金融会社のCMって、よく考えるとおかしくはないですか?
あまりにも多くの金融会社の広告が、しれっと爽やかに当たり前のこととして流れていて、なんだか感覚が麻痺している気がします。
現代日本人にとって、金融会社から借金することは普通のことなんだろうか。
CMで流れると当たり前のことになってしまうのは怖いことです。
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今回の読書
・ギルバート・アデア『閉じた本』
・道尾秀介『光』
・畠中恵『さくら聖・咲く』
・小野正嗣『夜よりも大きい』
・『SF JACK』
・星新一『悪魔のいる天国』
他に『よつばと!』12巻も読みました。ベルセルクはまだ出ないんだろうか。
・ギルバート・アデア『閉じた本』
――事故で眼球を失った大作家ポールは、世間と隔絶した生活を送っていた。ある日彼は自伝執筆のため、口述筆記の助手として青年ジョンを雇い入れる。執筆は順調に進むが、ささいなきっかけからポールは恐怖を覚え始める。ジョンの言葉を通して知る世界の姿は、果たして真実なのか?何かがおかしい…。彼の正体は?そしてやって来る驚愕の結末。会話と独白のみの異色ミステリ。――(「BOOK」データベースより)
途中の、どういう風に青年ジョンは主人公を陥れてくるのだろうというワクワク感、というか不安感がいい。推理要素はないのでサスペンスだと思うけども。
主人公のポールは盲目だが、家中の物の配置は完璧に記憶しているし、閉所恐怖症なのでドアは閉めない、夜になったら必ず電気を点ける、などのいい「前フリ」をしてくれる。
もちろん物の配置はずれるし、電気は消える。読者はわかってはいるのだけど、それをジョンがどういう風に演出していくのか、と期待している。
オチのジョンの目的・正体自体はありがちだけど、大オチがおおっ、という展開で面白い作品だった。
ただ海外作品なので、ジョンが仕掛けた罠がいまいち理解できなくて効果は半減してしまった感があった。無知なのが悪いのだろうけど。
・道尾秀介『光』
――真っ赤に染まった小川の水。湖から魚がいなくなった本当の理由と、人魚伝説。洞窟の中、不意に襲いかかる怪異。ホタルを、大切な人にもう一度見せること。去っていく友人に、どうしても贈り物がしたかったこと。誰にも言っていない将来の夢と、決死の大冒険―。 ――(「BOOK」データベースより)
小学生の少年が主人公の、青春ミステリー。少年の夏っていいなあ。
映像化しやすそうな作品。お上手でした。道尾秀介の本は結構読んでいるけれど、ファンなのか未だにわからない。熱烈に好きというわけでもないんだよなあ。
・畠中恵『さくら聖・咲く』
『しゃばけ』が有名な作家だけど、現代ものも書いていたんですね。
――中学生の弟・拓を養うため、元大物政治家・大堂剛の事務所で事務員として働く佐倉聖は大学三年生。大堂のコネを使わずに、就職活動に励む日々を送っている。大堂門下の議員達が持ち込んだ難問珍問を鮮やかに解決してきた手腕で、大企業の面接中、閉じ込められた社員救出に一役買ったり、加納代議士のストーカー騒ぎ、候補者の当落を予想する“神”の正体捜し等の謎を次々に解明。一方で、インターンシップ先をなぜだか二ヶ月で首になったりと、就職戦線は波乱含み。そんな聖のもとに、エントリーしていない五つの会社から「内定」通知が舞い込んで…。聖の前に広がるのは、どんな未来なのか―。 ――(「BOOK」データベースより)
って、続きものか。前作読んでいないですが、それでも面白かったです。
ただ、主人公が切れ者の作品は最近あまり好きではないので…。安定感がある分ハラハラはしない作品。スタローンの映画のようなものです。絶対助かるんだろ、みたいな。いえ、面白いですが。
・小野正嗣『夜よりも大きい』
――夜の震えを、きく。
真夜中になると泣き声が聞こえてきた。
夜そのものが泣いているようだった。
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2001年『水に埋もれる墓』で朝日新人文学賞を、2002年『にぎやかな湾に背負われた船』で三島由紀夫賞を受賞、2003年・2008年には芥川賞候補にノミネートされた作家・小野正嗣が、ひとつのテーマにそって書きついできた連作短篇小説集。
