パイプオルガン再設置を 習志野市議会が意見書可決 クラファン足りなくても「返金せず、市費投入」

「オルガンを残して欲しけりゃ2千円以上出せ。市は一銭も出さない」という宮本市長の「おかしな」クラウドファンディングに、18:9の多数で「ノー」をつきけた習志野市議会

 

(東京新聞の記事より)

 JR津田沼駅南口(千葉県習志野市)の再開発に伴って再整備される習志野文化ホールにパイプオルガンを再び設置するかどうかを巡り、同市議会は13日、議員発議の「再設置を求める意見書」を賛成多数で可決した。市は「再設置の可否を問う」を掲げ、10月の1カ月間に行うクラウドファンディング(CF)で、目標額に達するかどうかで決める。意見書に法的拘束力はないものの、議会の総意として「再設置」を示した。 

 

 パイプオルガンは1978年の文化ホール開館とともに、「音楽のまち」のシンボルとして設置された。3512本のパイプを備えた大型オルガンで、ドイツのベッケラート社製。当時国内にあった公共ホールでは初の設置だった。

 意見書では、市費を投じて再設置するとともに、CFの実施方式を、目標額に達しなかった場合は返金する「オール・オア・ナッシング方式」から、支援金全てを活用する「オール・イン方式」に変更することなどを求めた。採決で賛成18人、反対9人だった。

 パイプオルガンを巡っては、文化ホールなどを併設する複合商業施設モリシア津田沼で、老朽化による建て替え計画が進んでいる。新ホールへの再設置費用は約1億5千万円と見積もられ、その費用をCFで賄うことにしている。宮本泰介市長は「パイプオルガンは使用頻度が低く、維持費もかかる。移設の可否は市民の皆さんらの判断を仰ぎたい」と説明する。

 市はホームページに特設サイトを設け、主な公共施設にチラシを配布するなどしてCFのPRを始めた。

 

2千円から受け付け、今月20日ごろに具体的な目標額などを公表することにしている。(以上、東京新聞の記事より)

 

(18:9の圧倒的多数で採択された意見書)

 
13日市議会での質疑、討論です。(敬称略)
 

平川博文(都市政策研究会)だれが賛成、だれが反対、というケチなことは言わないで、みみっちいことは言わないで前に進めてもらいたい。

 

大宮こうた(明日の習志野)「可否を問う」というクラウドファンディングには疑問を持っている。市として再設置したいのか、したくないのか、「大義」が全く見えない。

「音楽のまち」として、「文教住宅都市」として未来につなげたい、というような「大義」を示して欲しかった。逆に、再設置しない、ということであれば「これからは街角ピアノを置いて日常的に音楽に親しむから再設置しない、というような「大義」を示して欲しかった。

民意の問い方も問題。パブコメや関係者へのヒアリング、アンケート、選挙など、民意の問い方にはいろいろあるが、そこにお金を介してはならない。賛成か反対か民意を問えば良かったのに、「賛成の人は2千円出して。反対の人は何もしなくて良い」などという民意の問い方は最悪。1億5千万出しても、オルガンが100年持てば、1年あたり150万、決して高くない。

 

荒木和幸(真政会:市長会派)パイプオルガンの利用で、他の利用を妨げてしまうリスクもある。何よりも大切なのはコスパ。維持費もかかる。

 

宮内一夫(市民の会)パイプオルガンの利用が少ない、というが、利用を増やす努力などしてこなかったことが問題。専門家に聞いたら「パイプオルガンは楽器の一つ。演歌だって、ポピュラー、ジャズだって、いろんな曲を演奏できる。そういうこと知ってますか?」と言われた。目からウロコでした。

(パイプオルガンで都はるみの「北の宿」)

市長は他人事のように「利用が少ない」と言っている。見識を疑う。子どもたちが自分で演奏できなくても、曲に触れたり、演奏しているところを見学したりすることで音楽への夢を持つようになる。自分で弾いてみたい、というお子さんが出て来るかも知れない。

市民の全額寄付で市は一銭も出さない!?こんなクラファン、日本中にも世界にもない。またスマホを使えないお年寄りが、キャッシュレスでなく、現金でも参加できるようにすべき。

 

谷岡隆(日本共産党)残念ながら市長は全市的に幅広く意見を聞く場を設けなかった。島田元副市長の集計によると、2022年のパブリックコメントで、再設置に賛成が33名、反対が1名、設置の有無をどのように検討するのか?という意見が1名、だったそうです。

議会答弁でも賛成22名、反対3名。いずれにしろ再設置賛成が多数市長はクラファンで「可否を問う」というやり方に突き進もうとしている。目標額に達しなければ再設置しない、という乱暴なやり方。寄付金を出すか、出さないか、で市民を試すようなやり方をすべきではない。クラファンについて、市民への周知期間をほとんど設けず、たった1ヶ月で1億5千万集める、というのは無謀。宮本市長は最初からパイプオルガンを再設置するつもりはなく、「再設置しないのは、市民が寄付金を出さなかったからだ」と責任転嫁するために無謀なことをやっている。宮本市長がやろうとしている「失敗覚悟」のやり方は支持できない。オール・オア・ナッシングではなく、寄付をムダにすることなく、足りない分に市費を投入するオール・イン方式に賛成。周知・実施の期間も全市民に行きわたるよう見直すべき。

2千円出さなければ賛否を問う取り組みに参加できない、というのは、まるで「貧乏人は口を出すな」というようなやり方。

 

結果は…18:9の圧倒的多数で意見書を採択

与党の内、真政会(市長会派)と公明党の9名が反対。あとは与党の一部も含め、全議員が意見書採択に賛成しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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