譲歩というか妥協というか歩み寄りというか | 読書日記

読書日記

神郡が読んだ本の感想や、諸雑記を書いていくブログ。
知り合いには見せられないなあ。

最近、実写化を知って「えっ」となった作品。

『ささらさや』
『すべてがFになる』
『私の男』
『寄生獣』
『地獄先生ぬ~べ~』

『ささらさや』はいいと思います。映画化しても変じゃない。主演が大泉洋で、えっとなっただけです。大泉洋は好きだけど、イメージと全然違う。
『すべてがFになる』は、うーん、好きなシリーズだから思い入れがあって観たくないですね。ガリレオのようにはなってほしくない。でもこれ確かゲームありましたね。
『私の男』は内容があれなので、驚きました。『ゲルマニウムの夜』的なのかな。
『寄生獣』はまた違った意味で内容があれなのでどうなのかなあ、と。CG? だよなあ。
ぬ~べ~は許す。どうでも良すぎて逆に観たい。

ところでザッピングしていたらちらっと『GTO』がやっていたのですが、鬼塚……。反町は格好よかったんだなーとしみじみしてしまいました。





・道尾秀介『鏡の花』(’13集英社)
・長野まゆみ『改造版 少年アリス』(’08河出書房新社)
・佐藤賢一『かの名はポンパドール』(’13世界文化社)
・西條奈加『三途の河で落としもの』(’13幻冬舎)
・我孫子武丸『弥勒の掌(て)』(’05文藝春愁)



・道尾秀介『鏡の花』

――製鏡所の娘が願う亡き人との再会。少年が抱える切ない空想。姉弟の哀しみを知る月の兎。曼珠沙華が語る夫の過去。少女が見る奇妙なサソリの夢。老夫婦に届いた絵葉書の謎。ほんの小さな行為で、世界は変わってしまった。それでも―。六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。まだ誰も見たことのない群像劇。――


普通の短編集だと思っていました。いや、連作短編集ではあるのですが、かなり変わった試みで構成されています。
読んだ時にわくわくする展開だったので、一応ネタばれは控えます。二話目でどういうコンセプトかはすぐわかるのですが、是非読んでみてもらいたいと思いました。

感想は、そうですね、この構成で別の話を読んでみたいです。ストーリーは結構暗く、青春要素多め、読後感はすっきり、でもないか。
技ありな作品です。真似したくなります。



・長野まゆみ『改造版 少年アリス』

――ベストセラーとなったデビュー作を、ラストを含め大幅改稿。あの『少年アリス』が20年ぶりに改造され、生まれ変わった! アリスと蜜蜂の夜の学校での冒険に、イラストも加わり、巻末に少年アリス辞典もついた豪華仕様。――


”あの『少年アリス』”は読んだことないですが改造版。
長野まゆみはだいぶ以前に何か読んだことがあったような……『海猫宿舎』だったかな。灯台が出てくる話でした。

童話的ですね。宮沢賢治っぽくもあり。独特の世界観が好きな人は好きでしょう。
友人の蜜蜂に乞われ、真夜中の校舎へ忘れ物を取りにいったアリスと、蜜蜂の飼い犬の耳丸。
しかし理科室では真夜中にも関わらず不思議な授業をしていて、みつかってしまったアリスは彼らと一緒に夜空に星を縫いつけに行き……。

幻想的でどこか耽美ですね。少女趣味っぽくもあり。少年たちの一夜の冒険物語です。
どう結末が変わっているのかは謎のままですが謎のままでもいいか。



・佐藤賢一『かの名はポンパドール』

――ルイ15世、最高の寵姫。可憐で、類い稀な美貌、多彩な才気とセンスでロココの華と呼ばれ、その名を歴史に残した。自らの努力と才覚で、果敢に生きた女性。ポンパドール侯爵夫人の果敢な生涯。――


フランスの歴史さっぱりなのですが、普通に読み物として面白く読めます。
平民の出ながら王の寵姫として取り立てられ、良くも悪くも宮廷風だったヴェルサイユに、良くも悪くも世間の流行、ポンパドゥールを取り入れた女性。磁器や築城にも力を入れ、現代にも彼女の作り上げた文化が残っているのは凄いことです。

