する僕は、現地の警察と連携しながら、独自に捜査を始める――。――
ええぇー? うーん、そういう話だったのかぁ、じゃあ、しょうがない、かなぁ。
という感想を抱きました。犯人の正体が意外過ぎて動機とか証拠とか推理とかがどうでもよくなるやつです。途中まで凄く真面目に考えていたのに。
章ごとの扉に『サロメ』の抜粋が載っているのも何かヒントかと思っていたけど……深読みが足りないだけ?
いえ、オチがふざけているわけでは決してありません。以前読んだ『弥勒の掌』とも違う方向の持って行き方です。
作品の底に流れる静かな第三者の目線と、「僕」の一人称が森博嗣っぽさ全開でした。
そもそも「異常に美しい男」というだけで漂う耽美臭はなんなんでしょうね? テーマ的には皆川博子っぽいですよね。
読んだら騙されるタイプの作品ですので、是非ご自分で読んで騙されてみて下さい。
今回読んだ本ミステリーが三冊と多かったけど、どれもこれもタイプが全然違いました。まあ、短編と、連作短編と、長編という違いもあるのですが。
やっぱり森博嗣が一番好きですねえ。
・小田雅久仁『増大派に告ぐ』
――誇大妄想にとりつかれたホームレス、どうしようもなく狂気に惹かれる14歳。さびれた巨大団地の隙間で、二つの孤独な魂が暗い光を放つ。第21回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。――
前回『本にだって雄と雌があります』に完全にやられたので、読みました。ちなみに『本にだって雄と雌があります』はちゃんと買いました。
ファンタジー、これをファンタジーと言っていいのか、どうなのか。妄想がファンタジーというならばそうなのか。
とにかく全く雰囲気の違う作品です。物凄く暗い話でした。
筋道を書いて説明しようとも思ったのですが、この話の面白さはストーリーじゃなくて書き方です。文章がタイヘンに凄い。凄いというのは良い意味でも悪い意味でも凄いということである。
でもさっぱりストーリに触れないと感想が書けないので少し書くと、そうですね、こういう小説って大抵何かしらの救いを見出そうとするものじゃないですか。
ホームレスの男と、多感な14歳の少年、二人が出会ったことによって起こる変化、成長。
確かに文中、そういう兆しを感じさせる場面もあります。でも同時に、ああやっぱりそういう方向で終わるのねヨカッタヨカッタ、という想いもないわけではありません。予定調和というか、お約束というか。
なんでしょう、そういう方向へ流れそうなストーリーを、音を立てて引っぺがしたような、そんな印象を受けました。正直読んでいてショックです。ショックですが、どこかでそれを望んでいたような気もしました。よくやってくれた! みたいな。
とりあえず文章力がすごいので最後まで読めますが、軽く絶望出来ますので、この作品しか読んでない人は早く『本にだって~』を読んでリフレッシュすることをおすすめします。ステマではありません、物事の一面しか知らないと損をします、という話ですよ?
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でも今回の件で一番意外だったのは、このメールがドコモの携帯電話のアドレスから送信されていることです。
こういうものって携帯のEメールで送信するものなんですかね? 迷惑メールフィルターに掛からない為でしょうか。
そして使ってるのauなんですが……なぜドコモから請求が? 不思議ですね。
では、また。
さようなら。
『キクゴロウエライ』