突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。
難聴は、異常が起きている部位で分類すると伝音性難聴と感音性難聴に分かれます。
一般的に鍼灸院に来院するのは感音性難聴であり、これは内耳以降の感音器官に異常をきたしたことによる難聴です。
図引用 http://www.asahinajibika.com/original7.html
内耳は頭蓋内に存在するため、その異常個所を目視することはできず、そのため感音性難聴の詳しい原因や病態は解明されていません。
感音性難聴というのは病名ではなく、あくまで分類名です。感音性難聴を引き起こす原因は様々ですが、その病名として多いのは突発性難聴やメニエール病、老人性難聴といったものです。
特に鍼灸院に多く来院するのは突発性難聴であり、その症状の一つには耳鳴りがあります。
図引用 https://www.hosoda-cl.com/ear/315/
突発性難聴は原因不明の急性片耳難聴ですが、その有力な原因説としては蝸牛内の有毛細胞が急速に障害されたことで起きるというものです。
その障害の原因も定かではありませんが、エネルギー源である酸素の供給が低下したことが衰弱の原因であると考えられています。
図引用 https://www.widexjp.co.jp/deafness/what/decline.html
有毛細胞は音の振動を電気信号に変換し、聴神経を介して脳へと送信することで聴力が得られます。
この有毛細胞が誤作動を起こし、正常な電気信号を送れなくなると雑音が発生し、これが耳鳴りになると考えられています。
突発性難聴は片耳のみの難聴であり、耳鳴りも一般的には聴力低下が起きている側(患側)の耳に起きることから、有毛細胞の誤作動による可能性が強く考えられます。
なぜ、有毛細胞が誤作動を起こすのか。
酸欠によるエネルギー不足によって正常に作動せず、それが誤作動につながるというのが一般的な耳鼻科の見解です。
耳鼻科では酸欠の解消を目的として、酸素を運ぶ血液の循環を促進させるための薬剤や星状神経節ブロック注射などを行います。
しかし、有毛細胞の誤作動において特に重要となるのが、有毛細胞自体の問題ではなく、その「動き」を作り出すメカニズムにあるといえます。
図引用 http://www.nanchou.jp/mottomotto.html
有毛細胞は蝸牛の内リンパ腔という場所に規則正しく整列しています。内リンパ腔には内リンパ液という体液が流れ、その流れに合わせて有毛細胞が「動く」ことで音の振動を電気信号に変換する能力を発揮することができます。
この有毛細胞の「動き」の低下が難聴を起こし、「動き」の誤作動が耳鳴りという雑音を発生させると考えられています。
ここでポイントとなるのが、有毛細胞はそれ自体が単独で「動く」のではなく、あくまでその「動き」は内リンパ液の流れに拠っているということです。
鼓膜の振動が中耳の耳小骨によって増幅され、その振動が内リンパ液を伝って有毛細胞を刺激し、電気信号が作られます。
ですから、有毛細胞の「動き」の異常を引き起こす原因として考えなければならないことは、内リンパ液の流れが正常なのかどうかということです。
図引用 http://medical.eisai.jp/products/menilet/treatment/09.html#mt
内リンパ液の流れが何らかの原因で異常をきたすと、蝸牛内に内リンパ液が過剰に貯留した状態がおきます。これを内リンパ水腫といい、蝸牛が水膨れを起こしている状態です。
この内リンパ水腫が起きると耳の奥の圧迫感や水没感に感じ、有毛細胞の「動き」が低下して難聴や耳鳴りを起こすと考えられます。
つまり、耳鳴りの原因が有毛細胞の誤作動であり、それを引き起こすのが内リンパ液の循環不良であるならば、いくら有毛細胞自体にアプローチしても耳鳴りの改善にはつながらないということです(酸素供給のための血流改善薬など)。
では、内リンパ液の循環不良を改善させるにはどうすればよいか。
耳鼻科ではイソバイドなどの利尿剤や循環改善薬を処方しますが、こういった薬剤はあくまで血液に対して効果を発揮するものであり、内リンパ液に対しては効果はありません。
内リンパ液の大本は血液ではなく、頭蓋内で産生される脳脊髄液からきています。
図引用 http://craniobio-seitai.com/cfs.html
脳脊髄液は中枢神経の酸素供給と保護を行う体液で、これが内リンパ腔に流れ込んで内リンパ液となります。
下流の内リンパ液に循環不良が起きているならば、その上流である脳脊髄液にも循環不良が起きていると考えられます。
脳脊髄液は頭蓋骨の動きである「一次呼吸」によって分泌循環し、内リンパ腔に流れ込んで有毛細胞の「動き」を作りだします。
ですから、耳鳴りの改善においては脳脊髄液の循環不良を整えることが必須であり、有毛細胞の誤作動を正常化させるための必要な治療なのです。
こうした考え方や治療法は一般的な耳鼻科や鍼灸院にはなく、そのため「仕方ない」とか「慣れてください」という言葉で片づけられてしまうことになります。
今回の記事では感音性難聴の中でも多い突発性難聴の耳鳴りについて書きましたが、これらはあくまで可能性の話です。
先述したように、感音性難聴の詳しい病態は解明されていません。
しかし、当院では脳脊髄液に対してアプローチする治療を積極的におこなうことで、耳鳴りや難聴の改善に寄与しています。
参考までに。
院長ブログはこちらをクリック
https://ameblo.jp/sumiyoshi-oketsu/
