有川浩の『明日の子供たち』で、参考文献として出ていた。
1999年に明石書店から刊行。
施設職員が編集委員会となってまとめている。
本の内容は、タイトルの通り、児童養護施設で暮らす子どもの話。
いつ、どういうことをきっかけに施設に来たのか、暮らしてみてどうだったかを、率直に話している。
施設を出て、今は一人で暮らす子の話も出ている。
15人以上の子の話が掲載されているが、全体的に、職員との話が多い。
いい職員もいるけれど、まともに向き合ってくれないような職員もいる、本当に自分たちのことを思って仕事をしているのか、疑問に思う人もいる。
これは、『明日の子供たち』でも出てきたので、参考にしていると思う。
そして、施設に入る事情は様々で、「施設での暮らしの方が楽しい」と話すのを読むと、本当に色々な事情があるのだなと思う。
たぶんこれが施設職員の話だと、ワンクッション挟むので伝わり方が変わる。
子どもたちの話をそのまま載せているから、読む人へ、ぐっと近づいて届く。
20年以上前の本なので、今と異なる実態もあると思う。
でも、施設で暮らす子は今もいる。
どんなことを考えて日々過ごしているのだろう?と知るきっかけになる。
辛い話も多いけれど、本としてはとても読みやすかった。
施設で働く人、児童福祉に関心のある人、家族と離れて暮らす人に、特に読んで欲しい。