公演名:OSK日本歌劇団『春のおどり』

日時:2024.4.6~4.14(日)

会場:大阪松竹座

 

4月13日(土)に、大坂松竹座までOSK日本歌劇団の『春のおどり』を観に行ってきました。

 

 

 

 

場所は、新大阪から地下鉄御堂筋線で7駅(16分)、なんば駅15B出口から徒歩1分のところにあります。

駅からは近いのですが、新大阪駅で御堂筋線に乗り換えるまでと、なんば駅で降りてから出口に到達するまでが田舎者には結構長く感じられました。

そして、なんば駅を出てからですが、徒歩一分のはずなのに地図を見ても方向が全然わからず、近くにいらした女性の方に松竹座の場所を尋ねると、なんとその方も松竹座に行かれるところで、その場所から見える位置を指して「あそこです」と教えていただき、それでもまだ入り口がわからない私はその方について松竹座まで行きました。

駅からすぐ近くでも、やっぱり下調べは必要ですね。

 

劇場前に行くと、すでにたくさんの人が劇場前に溢れていました。
入場もすでに始まっていたので、急いでチケットを取りだし、入場しました。

 

 

入り口横には満員御禮の札がかかっていて、うれしく思いました。

 

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劇場内に入ったら、一回のロビーででまずパンフレットを購入し、そのまま客席の一階席のある松竹座の三階へエスカレーターで上がります。
二階には、OSKの物販があり、劇団員さんたちのプロマイドなどがたくさん並べられていました。
翼さんのプロマイドを眺め、今日はこんなシーンがあるんだなと思いつつ自分の席へ向かいました。
 
第一部が和物レビュー『春楊桜錦絵(ヤナギニハナハルノノシキエ)』で
第一章『春楊桜錦絵』
第二章『たけのこ』
第三章『~民謡メドレー~ 麦屋節・大漁唄い込み・ちゃっきり節・佐渡おけさ・深川マンボ・河内音頭』
第四章『春夜絆剣戟(はるのよふけきずなのつるぎ)』
第五章『蝶のように』
第六章『櫻よともに舞え』
 
~休憩30分~
 
第二部は洋物レビュー『BAILA BAILA BAILA(スペイン語で、踊れ、踊れ、踊れの意味』で
第一章『ラティンクスA』
第二章『ラティンクスB』
第三章『ブギウギラプソディ』
   「ハッピー☆ブギ」
   「胡蝶の舞」
   「四季の宴」
   「ジャングル・ブギー」
   「東京ブギウギ交響曲A」
   「東京ブギウギ交響曲B」
   「東京ブギウギ交響曲C」
   「大阪ブギウギ」
第四章『柳下佳人』
第五章『Rinnging Jiggy』
第六章  フィナーレ
   「主よ人の望みの喜びよ」
   「アイネクレイネ ナハトムジーク」
   「ブルー・タンゴ」
   「パガニーニ カプリース第24番」
第七章 パレード
 

 

《感想》

 

第一部

 

『春楊桜錦絵』

和物レビューのオープニングは、『春楊桜錦絵』という、全員が着物姿で歌い踊る豪華絢爛なレビューでした。

男役さんと娘役さんが若君と姫のようなお衣裳で総踊りされ、一気に雅な夢の世界へと引きこまれました。

翼さんの若君姿は、とても初々しく可愛らしく、あまりの可愛さに一度目は気づかず、二度目で隣席の娘に言われてようやく気付きました。

このシーンは客席降りがあり、可愛らしい娘役さんと凛々しい男役さんが一階席10列ぐらいまで来てくださり、私は通路寄りの席だったので、近くにいらした知颯かなでさんがおきれいだったのでじっと見ていたら、ちょうどこちらの方向をご覧になった知颯さんと一瞬目が合った時にニッコリしてくださって、とてもうれしかったです。

コロナ禍でずっと客席降りがなく、数年ぶりに復活したとのことですが、客席降りは劇団員さんが間近で観られてファンにはうれしいサービスですね。

 

 

『たけのこ』

『たけのこ』のシーンでは、先に観に行かれた方のコメントをSNSで拝見して、落語の『たけのこ』がお芝居になったということを読んでいたので、ネットでその落語を調べてから行きました。

落語の内容は、自分の家の庭に生えて隣家のたけのこを、その家の主人(椿りょうさん)が、なんとかして自分のものにして好物のたけのこ料理を食べたいと考え、知恵を絞るお話です。

