突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。


突発性難聴の詳しい原因や病態は解明されていませんが、内耳の蝸牛にある有毛細胞が何らかの原因で衰弱し、電気信号を脳へと正常に送信することができなくなったことが原因であると有力視されています。



図引用 https://www.widexjp.co.jp/deafness/what/decline.html

有毛細胞は酸素をエネルギー源として活動し、音の振動を電気信号に変換し脳へと送信します。突発性難聴はこの仕組みが急激に破綻することで聴力低下が起きるとされていますが、その引き金となる可能性としては内耳の血流障害が挙げられます。



有毛細胞に酸素供給を行うのは内耳の血液であり、その内耳の血流が低下したり、あるいは内耳の血流の滞りが起きることで有毛細胞が酸欠をおこし、衰弱する可能性が考えられます。



図引用  http://yakuraibos.exblog.jp/18690907/



突発性難聴の患者さんの多くが首の固さや凝りを自覚しますが、これは首の後ろを通過する椎骨動脈が首の筋肉の硬さによって血液の流れに滞りが生じることによると考えられます。

耳鼻科や多くの治療院で、突発性難聴の原因として首の筋肉の硬さを挙げるのはこうした点に拠っています。




では、首の筋肉の硬さ=筋肉の過剰収縮を解消させれば有毛細胞への酸素供給が増加し、有毛細胞の衰弱は回復するのかというと、実際はそう単純な話ではありません。




血液が酸素を運び、その酸素が内耳の有毛細胞に届いて初めて意味を成すわけですが、血液の流れよりも重要なのが、血液の酸素運搬能力の問題です。


血液中の赤血球が酸素と結びつきますが、血液に老廃物が多い状態だと酸素運搬能力が低下しており、肝腎の酸素を運ぶことが困難になります。


東洋医学では、酸素運搬能力が低下した古い血液=老廃物が蓄積した血液のことを、オ血とよびます。




上記写真は難聴患者さんから排出したオ血です。オ血が体内に多く蓄積したオ血体質の場合、酸素運搬能力が低下しているために有毛細胞に酸素供給を行うことが困難な状態となっています。


オ血体質=酸素運搬能力が低下している状態であるにも関わらず、単に血流増加を目的とした治療(ブロック注射や血流改善薬)を行っても残念ながらその効果を発揮させることはできません。



一般的な西洋医学にはオ血という概念がないため、その治療法は単なる対処療法としての血流改善しかできず、そのためになかなか有毛細胞の回復が進まないということにつながるわけです。



では、どのようにしてオ血体質を改善させ、有毛細胞の修復を促進させるのか。その手段として、東洋医学には刺絡療法というものがあります。




オ血の蓄積部位に特殊な針を打って少量出血させ、そこをカッピングで吸引してオ血を排出させます。これが鍼灸師の行う刺絡療法で、もっとも効率的にオ血を排出させることができる治療法です。



刺絡療法によってオ血を排出させると同時に、血液を肝臓と腎臓で解毒させ、新鮮な血液を増やすこと。そうして酸素運搬能力を回復させた血液の流れを増加させることで、初めて有毛細胞に効果的に酸素を届けることができます。


刺絡という考え方と治療法は一般的な耳鼻科にはないため、残念ながら耳鼻科の治療だけでは限界があるのです。



当院では患者さんの体質や状況に合わせて刺絡療法を積極的に行い、聴力回復のための有効な手段として活用しています。





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