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ま、今日も気ままにいきましょ。

本、映画、ライブ、食べ物などの感想を徒然に書いていきます。

原田マハの作品。

 

2012年にPHP学芸文庫から刊行。

 

『インディペンデンス・デイ』を改題した。

 

女性の「独立」をテーマに、24の短編が入っている。

 

登場人物が少しずつ重なって、連作になっている。

 

「独立」と一言で言っても、「何かから自立する」話だけではない。

 

大事な人との別れや、生きがいにしていた場所に終わりを告げるなど、「独立」の形は様々だ。

 

1つの短編の中に起承転結がしっかりあって、短編ながら、話のあらすじが明確。

 

最初は短編のモードに入りづらかったが、いくつか読み進めるうちに「こういう感じなのね」とわかってきた。

 

「そうだよね、そういう考え方や一歩の踏み出し方がある」と思える。

 

男女関係なく読んでみるとよい作品。

 

解説は瀧井朝世。

小野寺史宜の作品。

 

2018年に祥伝社から刊行。

 

主人公は、柏木聖輔という21歳の男性。

 

大学を1年半で中退した。

 

物語は、砂町銀座のお総菜屋「おかずの田野倉」での場面から始まる。

 

お総菜屋の主人とのやり取りで、「ここで働かせてください」と願い出る聖輔。

 

彼はこの数年で相次いで両親を亡くし、頼る人がいない。

 

大学を中退したのも、お金がないからだった。

 

アルバイトで「おかずの田野倉」で働くことになり、父と同じ調理師を目指そうと決める。

 

お店で一緒に働く人、かつての同級生、生前の父を知る人など、登場人物は様々出てくる。

 

「ひと」というタイトルは漠然とした感じもあるが、物語全体を読むと、当てはまるなとも思う。

 

小野寺の作品は、東京の街についての本を以前1冊読んだことがあったが、小説は初めてだった。

 

するすると読めて、没入もできてよい。

 

巻末に「100字書評」のページがあるのが面白かった。

滝口悠生の作品。

 

2023年に文藝春秋から刊行。

 

10の中編が入っている。

 

いずれも、「文學界」に掲載されていた。

 

滝口の作品は前に1つ読んだことがあって、その時の印象は、「改行がない」。

 

読むのに覚悟がいるが、本作のタイトルが印象的なのと、「また何か読んでみたい」と思っていたので読んだ。

 

本作は、読んだ限りだが、外国の人との交流が1つテーマになっている。

 

場所はイタリア、ロンドンなど。

 

言葉が通じ合わない人同士のやり取りを、特に描きたかったのだろうか。

 

「窓目くん」は、前読んだ作品にも出てきたような気がする。

 

途中、コロナのことも出てくる。

 

時期的に、コロナ禍をまたぐようにして生み出された作品たちなのだなと思った。

 

装丁の薄い青緑色が、きれいで印象的。