著者は深沢潮。
初めて読んだが、読みやすかった。
この作品をどこで見つけたか忘れてしまったが、「作品に出てくる街を訪ねる」という連載で出ていたか?
主人公は、35歳の女性。
独身で恋人はいるが結婚の話はなく、母と実家で二人暮らし。
大学の同級生2人と会うところから、話は始まる。
この同級生2人も、それぞれ事情を抱えつつ、日々暮らしている。
主人公の住まいは東京郊外なので、都心への憧れ(妬みに近いかも)がよく出てくる。
都心の地名を、「漢字」「ひらがな」「カタカナ」で表すところが印象的だった。
「そんなことまでするの?」と思ってしまうような行動を取ることもあり、情緒不安定な感じも受ける。
途中、東日本大震災が起きる。
作中に与えた影響は大きく、震災をきっかけに話はまた大きく展開する。
「生々しいな」と思う描写もあったけれど、「わかる」と頷くところもある。
タイトルのつけ方がうまいなと、読み終えて思った。
他の作品も探して読んでみたい。