突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。





メニエール病は繰り返す回転性めまい、耳鳴り、難聴を主症状とする感音性難聴です。





その詳しい原因は不明ですが、動物実験や死体解剖の結果から、内耳の水膨れである内リンパ水腫が原因だと考えられています。







図引用 http://medical.eisai.jp/products/menilet/treatment/09.html#mt





内リンパ水腫とは、有毛細胞を動かす内リンパ液の循環がせき止められ、内耳全体が水腫=水膨れを起こしている状態です。





音を感じ取る蝸牛と、バランス感覚をつかさどる半規管の両方が水膨れを起こしているため、回転性めまい、耳鳴り、難聴を起こします。





耳鳴と難聴は、片側の内耳だけが水膨れを起こすために片方だけに出現します。





図引用  http://morimoto-ent.jp/doctorblog/839.html







よく、メニエール病の患者さんから、アルコールは控えるべきなのかどうかと聞かれます。





アルコールを飲んだからと言って、メニエール病が悪化するわけではありません。



むしろ、内リンパ水腫の改善のためには内耳のむくみ除去=余分な体液の排泄が重要ですから、アルコールによる利尿作用は水腫の体質改善にとっては有効です。







しかし、アルコールによるのぼせの誘発は脳を興奮状態にさせるため、内臓を調節する自律神経の機能を乱す原因ともなります。





自律神経は内臓の機能を調節する神経であり、脳の視床下部にあります。





図引用 http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/lab/3/animsci/text_id/images/Hormones/brain01_r.jpg





アルコールによって上半身、特に脳へと熱が上ると脳は興奮状態となり、視床下部の機能を狂わせます。すると交感神経が活発に働き、内臓の機能低下と筋肉の収縮、内耳への血流低下を生み、余計に内耳の体液循環を阻害する原因ともなります。







ですから、アルコールを摂ること自体がいけないわけではなく、摂取後ののぼせが交感神経の興奮を生むのがよくないのです。







そのためには、肝臓の解毒機能を高めてアルコールの早期分解を促したり、のぼせ解消のために梅やシソの葉を摂るなどが効果的です。









ちなみに、内リンパ水腫とはないリンパ液の循環障害です。



内リンパ液の大本は血液ではなく、脳脊髄液からできています。



したがって、どんなに血流をよくしても、残念ながら内リンパ液の循環はほとんど改善しません。



アルコールによって利尿作用が有効なのは、あくまで体液を排泄することで循環しやすい条件を作り出しているだけであって、利尿作用だけを高めてもないリンパ液の循環は改善しないのです。







内リンパ液の循環を調節するには、その大本の脳脊髄液の調整が必須なのです。









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