主は武家の主人ですから、下男の可内(べくない=翼和希さん)を隣家に走り使いをさせて、可内が隣家の主人(壱弥ゆうさん)とやり取りをしますが、そのやりとりのおかしさが見所です。

そして、そのやり取りのために、隣家まで使い走りさせられる可内役の翼和希さんが、伝言を頼まれるたびに隣家ではありますが、隣家の玄関まで遠回りして行かねばならず、その度に客席に降り、ぐるっと最後列の後ろを回ってまた舞台まで戻るということを三回繰り返されていました。

三回目の使い走りを終えた翼さんは、ハァハァと息を切らしながら「足パンパン」と言われ、客席は大爆笑でした。

この時の翼さんの見事な疾走に「さすが体育がずっと5だっただけあるなぁ」と、風のように客席通路を走り抜ける翼さんに毎回見惚れていました。

また、可内の主人役の椿さんは、たけのこが食べたくてかつお節削り器とかつお節を持ってウキウキしながら可内の帰りを待っているところや、自分の考えを可内に耳打ちするところ、隣家との垣根を可内と一緒に懸命に動かす様子がおもしろく、コミカルな場面もとてもお上手でした。

隣家の主人役の壱弥さんも、可内の主人にまけじと応戦するところがおもしろかったです。

たけのこのあらすじとオチはこちらに詳しく載っていますので、事前に勉強されたい方はぜひご覧くださいね⇒たけのこ 落語散歩

 

この後、舞台上の盆が回って民謡メドレーの衣裳を着た劇団員さんたちが舞台の裏側から現れますが、可内はもう堂々とたけの堀りをしていて、それをうれしそうに眺める主人と、悔しそうな隣家の主人との間で繰り広げられる攻防戦を、盆が回って見えなくなるまで続けているところがツボで、毎回見えなくなるギリギリまで首を伸ばして楽しく観ていました。

 

 

『民謡メドレー』

民謡メドレーですが、最初にこの演目を聞いた時は、民謡をどのように歌劇団のレビューとして見せてくださるのか、まったく想像もつきませんでした。

ところが、『たけのこ』の景が終わって盆が回って、反対側から浴衣姿の劇団員さんたちが並んで現れると、とても素敵で思わず小さく歓声を上げてしまいました。

男役さんの浴衣姿は、想像以上にみなさん男前でカッコよく、娘役さんたちは可憐で、いつの間にか民謡の世界にどっぷり浸かっていました。

日本舞踊と聞くと、やっぱりちょっと一般人にはなじみが薄く難しいイメージがありますが、民謡であれば一度は誰もが聞いたことのある曲が多く、曲が流れるとスーッと自然にその世界に入っていけた気がします。

そして、なんと言ってもきちんと日本舞踊を研修所で学ばれた劇団員さんたちの踊りは、指先爪先まで神経が行き届いていて美しく、大人数で揃って踊るシーンは壮観でした。

 

印象に残ったシーンですが、『ちゃっきり節』での娘役さんたちが茶摘みをする姿が可愛くて、一面に広がる茶畑が目に浮かぶようでした。

特にセンターで歌い踊る純果こころさんの弾けるような笑顔、後ろを向いてお尻フリフリするところがキュートで、この曲で純果こころさんのお顔を名前をしっかり覚えました。

『深川マンボ』では、長年連れ添った夫婦のように息のぴったり合った楊琳さんと舞美りらさんの踊りに魅せられました。

途中、けんかをしているようなところや、楊さんに言われて何かを思い出したようにおでこをポンと叩く舞美さんが可愛らしく、スピーディーで艶っぽいとても素敵な民謡をお二人は見せてくださいました。

翼和希さんは、浴衣姿も黒髪に似合って凛々しく、きれいな指先の動きや白足袋の足の動きに見惚れ、初めて観る翼さんの浴衣姿と踊りにすっかり魅了されてしまいました。(ボーっと見惚れていたせいか、どこがどのようにと詳細に思い出せないことがもどかしいですが)

 

 

『春夜絆剣戟(はるのよふけきずなのつるぎ)』

ここは殺陣のシーンで、黒紋付に袴姿で刀を持った男たちの激しい立ち回りが見所です。

楊さん演ずる男Sは、曲者たちにつけ狙われ、ついには囲まれてしまい絶体絶命の危機に陥ります。

と、そこへ助太刀に現れたのが翼さん演ずる男。

男Sを助け、二人で曲者たちを次々倒していきます。

最後に残った二人は、真ん中で背中合わせに立ちながらホッとしたように目を合わせてうなづき合い、刀を構えて力強く客席を見据えます。

この殺陣のシーンでは、男役さんたちの激しい立ち回りが真剣(本当の刀)ではないにしても、一歩間違えばけがをしかねないような激しい戦いで、ドキドキハラハラしながら固唾をのんで見守りました。

