2021年に講談社から刊行。
2020年4月1日から7月9日まで、1日ずつ100人が書いたショートショートである。
読み始める前は日記だと思っていたので、1人目を読んで「超短編か」と気付く。
日にちに基づいた話(緊急事態宣言中とか、解除されて少し外出するようになったとか)もあれば、全然違う話もあり、書き手に任されている。
書き手の「これぞ」という代表作の登場人物が出て、話が展開されることもある。
それぞれの最後のページに略歴が出ているので、それを読むと「このシリーズの人なのだな」とわかる。
コロナに絡めたエッセイを書く人もいるし、全く関係ない話を書く人もいる。
100人いると本当に様々で、知らない人もいるけれど、超短編なのでどんどん読める。
一番印象に残ったのは、赤川次郎だった。
昔から読んでいる作家というのもあるが、彼なりの「熱く秘めた思い」が、超短編であっても感じることができて、話としても面白く、上手い。
あと、湊かなえの「リバース」は読んでみたいと思った。
他、西村京太郎は、亡くなったんだなと思う。
本作を読むと、さらに読書をしたくなるはず。
世界が変わった2020年、100日の切実な作品である。