当院ホームページはこちらをクリック
難聴は、異常が起きている部位で分類すると伝音性難聴と感音性難聴に分かれます。
一般的に鍼灸院に来院するのは感音性難聴であり、これは内耳以降の感音器官に異常をきたしたことによる難聴です。
図引用 http://www.asahinajibika.com/original7.html
内耳は頭蓋内に存在するため、その異常個所を目視することはできず、そのため感音性難聴の詳しい原因や病態は解明されていません。
感音性難聴というのは病名ではなく、あくまで分類名です。感音性難聴を引き起こす原因は様々ですが、その病名として多いのは突発性難聴やメニエール病、老人性難聴といったものです。
特に鍼灸院に多く来院するのは突発性難聴であり、その症状の一つには耳鳴りがあります。
図引用 https://www.hosoda-cl.com/ear/315/
突発性難聴は原因不明の急性片耳難聴ですが、その有力な原因説としては蝸牛内の有毛細胞が急速に障害されたことで起きるというものです。
その障害の原因も定かではありませんが、エネルギー源である酸素の供給が低下したことが衰弱の原因であると考えられています。
図引用 https://www.widexjp.co.jp/deafness/what/decline.html
有毛細胞は音の振動を電気信号に変換し、聴神経を介して脳へと送信することで聴力が得られます。
この有毛細胞が誤作動を起こし、正常な電気信号を送れなくなると雑音が発生し、これが耳鳴りになると考えられています。
突発性難聴は片耳のみの難聴であり、耳鳴りも一般的には聴力低下が起きている側(患側)の耳に起きることから、有毛細胞の誤作動による可能性が強く考えられます。
なぜ、有毛細胞が誤作動を起こすのか。
酸欠によるエネルギー不足によって正常に作動せず、それが誤作動につながるというのが一般的な耳鼻科の見解です。
耳鼻科では酸欠の解消を目的として、酸素を運ぶ血液の循環を促進させるための薬剤や星状神経節ブロック注射などを行います。
しかし、有毛細胞の誤作動において特に重要となるのが、有毛細胞自体の問題ではなく、その「動き」を作り出すメカニズムにあるといえます。
図引用 http://www.nanchou.jp/mottomotto.html
有毛細胞は蝸牛の内リンパ腔という場所に規則正しく整列しています。内リンパ腔には内リンパ液という体液が流れ、その流れに合わせて有毛細胞が「動く」ことで音の振動を電気信号に変換する能力を発揮することができます。
この有毛細胞の「動き」の低下が難聴を起こし、「動き」の誤作動が耳鳴りという雑音を発生させると考えられています。
ここでポイントとなるのが、有毛細胞はそれ自体が単独で「動く」のではなく、あくまでその「動き」は内リンパ液の流れに拠っているということです。
鼓膜の振動が中耳の耳小骨によって増幅され、その振動が内リンパ液を伝って有毛細胞を刺激し、電気信号が作られます。
ですから、有毛細胞の「動き」の異常を引き起こす原因として考えなければならないことは、内リンパ液の流れが正常なのかどうかということです。
図引用 http://medical.eisai.jp/products/menilet/treatment/09.html#mt
内リンパ液の流れが何らかの原因で異常をきたすと、蝸牛内に内リンパ液が過剰に貯留した状態がおきます。これを内リンパ水腫といい、蝸牛が水膨れを起こしている状態です。
この内リンパ水腫が起きると耳の奥の圧迫感や水没感に感じ、有毛細胞の「動き」が低下して難聴や耳鳴りを起こすと考えられます。
つまり、耳鳴りの原因が有毛細胞の誤作動であり、それを引き起こすのが内リンパ液の循環不良であるならば、いくら有毛細胞自体にアプローチしても耳鳴りの改善にはつながらないということです(酸素供給のための血流改善薬など)。
では、内リンパ液の循環不良を改善させるにはどうすればよいか。
耳鼻科ではイソバイドなどの利尿剤や循環改善薬を処方しますが、こういった薬剤はあくまで血液に対して効果を発揮するものであり、内リンパ液に対しては効果はありません。
内リンパ液の大本は血液ではなく、頭蓋内で産生される脳脊髄液からきています。
図引用 http://craniobio-seitai.com/cfs.html
脳脊髄液は中枢神経の酸素供給と保護を行う体液で、これが内リンパ腔に流れ込んで内リンパ液となります。
下流の内リンパ液に循環不良が起きているならば、その上流である脳脊髄液にも循環不良が起きていると考えられます。
脳脊髄液は頭蓋骨の動きである「一次呼吸」によって分泌循環し、内リンパ腔に流れ込んで有毛細胞の「動き」を作りだします。
ですから、耳鳴りの改善においては脳脊髄液の循環不良を整えることが必須であり、有毛細胞の誤作動を正常化させるための必要な治療なのです。
こうした考え方や治療法は一般的な耳鼻科や鍼灸院にはなく、そのため「仕方ない」とか「慣れてください」という言葉で片づけられてしまうことになります。
今回の記事では感音性難聴の中でも多い突発性難聴の耳鳴りについて書きましたが、これらはあくまで可能性の話です。
先述したように、感音性難聴の詳しい病態は解明されていません。
しかし、当院では脳脊髄液に対してアプローチする治療を積極的におこなうことで、耳鳴りや難聴の改善に寄与しています。
参考までに。
院長ブログはこちらをクリック
https://ameblo.jp/sumiyoshi-oketsu/
当院ホームページはこちらをクリック