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ドン・ジュアンが床に片足を立てて座り、その膝の中にマリアを座らせ後ろから抱きしめる姿にキュン
そして、ベッドで目覚めるシーン…
下着姿のようなマリアと、ベッドで安心し切って寝ているドン・ジュアンがやっぱり可愛い
2人の衣装とベッドが真っ白なのが印象的
ドン・ジュアンが変わったことを象徴しているのでしょうね
ここでのマリアには母性を感じました
2人で遠くに行って暮らそうと語るドン・ジュアンの『理想の家』が乙女チック
一面に花が咲いている
庭にはオレンジの木を植える
鳥たちがやってきて鳴く
海の近くがいい
潮騒が好きなんだ、あの音に包まれて眠りたい
魚も採れる!
女達と毎夜快楽を貪っていたとは思えない、清純な青年?少年?になってしまったドン・ジュアン
このまま2人で幸せに暮らさせてあげて…と思わず願ってしまいますが、騎士団長を殺した罪と罰は無かったことに出来ないし、マリアには婚約者がいるし…
ここのドン・ジュアンが幸せそうであればあるほど、最期が辛いです
戦場から戻ってきて、マリアとドン・ジュアンが愛し合っていることを知ったラファエル(永久輝せあ)が、「あいつを殺す!」と苦悩する姿が美しくも悩ましい…
こんなイケメン2人から思われるマリアが羨ましい
そして、ラファエルの存在を知ったドン・ジュアンは動揺し怒り狂って決闘を言い渡すのですが…
マリアに「決闘なんてやめて!今愛してるのはあなたよ!」と言われている間中、激しく爪を噛んでいるのです。
不安で押しつぶされそうなのでしょう
落ち着きなく動き回り、初めての嫉妬に苦しむドン・ジュアン。
ここで歌う『嫉妬』という曲も好きです。
"聞いてないぞ、愛が嫉妬を生むなんて!
二度と彼女と話すな、触れるな、見るな!
俺だけを見ていてほしいんだ
彼女だけを愛してる"
ドン・ジュアンは嫉妬の感情に苦しみながら、今まで妻や女達が味わってきた同じ苦しみに気がつくことが出来たのか…
残念ながら、まだそこまで大人になりきれていないように感じました。
ドン・カルロ(咲ちゃん)や父が、決闘はやめるように諭すけれど、すっかり前の悪い顔に戻ったように見えるドン・ジュアンは聞き入れません。
この辺りの、雪組生たちのタップダンスが素晴らしい
父や友が歌う『ひとり』という曲
「ドン・ジュアンに友人なんていない。彼はひとりだった、初めから終わりまで」
というような内容の歌詞で悲しくなるのですが…
よく考えたら父、妻、友人、かつての女…がドン・ジュアンを心配して決闘の場に駆けつけてきたシーンでもあるのですよね。
ドン・ジュアンとラファエルの決闘が始まると、あっという間にラファエルが負けそうになるのですが、そこに亡霊が現れ…
亡霊「おまえが勝つ。
そして、おまえは何も変わらず、
愛を失い、
罪を背負って生き続けるのだ。」
ドン 「なんだって…?」と動揺する表情が切ない
亡霊「誰もが誰かを愛し、愛のために生きている」
ドン「愛のために…生きている」と泣きそうな顔
亡霊「世界は愛に満ちている
お前だけがそこにいなかった」
ドン・ジュアンが可哀想で、それは言い過ぎでしょう!とツッコミたくなりました
ドン「オレはどうすればいい?」
なんて素直なの⁉️
亡霊「出来ることがあるはずだ」
ドン「オレに出来ること…」
亡霊 「まだ分からないのか、結局おまえは
変わることなど出来なかったのだ」
ドン「バケモノめ!
オレにも分かってるんだー!」
この最期の言葉が悲しい…
そして、向かってくるラファエルに対し、自分の剣をサッと投げ捨て両手を上げて向かっていき、わざと刺されるドン・ジュアン。
1人倒れながら、息も絶え絶えに歌う
『愛のための死』
"オレは愛が愛が分かった
愛は人の証しだから
人であるためにオレは死ぬ
罪人として生きるより
人として死にたい
オレはオレを許せない
殺すべき敵はオレだった
だから死ぬ、一人で
彼女の心に生き続けるために
愛のためにオレは死ぬ"
もう、この辺りから涙が止まらなくなります
そして、最期はマリアに抱かれながら息を引き取ります。
吉村とはまた違う死に様ですが、見事でした。
マリアが
"彼は生きているわ
愛した日々は生き続けてる
ドンジュアンは生きてる今も
私の心に熱い愛を残し
彼と共に生きた日々を忘れない"
と歌うのを聞いて、ドン・ジュアン良かったね…と、また涙が…
そして、死んだドン・ジュアンに亡霊が赤いバラを差し出すのですが、ここで亡霊に許されたのだ…と分かり、また涙が…
ドン・カルロが最初のシーンで
「天使のような眼差しで魅惑する
悪魔のような男」
と歌うのですが…
ドン・ジュアンの中で、まさに天使と悪魔が戦っていたということなのでしょうか。
だから人から憎まれるけれど、また人を強く惹きつけもするのだと思いました。
最後は、全員が「愛のために死んだ人を忘れない」と歌うなか、バラを1本持ったドン・ジュアンが真ん中に立っているシーンで幕…
客席はもちろん、DVDを観ている私も感動の大拍手
ラファエルを殺し自分が生き残って彼女の愛を失うよりも、死んで彼女の心に生き続けることを選んだドン・ジュアン…
自分が救われる道を選んだのだから、本望なのでしょう。
悲しい結末だけれど救いがあるから、後味の良い舞台だと感じました。
ただ、それは死ぬことで救われたドン・ジュアンに感情移入しているからであって…
息子を亡くした父
友を亡くしたドン・カルロ
夫が他の女のために死んだ妻
決闘に勝ったけれど恋人を失ったラファエル
愛した人を亡くしたマリア
彼らにとっては、悲劇でしかないようにも思いました…
色々と考えさせられる、とても密度の濃い素晴らしい舞台でした
そして、天使と悪魔の両面を持つドン・ジュアンの存在があまりにも強烈で、私にとっても忘れられない存在になりました
さて…
お芝居のあと、もう一度ライトが当たり手拍子の中キャスト全員が出てくるのですが、最後に出てきた時の"だいもん"の晴れやかな顔といったら
この時はまだ雪組2番手ですが、トップスターの風格充分という感じです
そして…
カーテンコール
だいもん
「ありがとうございました!
今日の公演は、皆さん薄々お気づきかと思いますが、DVD収録の日でした〜!
はい、この瞬間をなんとDVDが納めてくれています。
えー皆さま、今日の感動を(それ、自分で言っちゃう⁉️) 是非何度でも味わって頂きたい。
はい、ぜひDVDお買い上げよろしくお願いしま〜す!」
この挨拶には、後ろの組子達も思わず吹き出していました
いつものことですが、さっきまでドン・ジュアンを演じていた人とは思えないこのギャップが、やっぱり萌えポイントですね
結論。
やっぱり…"だいもん" 大好き
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