恩師への感謝 | 曽根純恵オフィシャルブログ「心地よいひととき」Powered by Ameba

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立秋の日、私の恩師が旅立たれました。
この世界に私を導いてくれた方です。

7年前、CMAの面接をして下さったのが、
TBSの、元アナウンサー奈良陽さんでした。
奈良さんから
『この仕事をすると人生が変わってしまうけれど、それでもいいか?』 
と尋ねられ、
「やってみないと分かりませんし、覚悟はできています。」 
 と、 応えました。
この時の私は、キー局のアナウンサー試験に落ち、
他の企業から頂いていた内定を断って、就職浪人をしていたので
まさに崖っぷちにいたのでした。

CMAに所属してからは、ニュース読みの特訓をして頂き、
ニュースバードのオーディションに合格。
四月にキャスターとして、お仕事を始めるまでの三ヶ月間
毎日のように特訓は続きました。
そして、最初の4年間は、
週1回のペースでマンツーマンの研修を受けていました。
それから、
『読みが安定してきているから、毎週は来なくていいよ。』 と言われ、
2週間に1回、次第に月に1回と、ゆったりしたペースで
メンテナンスをしてもらうようになっていました。

頻繁に研修に行くのは、 
「 ニュースの読みが上手になりたい。 」
という気持ちはもちろんですが、
実は、奈良さんとお話しするのを毎回楽しみにしていたのです。
ニュース原稿との向き合い方、
私の知らなかった政治や社会の歴史の話。
奈良さんが仕事で深く関わった
浅間山荘事件、御巣鷹山での日航機墜落事故の話などなど。。。         
さらには、水戸黄門から、刑事ドラマのお話まで、
私にとっては、聞く事全てが新鮮でした。
研修後には、行き付けの中華のお店によく連れて行って頂きました。
ビールや甘いものが大好きな方でした。

仕事の相談をさせて頂くと、「大丈夫。大丈夫。」
と、独特のおおらかなお答えが返ってきて、何度励まされたか分かりません。
プライベートな悩みも打ち明けたりして、勝手に、父親のように慕っていました。
又、奈良さんをお見かけして、私が手を振ると、振り返して下さる、
そんな優しくて温かなお人柄でした。

奈良さんが入院されてから、2回電話でお話しました。
お声が聞けて良かったと思いますが、お見舞いを予定しながら
結局間に合わなかったことが悔やまれます。
肩こりの奈良さんに、肩を揉んであげたかったのです・・・。
研修をもう受けられないと思うと、寂しい想いが込み上げてきます。
今まで教わったことを胸にしまって、これからも頑張っていこうと思います。
奈良さんにお会いできたことは、私の人生にとって誇りです。
奈良さん、本当にありがとうございました。 


この夏休み中は、ゆっくり奈良さんを偲びたいと思います。 星