タイトルの通り、吃音についての本。
著者は近藤雄生で、かつて吃音を抱えていた。
2019年に新潮社から刊行。
この本はラジオを聴いている時に知って、興味を持って読んだ。
吃音のことは知っていたけれど、この本を読んで、「知らなかったことがたくさんあった」と思った。
本には、吃音を持った人が何人か出てくる。
それぞれのこれまでの人生、吃音とどのように向き合っているか、これからどんな風に過ごしたいか。
切実な思いが、文章に綴られる。
一番強く残ったのは、自死を選んだ看護師の話。
すごく悲しくて、周りの人はもっと、「何とかできなかったのか」という思いだと思う。
「うまく話せない」ということが、こういう結末になってしまうこと。
考えさせられる出来事だった。
「吃音」と言う言葉を知っている人は多くても、どんな風に話しているか、考えているかを分かっている人は少ないようにも思う。
著者自身が吃音だったというのも含めて、この本には「実感」があった。
吃音を知りたい、直したい、接し方を学びたい、多くの人にお勧めしたい。