明らかに酒を飲み過ぎな友人に、もうやめておけと言った時の言葉。
「いいか、アルコールっちゅうのはさ、度数が高いほど蒸発するわけだ。そんでだな、こうして飲めば飲むほどアルコール濃度も上がるわけだろ? そしたらお前、飲んだそばからどんどん蒸発していくってわけだな。な!」
ひっぱたいて帰りました。
暑いですが、飲み過ぎないようご注意ください。
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・畠中恵『けさくしゃ』
・大崎梢『背表紙は歌う』
・道尾秀介『笑うハーレキン』
・恩田陸『私と踊って』
・畠中恵『けさくしゃ』(12’新潮社)
――戯作仕立てで謎を解くニューヒーロー誕生! 「しゃばけ」著者の新感覚時代ミステリー。お江戸のベストセラー作家の正体は、イケメン旗本だった――!? 暇を持てあますお殿様、高屋彦四郎、通称種彦さんは、腕っぷしは弱いけど、趣味人としてたいそう名高い粋な御仁。ある時、調子に乗って狂歌連で披露したお話が、強欲だけど目利きな版元・山青堂の目にとまり、戯作者デビューしないかとスカウトされちゃって!――
実在した江戸時代の戯作者を元に書かれた話でした。この時代の風俗・風習が細かに書かれていて、歴史の読み物としても面白い。
主人公の彦さんは旗本だけど、旗本の中では地位が低く、町人とも親しく付き合っている。
狸爺と言われる版元の山青堂と一緒に、江戸で起こる事件を「己が戯作の筋立てを創るならどういう話にするか」という推理方法で解決していく連作ミステリー。
万能彦さんが鶴の一声で解決するのかと思いきや、一筋縄でいかない事件も多く、快刀乱麻のごとくすぱすぱ解決はしない。行き詰ったり、迷ったりしながら情けない所も多分にある彦さんが少しずつ紐解いていく感じ。
人間味があっていいけど、少しわかりづらい部分もあるので好みが分かれそうかな、と思う。
・大崎梢『背表紙は歌う』(10’東京創元社)
――「とある地方の小さな書店が経営の危機にあるらしい」よくある悲しい噂のひとつだと思っていたが、書店営業仲間の女性がそのことを妙に気にしていて…。個性的な面々に囲まれつつ奮闘する井辻くんは、東に西に今日も大忙し!出版社の新人営業マンの活躍を描いた、本と書店を愛する全ての人に捧げるハートフル・ミステリ。出版社営業・井辻智紀の業務日誌シリーズ第二弾。――
前回読んだ『平台がおまちかね』の続編です。
主人公のひつじくんは気にいった本の建物をジオラマで制作する趣味があるけど、それ以外は常識派で普通の子。
周囲の人物が個性的でキャラクターも確立されているので、読んでいて楽しいです。
人の死なないほんわかミステリー2。
・道尾秀介『笑うハーレキン』(13’中央公論新社)
――経営していた会社も家族も失い、川辺の空き地に住みついた家具職人・東口。仲間と肩を寄せ合い、日銭を嫁ぐ生活。そこへ飛び込んでくる、謎の女・奈々恵。川底の哀しい人影。そして、奇妙な修理依頼と、迫りくる危険―!たくらみとエールに満ちた、エンターテインメント長篇。――
今回のナンバーワン。
序盤からミスリードや意外な伏線があり、主人公は善人と無意識に思ってしまう心理を利用して巧みに書かれている。
といっても悪人と言う訳ではなく、ひどく人間臭いだけかもしれない。
エンターテイメントなので多少都合のいい設定も混じっているけれど、基本的にリアルで暗い世界観。特に序盤は閉塞感があって、東口にしか見えない「疫病神」が鬱屈した雰囲気を出していて良い。
後半はスピード感があって、映画のような展開だった。
序盤のが好きかも。
・恩田陸『私と踊って』(12’新潮社)
――この世の終わりに踊る時も、きっと私を見ていてね。ダンサーの幸福は、踊れること。ダンサーの不幸は、いつか踊れなくなること――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフに、舞台を見る者と見られる者の抜き差しならない関係をロマンティックに描いた表題作をはじめ、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、物語に愛された作家の脳内を映しだす全十九編の万華鏡。――
最近『思い出のマーニー』を観たのですが、表題作の『私と踊って』はその映画に出てくるワンシーンに似ていました。意味合いは全然違うのですが。
ピナ・バウシュのことは知らなくても面白い作品だと思います。面白かったので。
主人公の女性が子どもの時。引っ越したばかりの街のパーティー会場でつまらなそうにしていると、一人の少女が入ってくる。一目でその少女が普通では違うと思った主人公と、その目を真っすぐ見つめてやってきたピナはただ「私と踊って」という。
晩年、何故あの時踊ってと言ったの? とピナに訊くと、彼女は驚いたように言った。「あれ夢じゃなかったの?」
ピナはいつも夢の中で、自分と踊ってくれる相手を探していたのだという。その日主人公に会ったピナは、この人ならずっと私を観ていてくれると思った、のだと言う。
そこが素敵でした。記者になった主人公はピナの記事を書くことが出来ないけれど、それでも観ていてくれてるとわかるからいいのだと。
詩のような短編です。
他の作品も、連作になっているものもあったりして楽しめました。
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では、また二週間後くらいに。
さようなら。
『杯のカードが来たぞ。のませろ』