俳優・児玉清のエッセイと書評集。
2012年に新潮社から刊行、文庫本を読んだ。
児玉清は読書家として知られているが、この本を読むと、「どんな作品がどれくらい好きか」というのがわかる。
時に「~だぜ」という語尾で文を終わらせ、「滅茶」と書いて度合いの高さを示している。
本を読んでいる時が、至福の時間だったのだなと思う。
いくつか読んでみたい作品があったので、探して読もうと思っている。
書評だけでなく、大学時代の出来事や俳優への道に進むことになった理由など、著者自身の話も多数入っている。
児玉清が出ていた作品で一番印象的なのは、やはり「コード・ブルー」だろうか。
「HERO」や「龍馬伝」も捨てがたいが、「コード・ブルー」での田所部長は、「大志を抱き実現させ、若者を見守る」に徹した、冷静で熱い人物だった。
2018年公開の映画でも、田所は離島で医療を行っているという設定で出てきていた。
亡くなって、今年で10年も経つのだなと思う。
あとがきは、長男である北川大祐が書いている。
解説は、作家の佐伯泰英が担当。
本を読まない人に読んでもらって、本を読むきっかけにして欲しい。