伊吹有喜の作品。
2020年に文藝春秋から刊行。
本屋の棚で目につくところにあり、気になって読んだ。
主人公は、東京の学校でのいじめが原因で不登校になった美緒。
ある日、岩手で羊毛の工房を持つ父方の祖父のところへ、一人で行く。
人から何か言われると黙り込んでしまう癖のある美緒は、祖父の工房で「紡ぐ」仕事に魅せられ、今後の道を考えていく。
そんな美緒を心配する両親、母方の祖母、工房に関わる人々。
「紡ぐ」というのがふわっとしたイメージなので話も同じように進むかと思いきや、そうでもない。
離婚、病気、死といった現実的な出来事が、後半特に出てくる。
最後は、自分の道を決めた美緒の描写で終わる。
会話文が多く、岩手の景色や工房での様子も目に浮かび、読みやすい。
赤いショールをかぶった女の子と、羊が並んだ装丁も印象的。