男役さんのみなさん、きっとたくさんお稽古されたと思いますが、これぞまさに真剣勝負!と思いました。

 

 

『蝶のように』

娘役さんたちによる優雅な踊りが素敵でした。

トップ娘役さんお二人のお衣裳は、長く垂れた帯に蝶が描かれていて、日本髪に裾を引く着物姿がとても素敵で、その美しい所作に見惚れてしまいました。

日本の伝統的な民族衣装と踊りが改めて素晴らしい文化だと感じ、歌劇の世界でも継承されていって欲しいと思いました。

 

 

『櫻よともに舞え』

楊さんがお一人で踊られるこの演目は、観客のみなさんに感謝と別れを告げられていて、舞い散る桜吹雪の中で、鳳凰の描かれた華やかな装束を身にまとった楊さんは、とても晴れやかな笑顔で舞っていらっしゃったのが印象的でした。

            

 

第二部

 

『ラティンクスB』(追記しました)

男役さんは袖にフリルが付いたりゴールドだったりする上衣、娘役さんは黒とゴールドのドレス姿で歌って踊りまくるこの場面。

唯城ありすさんはゴールドのダルマ衣裳に白い大きな羽根を背負った極楽鳥の姿で登場され、曲の途中で翼和希さんと激しく踊るのですが、大きな羽根を背負った唯城さんが軽やかに翼さんと踊る姿が本当に美しく、胸が熱くなりました。

へぼ侍のフィナーレのデュエットダンスも大変美しかった記憶がありますが、今回のお二人のダンスも素敵すぎて、ちょっと涙が出てきてしまいました。

 

『胡蝶の舞』

何といっても一番印象的だったのは、ブギウギの劇中劇として朝ドラで放送された『胡蝶の舞』と『四季の宴』です。

『胡蝶の舞』は、翼さんが劇中で演じられた橘アオイが黒蝶となって踊るレビューですが、今回フルバージョンで観られました。

ドラマで大和礼子役の蒼井優さんが演じられた白蝶を舞台では白藤麗華さんが演じられましたが、やさしく温かく黒蝶を包む所がとても胸に沁みました。

翼さんは、橘アオイを思わせるメイクでドラマのように踊っていて、一瞬、自分がUSKの舞台を観ている観客になったかのような錯覚に陥り、とても感動しました。

ドラマでは短いレビューシーンでしたが、舞台では黒蝶と白蝶が羽根を広げて華麗に舞うシーンや、黄色い蝶の精たちの可憐なダンスシーンなどたくさんあり、見応え十分でとても楽しめました。

最後に、青い美しい蝶の楊琳さんと舞美りらさんがセリ上がって登場され、あの後にこんなストーリーがあったとは!と驚かされました。

 

『四季の宴』

また『四季の宴』ですが、ドラマのままに秋の王子(華月奏さん)、春の王女(城月れいさん)、夏の王子(翼和希さん)、そしてドラマでは大和礼子役の蒼井優さんが演じられていた冬の王女を唯城ありすさんが演じられていました。

こちらもドラマで放送されたレビューよりさらに長いバージョンで作られていて、七色の虹の精たちや傘をさした黄蝶たち、あらし、こだま、しずくの精も登場し、ストーリー性のある一層豪華なレビューとなっていました。

翼さんは、ドラマの中のレビューシーンと同じエメラルドグリーンのお衣裳に黒髪で、あの時の橘アオイ演ずる夏の王子そのもので、あの時の憧れの方を目の前で観ていることが信じられなくて、胸の奥から熱いものがこみ上げてきました。

劇中劇としてのバージョンも素敵でしたが、フルバージョンの劇場版もレトロな雰囲気がいっぱいのとても素敵なレビューなので、またもう一度、夏の新橋演舞場で観られることを楽しみにしています。

 

 

『ジャングルブギー』

この景はジャングルの女Aに扮した千咲えみさんがジャングルの男Sの楊さんに寄り添いながら「ワオワオワオ~」と迫力ある歌声を響かせてくれます。

途中、ジャングルの男、壱弥ゆうさんと椿りょうさん、女豹の娘役さん二人も登場され、まるでジャングルの中で豹たちが駆け巡っているようなスピーディーな展開で、あれは誰?とオペラグラスで見ても追えないぐらいみなさん素早い動きでびっくりしました。