シンデレラストーリーといえばそうなのですが、見初められたその後が大変。他の女性との寵姫の座争い、悪口、嫌がらせ、陰謀、政情不安。
どちらかというと細腕繁盛記のような様相です。

文体が結構独特で、癖がある感じですね。あと懇ろって言い過ぎ(笑)




・西條奈加『三途の河で落としもの』

――橋から落ち、意識を失った小学生の叶人。気がつくと、そこは三途の川。江戸時代の人物と思しき2人の男とともに、三途の“渡し守”を命じられる。ミッションは、死者の未練を叶えてあげること―。――


今回は時代劇ではないです。舞台は現代。主人公は今時の小学生男子。二人の相棒は江戸時代の男ですが、舞台が現代だからなのか、これ本当に西條奈加? と思うほど印象が違います。どちらかというとライトノベルに近いノリです。
いえ、しっかり人情ものでいつもの西條奈加と言えばそうなのですが、キャラが濃いからそう感じるのかもしれません。

何故橋から落ちてしまったのか、理由がありそうながらも明かされない叶人。気付いたら三途の河におり、見る人のイメージで姿が変わる為金髪の美人姿のダツ・エヴァ、役人風の懸衣翁に、自らの死因がわかるまで三途の河の渡し守をするよう言われます。
相棒が礼儀正しい武士の十蔵と、荒くれ者の虎之助。この二人と一緒に、現代の街を死者の未練を探して走り回る、というファンタジー風味の冒険小説、と言っていいのかどうかは微妙ですが。

でもね、面白かったです。うっかり続きが読みたいくらいはまりました。今回のナンバーワン。
漫画化とかしやすそうな作品です。つまり「萌える」要素があります。純粋にこの作者のファンの方はどう思うかはわからないですが。



・我孫子武丸『弥勒の掌(て)』

――愛する妻を殺され、汚職の疑いをかけられたベテラン刑事・蛯原。妻が失踪して途方に暮れる高校教師・辻。事件の渦中に巻き込まれた二人は、やがてある宗教団体の関与を疑い、ともに捜査を開始するのだが…。新本格の雄が、綿密な警察取材を踏まえて挑む本格捜査小説。驚天動地の結末があなたを待ち受けます。――


我孫子武丸は初めて読みました。でもこれを本格捜査小説というのか……わかりません。どちらかというと叙述トリックで騙されたーという小説です。ハードボイルドではないです。
まだこれしか読んでいないので普段どういう作風なのかはわかりませんが、オチが結構突きぬけているので、真面目なのか笑えばいいのか判断がつきかねました。

上のあらすじも嘘ではないけれどなあ。蛯原は完全に汚職警官ですし、辻は妻が失踪して途方に暮れてなんかいません。むしろせいせいしています。ともに捜査を開始と言っても蛯原は辻を見下しているし、辻は宗教団体に籠絡されかかるし。
がっちりタッグで悪を暴く! という話を期待して読むと肩透かしを食らいます。
『仮想儀礼』を読んで以降こういう宗教がらみの小説を読むようになったのですが、その宗教団体も後半のあの流れは……。

エンターテイメントミステリーです。面白いことは面白かった!





『思い出のマーニー』は原作ファンからすると不満だったみたいですが(友人談)、知らなければそのあたりは気になりませんし、映像はとても綺麗だったじゃないですか。

嫌なら観るなじゃないですけど、そもそもが別物だと思って創る方も作り、観る方も見ないと不満ばっかり先に立って良い所も潰してしまうのではないのかと思うのです。
原作と違う方が原作本も売れるし、映像化も注目されるし、むしろどこが変わったのか楽しまないと損ですよね、双方。

まあ、元々観る気はさらっさらないのですけども。


ではまた。
さようなら。


『チミ、やっちゃう系だね。もっと大人にならないとダメだね。
 それとも、大人になるのイヤ?大人を、どう思っているの、チミ。』