幼い頃の自分と母が楽しげに踊っている様子をじっと見つめている今のドン・ジュアン。
その母が急死…?
嘆き悲しみながら胸の十字架ペンダントを床に投げ捨てるドン・ジュアン。
大好きだった母が亡くなった悲しみから、神や世の中を恨み、唯一の家族である父親にも反抗して奔放に生きるようになってしまった…ということなのでしょうか
ここで、ちょっとファントムのエリックを思い出しました
幼い頃のシーンを回想している間、大人のドン・ジュアンが指の爪を見ている仕草が子供っぽくて、愛に飢えている可哀想な子供に見えて堪らなくなります
このあと、ドン・ジュアンは不安に襲われるとイライラと爪を噛む仕草を何度もするのですが、その度に切なくなります…
悪ぶっているけれど、父に反発する姿は反抗期の少年のよう…
この辺りから、無性に母性本能がくすぐられます
騎士団長の亡霊に「おまえは満たされていない」と言われ…
「あ〜そうさ!いつものことさ!」と答えるドン・ジュアンに、深い深い孤独を感じてしまいます
亡霊 「おまえの欲望は止まらないだろう、真実の愛に巡り合うまでは。」
核心を突いていますね。
心が満たされないから、せてめ体の欲望だけでも満たそうと快楽に溺れる…ということなのですね
そして「愛なんてありはしない」というドン・ジュアンに
「私が導き見せてやろう、愛と出会えばおまえは目覚め、自分の罪のおぞましさが呪いとして降りかかる」という亡霊に導かれて、彫刻家のマリア(彩みちる)と出会ってしまうのですが…
マリアを初めて見た瞬間に、顔付きが全く別人のように変わるドン・ジュアン
そのウットリとした目つき!
一目惚れ?
これは、亡霊の呪いで惚れたのか?それとも…
今までかぶっていた悪魔の仮面が、一瞬で割れてしまったように感じました
舞台の空気が変わった!
マリアに話しかける時の戸惑った表情は、まるで中2の男子
可愛い…
悪ぶらず急に正直に自分の気持ちも話しちゃう
でも…
「住んでる世界が違う」とマリアに言われ
「え…住んでる世界が違う…?」と悲しそうに動揺するドン・ジュアン
「どうしたんだオレは?
この感覚はなんだ?
バケモノ、オレに何をした⁉︎
一体なんなんだ?
頼む教えてくれ
これがオマエの呪いなのか?」
初めて女性にキュンとなった自分に心底戸惑っている…やっぱり思春期の男子に見えてくる
そして…
名曲『Aimer エメ』を切々と歌い上げます
この歌とっても良いので、聞いたことがない方はiTunesなどで是非試聴してほしいです
"愛してると言ってほしい
愛のよろこびに 命捧げても なにも惜しくない
愛に貫かれ 命捧げても 君を愛したい"
歌っている時に天から白い羽がひらひらと舞い降りてきて、ドン・ジュアンが変わったことを表していると思われますが…歌詞にドン・ジュアンの最期が暗示されていて悲しいシーンでもあります。
ここからは、すっかり愛の虜になったドン・ジュアンがひたすら可愛い
マリアが彫った騎士団長の銅像お披露目の日…
ウットリとした目で銅像を眺めながら、広場に現れるドンジュアン。
騎士団長を殺した本人がいきなり現れたので、騒然として追い出されそうになります。
「石像を作った女に会わせてくれ!」と叫び
「会ってどうしようというのだ⁉︎」と言われ
一瞬ひるんで
「分からない…
だが会わなくては気が済まない!」
駄々をこねる子供のよう
いえ、まるでストーカー
そして、無事にマリアとの再会を果たし、
マリアもドン・ジュアンに心惹かれていることが分かり
二人で変わろうと語り合い、抱き合う…
ここ、初々しくて見ていてドキドキしちゃいます
前半は、溢れるエロスにドキドキし、
後半は、初々しさにドキドキさせられます
はぁ〜
まだ、これで第一幕…
書ききれない
第二幕の感想は、また次回に
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