荒々しいセックス | 1997年夏

1997年夏

1997年の夏。ある出来事がおきました。その出来事により私は夫婦の関係について見直すことになり、そして恐らく人生も変えたと思います。その時のことを思い出しながら書いていきたいと思います。

再び7月25日


ともかく仕事の締め切りが迫っていた。
7月末までに仕上げなければならなかった。
妻のことで悶々としている暇などないのだ。
とりあえず、妻とのことについてはけじめをつけ、仕事に専念しなければ間に合わなくなる。


この日も能率は上がらなかったが、ギリギリまで粘り、深夜の1時ごろ帰宅した。
妻は学期終了の打ち上げとかで職場の飲み会があった。
子供たちは妻の実家の祖父母のところに泊まっていた。


家に入ると、ガタゴトと音がした。
妻がいつも何か書き物をしている場所からの音だった。

家は寝室や子供部屋が1階で、キッチンやバスルームやリビングは2階にある。
妻は2階のリビングの一角にあるバー・カウンターのところでよく書き物をしていた。


僕が帰ってきた物音を聞いて、あわてて片付けたのだろう。
ああ、また僕に見せられない書き物をしていたのだなと思い、気が重くなる。


2階に上がると、和服の着物が脱ぎ散らかされたまま、ぞんざいに椅子に掛けられていた。
妻はその頃、飲み会の席に和服を着ていくようにしていた。

思ったとおり、カウンターで何かしていたようで、寝着に着替えた妻がそこにいた。
どことなく表情が暗い。


「ただいま」 「おかえりなさい」 「飲み会は?」 「楽しかったわ。お仕事は?」 「まあまあだ」


互いに探り合っているような表面的な会話をする。

僕はすぐに風呂に入り、妻はその間に寝室へと降りていった。
家に帰っても、気が重い。


風呂から上がり、ビールを飲み、寝室へ降りた。

ベッドに入ると、妻がするすると手を伸ばしてきて僕に愛撫を始めた。
他の男に夢中になっているくせに!
嫉妬心があるにも関わらず、いや、そういう心理があるからなのか、勃起をしていたし、僕の上にまたがった妻を下から激しく突き上げていた。
さらに上下を入れ替え、襲うように妻に打ち込み、乳房を手荒に揉み、乳首をつねった。
自分のセックスが以前より、多少、暴力的になっているような自覚があった。


明日、とりあえずきっちりさせよう。気が重いが。

そう思いながら、妻の上から降り、眠りについた。