強制収容所を思わせるバラック、孤児たちの暮らす施設、難民が身をひそめる森……。
幼い姉弟、少女、若い母親らの視線を通して、抵抗しがたい大きな流れにさらされた世界を見すえ、災厄にくだかれた生のかけらを掬い描きだす。
自身の故郷・大分がモデルの「浦」を舞台とした一連の作品で、息の長い、骨太な文体を紡ぎだしてきた著者の、もうひとつの広がりが、本書に結実します。
季刊「真夜中」(小社刊)での連載を中心に、「新潮」(新潮社刊)、「すばる」(集英社刊)などへ発表した短篇を含む10編を収めた本書は、著者のあらたな到達点を示します。――(リトルモアブックスより)
状況説明や自己紹介などは一切なく、一部を除いて人物の固有名詞もない。ただひたすら語り手の声を聞き続ける中で、ようやくそこが孤児院や森の中や見捨てられつつある町の中だということがわかり、語り手が妊婦や少女や少年たちであることがわかる。
起承転結で言えば、承から始まり、それだけで終わる話もあるし、途中で起が入ることや、最後に起が来ることもあって理解はよく出来ない。
連作短編といっても繋がりはほとんどない。でも、確かに根底を流れるテーマは同じだとは思う。皆不幸で満たされることがない。登場人物は影絵のようだ。
純文学はよくわからんなあ。詩みたいのものだろうか。大分がモデルということで大江健三郎的な作品をイメージしていたけど、どれも異国的だった。
・『SF JACK』
ジャケ買いです。表紙イラストが田中達之(CANNABIS)だったので…。Linda3は良いゲームでした。
――日本SF作家クラブ設立50周年記念出版、珠玉の書き下ろし短編集!!
[著者]
新井素子 上田早夕里 冲方丁 小林泰三 今野敏 瀬名秀明 堀晃 宮部みゆき 山田正紀 山本弘 夢枕獏 吉川良太郎
脳天を貫く快感。超豪華執筆陣による饗宴。極上の物語をご堪能あれ――
日本SF作家クラブなんてあるんですね。新井素子は星新一の解説で見た記憶があります。上田早夕里は『火星ダーク・バラード』で知りました。これも表紙が田中達之だったので読んだのですが。小林泰三は『海を見る人』を読みました。確かハヤカワSFシリーズJコレクションだった気がします。宮部みゆきがSF? なんでも書けますね。夢枕獏がSF?? なんでもありですね。他の作家の方はちょっと拝読したことがありません。
面白かったのは、吉川良太郎『黒猫ラ・モールの歴史観と意見』、小林泰三『草食の楽園』、堀晃『宇宙縫合』。冲方丁『神星伝』は別の意味でオモシロイ。
『黒猫~』は、人類の記憶を蓄積してゆく菌類? が黒猫に寄生して見た人類の歴史と考察で、話自体というよりかは、荒廃した世界の描写が良かった。荒廃した世界って好きだ。
『草食の楽園』は争いの無い世界を目指した実験星に不時着した宇宙飛行士の話。『キノの旅』っぽいかもしれない。
『宇宙縫合』は10年間の記憶を失くした男が、自分の死体と対面し、時計の時間のずれから記憶を取り戻し・・・。意外に宇宙理論がどうとかとこねくり回した作品はこれしかなかった。SFといえば宇宙だろうと思っているので楽しめた。
『神星伝』はなんというか、SFパロディに近い。以前何の本だったか忘れたが宇宙極道の話を読んだ事があって、組長の仇をとる為に宇宙船に乗ってカチコミを仕掛ける、ということを大真面目に書いた話があった。なんだかそれを思い出した。
しかしSFといっても色々ですね。ロボットもの、ネットもの、宇宙もの、タイムトラベルもの、科学もの、広いです。
ただ夢枕獏の『陰態の家』はSFとは違うものの気がする。
・星新一『悪魔のいる天国』
ショートショートの神様。凄い人です。ずっと読んでいられる。
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じゃあ、また。
さようなら。
『あったかい食事よりも 柔らかなベッドよりも ・・・夢がなくちゃ生きて行けないさ!』