2017年3月5日(日)から相鉄線:星川~天王町駅間の下り線が高架が
完了したので、自宅の近くでもあり、視察に行ってきました。
今回の鉄道橋梁工事は、Sumioのライフワーク(生業)なので
なるべくみなさんに分かり易くレポートします
1.工事場所
天王町、星川は横浜から3つ目、4つ目の駅です。
天王町は旧東海道を抱える歴史の街。
星川は保土ヶ谷区役所がある区の中心。
特に、星川駅横浜方にある天王町3号踏切は、星川駅が2面4線の
急行退避駅でもあり、いわゆる開かずの踏切でした(泣)
2.天王町駅付近
1)駅断面(相鉄HP)より
駅は本線・待避線(法律用語で副本線といいます)とも高架化完了。
上の断面図と実在の写真がシンクロするように撮りました。
上り線の高架橋が、チョン切れているのは、
今しか見れない鉄道風景です(どこかで聞いたフレーズ)。
10000系が空を飛ぶように通過していきます(新下り本線)。
自転車のお父さんもマジマジと眺める図。
ここの天王町3号踏切(星川駅前踏切)が渋滞の名所だったんです……。
天王町3号踏切から横浜方を見たところ↓。
今日1回目の9000系横浜ネイビーブルー塗装車。
相鉄100周年記念車で、将来相鉄-須賀線-東横線乗入予定者です。
この車、地下鉄を走ると、
横浜ネイビーというより、忍者車のようです
それに、横浜ってネイビーなの?????(→市民でも知らない)
2)頑張れ、同業者たち!
ここで、星川駅横浜方の看板を見つけたので、同業者にエールです
事業者は、横浜市道路局(→大スポンサーです)
発注者は、相模鉄道
施工者は、鉄建・NB・西松・三井住友建設JV(第4工区)
3)星川駅下り線(高架駅)
ホームへ上がって見ると、まだ高架になっていない
上り線のホームの工事中でした。
鉄筋工事(配筋工事といいます)が終わったら、コンクリートを打ちます。
星川駅下り線ホームから海老名方を撮った様子。
7000系が行きます。
最近の高架駅では、すっかりスタンダードになった待合室。
最近の真夏の関東は、これが無いとねぇ~
(暑くて…)
軌道は、最近の高架化でポピュラーな「弾性直結軌道」。
茶色のまくら木は、木マクラギに見えますが、
「合成マクラギ」といい、ガラス繊維を固めたもの。
相鉄保線技術陣は、土木構造が変わるところに使っているようです。
(→難しいので、これは説明省きます)
(Sumioの鉄道土木講座;「弾性直結軌道」とは)
普通の軌道(線路)は、砕石(砂利)ですよね~?!
これは砂利の代りにコンクリ―ト床(スラブといいます)を敷き、
その上にPCマクラギ+レールを敷きます。
これは、主な軌道のメンテナンスの砕石の整備(いわゆるタンパ突固め)作業を
しないためのものです。
ただ、PCマクラギとコンクリート床を直結させると
硬いもの同士→騒音・振動がひどい→乗り心地が悪くなりますね。
そこで、枕木の下と側面にゴムパットを挟んで、騒音・振動の低減と
乗り心地の向上を狙った軌道構造形式です。
関東では、埼京線が最初に導入したといわれています。
以上終わり。
4)星川駅南口
この駅、仮設だけどすげぇ~~~~。
なにが、すげぇかっていうと、仮設なのに橋上駅舎なんです!!!!
一般的には、仮設は安く・安く・極力安く上げたいのですが、
かなり、費用が掛かってます。
仮設こ線橋が完成した高架に潜りこんでいます。
5)星川駅北口
こちらも仮設高架駅舎です。
上り線高架駅は、まだ養生ネットの中。
手前の川は、横浜駅で太平洋に流れ込む帷子(かたびら)川
6)撤去を待つ旧下り線(地上)ホーム
誰も居ない、使われなくなった旧下りホーム。
3/4(土)まで沢山の通勤・通学客でごった返していたのに…
まさに「春草や~つわものどもの夢の跡…」
なんとなく、わび・さびを感じます……。。
2.天王町駅
今度は、一駅横浜方の天王町駅に行って見ましょう。
1)概要
下りホームは図面上側に移設+海老名側にホームがズレるようです。
この駅の工事に関して、図面では分かりませんが、
土木工事的に超~~~~難しい工事です
理由)工事着手前から高架駅になっていて、さらに高架駅の高さを
3/7(土)終電~3/8(日)始発の一晩で上げるからです。
どの様に、工事をしたかは、看板に全く説明がありませんが、
相当、難しい工事だったと思います。
相鉄技術陣と東急・錢高・奥村・みらいJVに拍手です。
下の写真で軌道を観察すると……
まくら木が新しくなっている部分(弾性直結軌道)から、
右が新しくなった高架駅です。
その下のまくら木の残骸が、
3/7(土)まで、使っていた下り線の旧レールです。
ここが、新旧高架化切り替えポイントだと分かります。
2)海老名・星川方の様子
右側の電車が上り線(地上から)7000系。
左側の電車が新下り線(高架へ)11000系。
真中の線路は、旧下り線(地上へ)。
下の写真は、新下り線(海老名・星川方)
新下り線ホームから上り線(既設高架)を望む。
今日2回目の9000系横浜ネイビーブルー塗装車。
まだまだ、上り線の高架化工事が続きます。
相鉄・ゼネコン技術者のみなさん、頑張ってください