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ま、今日も気ままにいきましょ。

本、映画、ライブ、食べ物などの感想を徒然に書いていきます。

石井光太の作品。

 

2022年に筑摩書房から刊行。

 

コロナ禍、特に2020年2月くらいからのこと。

 

特定の現場を10か所取り上げて、どんなことが起きていたのかを伝える。

 

現場は、高齢者施設、保育園、ライブハウス、ホストクラブなど。

 

石井の作品は他にも読んだことがあるが、筆致は少し独特で、俯瞰なんだけど、すぐ横にいるような臨場感もある。

 

視点も個性的なので、各現場の人々への迫り方も、「そうだったんだ」という気付きをくれる。

 

一番印象に残ったのは、定時制高校でのこと。

 

「コロナがどう」というより、定時制高校にどんな生徒が通っているか、現場の教員はどのように対応しているかを知れた。

 

こういうルポを見ると、当時を思い出すけれど、これからを考えるきっかけにもなる。

 

まだまだ知らない世界がある、と思わせてくれた。

 

コロナ禍を改めて振り返りたい人、「自助って何だろう」と考えたい人、様々な仕事(特に医療関係)について知りたい人におすすめ。

文化人類学者・上田紀行の著作。

 

2019年に光文社新書から刊行。

 

雑誌で上田のことを知り、著作を読みたいと思った。

 

端的に言えば本作は、「自分を愛そう」と書いている。

 

自己肯定感の話も出るが、「愛される」=人の目を気にする、という考え方は日本人に多い。

 

「愛されるよりも愛したい」という曲があって、タイトルだけで分析すると、「愛されることが多いけれど、個人としては誰かを愛したいと思っている」ということか。

 

自己分析につながるような話もたくさん出てきたので、日頃の自分の考え方を振り返るきっかけになった。

 

本作が出てから6年経ち、間にはコロナ禍もあったので、若者の恋愛観はさらにまた変わっただろう。

 

「コスパ」「タイパ」に気を取られすぎず、著者が書く「恋愛15番勝負」のように気長に考えて、一歩を踏み出せばいい。

 

人生は一度きりだけど、自分と向き合う時間はたくさんあるのだから。

佐藤厚志の作品。

 

2024年に新潮社から刊行。

 

約半年にわたり、2023年の「河北新報」に掲載されていた。

 

芥川賞の発表時に佐藤のことを知り、何か読みたいと思った。

 

団地に住む子どもがたくさん出てくる。

 

読んでいると熱量の高い出来事が色々あるが、筆致が淡々としているからか、物語の温度は変わらず進んでいく。

 

たまに、「魔人」と主人公が呼ぶ存在が出てくる。

 

不思議な存在だが、自然とそこにいる。

 

「魔人」は団地だからいるのか、子どもたちを見守る存在としているのか、想像が膨らんだ。