事実を知りたい | 1997年夏

1997年夏

1997年の夏。ある出来事がおきました。その出来事により私は夫婦の関係について見直すことになり、そして恐らく人生も変えたと思います。その時のことを思い出しながら書いていきたいと思います。

7月25日


たった4日間しか経っていなかったが、自分はすっかり人格が変わってしまったような気がした。

それまでは、妻といえども人の手帳や財布を勝手に調べるのは人道に外れると思っていた。
だが、そういうことも行うようになっていたのである。
今から思うと、やはり普通の精神状態ではなかったのだと思う。


事実を知りたい。
情報を絶たれてしまった。
話しをしても平行線。
何もしなければ、何も無かったこととして片付けられていくだろう。

だが、何かがあったのだという感覚が自分にはある。
それを裏付ける、あるいはそれを否定してくれる事実が欲しい。
事実を知るためなら、どんなことも厭わない。


財布や手帳は出かけるときには携帯していく。
だから同じ家にいるときにしか中を調べられない。
そこで妻がトイレに入ったときとか風呂に入っているときなどに、こっそりと調べる。
後ろめたさはあったが、事実を知りたい衝動にはかなわなかった。


財布の中のレシート、手帳の記述、銀行通帳、電話番号のリスト。
職場での会議で用いられたと思われる資料。
そういったものを、妻のトイレや風呂の時間に定期的にチェックするようになった。