最後、セリ上がっていく中で楊さんの背後で絶叫する千咲さんは、楊さんを食べちゃうのかと思うぐらいの勢いでした。

 

 

『東京ブギウギ交響曲』

最初の東京ブギウギのシーンは、ドラマで初回に出てきたバックダンサーのお衣裳(カンカン帽にゴールドのミニの衣裳)を娘役さんたちが着ていらしゃって、わ~あのシーンの再現だと心の中で盛り上がっていました。

この時の翼さん、オレンジに黒の虎柄スーツに白ジャケット姿がスタイリッシュで、伸びやかな歌声で東京ブギウギを劇場に響かせてくれていました。

 

 

『バレエの場面』(演目名わからず)

オレンジの衣装をまとった舞美さんと、薄いピンクの衣裳の娘役さんたちのダンスがとても幻想的で美しく、舞美さんは本当にダンサーとして美しい方だなとうっとり見惚れていました。

昨年11月の京都南座での舞美さんのバレエ的シーンがありましたが、娘役さんだけで踊るバレエのシーンは、これからも毎回観てみたいと思いました。

 

 

『柳下佳人』

太上皇役は、おひげがよくお似合いの美しい桐生さんで、三人の太妃(白藤さん、城月さん、唯城さん)を侍らせてお茶のひと時を楽しんでいる様子。

侍従は、白い衣裳をまとった壱弥さん。

そこへ現れたのが夜啼き鳥の楊さんで、この鳥に一番若い太妃である唯城さんが惑わされ(誘われ?)、ついていってしまいそうになる。

その時、太上皇の兵士たちがやってきて、将軍が矢を射ると夜啼き鳥に当たり、倒れてしまう。

太上皇はそんなつもりがなかったように悲しみ、夜啼き鳥は息絶える(だったかな?)

最後に、夜啼き鳥役の楊さんが、舞台下手のセリで下がっていくのですが、その時、下手袖で侍従役の壱弥さんもセリ下がる楊さんに合わせて徐々に下がっていくのですが、最初は壱弥さんもセリで下がっているのだと思っていました。

が、二度目に観た時に、それは壱弥さんがご自分で楊さんに合わせて徐々に低くなっているんだとわかり、ちょっと感動しました。

 

『Rinnging Jiggy』

キラキラした黒燕尾の男役さんたちによる群舞、とても壮観で素敵でした。

レビューと言えば、やっぱりこれが見たいですよね。

昨年11月に京都南座でOSK日本歌劇団を観始めてから半年、公演で見る度に少しずつ劇団員さんたちのお顔を覚えてきて、群舞の時に「あ、これは○○さんだ」と思いながら観られるようになったことがうれしいです。

黒燕尾の男役さんによる群舞も、やっぱり毎回観たい演目の一つです。

 

 

『フィナーレ』

「主よ人の望みの喜びよ」

黒のお衣裳をまとった楊さんと舞美さんが階段の上から登場されます。

トップコンビの黒のお衣裳ってなんだか新鮮で、大人っぽいお色気の漂うお二人にとてもよくお似合いで、楊さんと素敵なデュエットダンスを見せてくださいました。

 

「アイネクレイネ ナハトムジーク」

こちらも、朝ドラ『ブギウギ』中で出てきた赤で後ろにフリル付きのあのお衣裳で、下級生の劇団員さんたちによるラインダンスが披露されました。

テレビと同じく揃った足上げがお見事で、パワフルなラインダンスを見せてくださいました。

ドラマのように、つい壱弥さんを探してしまいました💦

初舞台生の三人の内の二人が休演されていたので、今回は華妃ダリアさんお一人でしたが、堂々と踊られていたので初舞台生とは最初は気が付きませんでした。

華やかな容姿が目を引く華妃さん、今後のご活躍が楽しみです。

 

ここから先も、よく覚えていなくてすみません💦

本当は、一度見て日を置いてもう一度、二度と見ると、内容がしっかり頭に入ると思いますが、遠征の為一日二回観劇することと、現地でプログラムを読む気持ちの余裕がなく、どれがどのシーンであるのか、終わってみると記憶がこんがらがってしまってうまく説明できないということに毎回なってしまいます。

このリベンジを夏の新橋演舞場で、その前に南座で二部のレビューをしっかり観るんだ!と心に誓いました。

 

 

画像は、e+貸切公演の撮影タイムで撮ったものです。(トークショーに参加された劇団員さんたちです)

すでに一週間がたち、記憶がかなり曖昧ですが、思い出せる範囲でトークショーの内容を次回の記事に書いてみようと思います。

 

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