あわの自然学園の移動教室について④ | 墨田区の子どもを放射能から守る会

墨田区の子どもを放射能から守る会

〜活動報告ブログ〜

放射能の問題に不安を抱くママパパが集まり、
育児のこと、食生活のこと、放射能問題など
交流することを基本に活動しています♫

 これまで3回にわたり「あわの自然学園」周辺の放射能汚染の状況と、鹿沼市、墨田区の認識について、問い合わせと回答も含め紹介してきました。
 第4回は、これまでの情報をもとにした、鹿沼市と墨田区への提案です。

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1、 放射能汚染の状況を正確につかみ、移動教室の場所について再検討してください。

 鹿沼市の回答から、「あわの自然学園」周辺の線量が、年間線量1.78ミリシーベルトを超える箇所があることがわかりました。くわえて、当会に情報をよせていただいた方から1マイクロシーベルトを超える場所があることもわかっています。(測ってガイガー)
 鹿沼市の回答では、「あわの自然学園」周辺をふくむ鹿沼市の土壌汚染について「基準がないため測定を実施していません」とありますが、放射性物質汚染対処特措法に基づく指定管理基準は8000bq/kgであり、日光市も鹿沼市も除染実施区域に指定されています。(関連ホームページ:除染情報サイト)
 鹿沼市、墨田区の両自治体には、「あわの自然学園」周辺の土壌汚染の状況について検査をすすめていただきたく思います。
 墨田区も、ホットスポットが見つかった土壌については計測しています。
 子どもたちが安全に学ぶ環境にあるかどうかを判断するためにも、空間線量だけでなく、土壌汚染についての計測していただくよう望むものです。
 計測結果にもとづき、移動教室の場所として適切かどうか、教育委員会だけの判断ではなく、専門家による第3者の意見もふまえ決定していただきたく思います。

2、「移動教室」期間中の食事に関して

1)「移動教室」で子どもたちが食べる食材の測定を行なってください。
 「移動教室」期間中の食事を提供する会社は、長野県にある「フードサービス・シンワ」ですが、当会によせられた情報では、食材の線量測定はしていないことがわかりました。(HP)

 墨田区では、保育園、小学校、中学校で子どもたちが食べる給食について、放射線量の測定を実施(月一回)しています。
 「移動教室」が鹿沼市で行なわれるから、子どもたちが食べる食事について検査しないというのは道理にあいません。場所がかわったからといって、墨田区の小学校に通っている児童であることにかわりはありません。
 「移動教室」期間中、子どもたちが食べる食事(給食)について、「フードサービス・シンワ」に計測を依頼するか、もしくは区として計測をするよう望むものです。また、区はどういった経緯から「シンワ」を選んだのかも知りたいところです。原発事故後、食品をあつかう企業では、放射性物質の検査を自社でおこなっている企業は沢山あります。そういった情報を開示している企業もあるなか、どうして「シンワ」を選んだのか教えていただき思います。

2)「ますつかみ」について。場所の変更、調理方法の提案。

 また、「移動教室」では「ますつかみ」が行なわれます。
 「自然学園」のそばを流れる利根川水系の水質検査について環境省が詳細な計測をおこなっていますが(詳細はここ)
この数値をみてわかるように高い場所は複数あり、この河川で「ますつかみ」を体験することはできるだけ避けていただきたいと考えます。

 子どもたちが「ますつかみ」で捕まえた「ます」を食べる際、ぜひ検討していただきたいことがあります。
 それは調理方法です。
 淡水魚は少ない栄養分を体内の取り込もうと、海水魚よりも放射性物質を溜め込みやすい構造になっていますが、放射性物質の多くは内蔵とエラ、ヒレに付着します。
 調理する際、①内蔵をとり流水でよく洗う、②エラ、ヒレを取り除くなどをすれば、80%以上の放射性物質を取り除くことができるといわれています。
 一手間をくわえるだけで子どもたちを内部被ばくの危険から守ることはできます。このことも検討していただきたく思います。


3、キャンプファイヤーの薪の使用について

 鹿沼市と墨田区の回答から、キャンプファイヤーで使用する薪の線量は32.80Bq/kgであることがわかりました。
 しかし、薪そのものの線量であり、焼却した灰の線量ではありません。焼却灰は放射性物質を濃縮することは科学的にも解明されています。
 調理用の薪は40bq/kgという基準が定められていますが、キャンプファイヤー用では基準がないという点も問題だと思います。前回のブログでも述べたように、調理する場合は、火のそばにいる人間の数は少数ですが、キャンプファイヤーでは多くの児童が火を囲みます。また、調理よりも多くの薪を使用するため、焼却灰の量は調理の比ではありません。
 そこから、二つのことを提案するものです。

1つは、キャンプファイヤーで使用する薪は、鹿沼市の山林からとれるものではなく、他県から、もちろん放射線量の計測ずみのものを購入すること。

2つは、放射性物質の多くは、薪の樹皮に付着しています。キャンプファイヤーで使用する場合、薪の外皮を取り除いて使用してください。外皮をとるだけでも大幅な線量減をのぞむことができます。

1、 の放射線量の測定に関わる問題ですが、キャンプファイヤーのあとに残った焼却灰についてです。環境省の定めでは、8000bq/kgを超えた放射性廃棄物は「特別な処理が必要になる」(環境省)とあります。8000bq/kgを超えなければ、安全に処理することができると定められていますが、薪の灰をどう処理するのか、山林に埋めるのかどうかお聞かせください。
 山林の土壌汚染を避けるためにも、キャンプファイヤーの焼却灰は計測し、それに基づき適切な業者に処理を依頼することを望むものです。

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 福島第一原発の事故から2年経ちます。テレビやマスコミでは、汚染水の問題など一定報道はありますが、事故は収束方向にすすみ、放射能汚染は福島県だけに限定されたものであるかのような報道ですが、2011年3月15日以降、関東は放射能プルームに覆われ多くの山間部、都市が放射能汚染されました。私たちが住むこの墨田区(主に北部)の線量が高いのもそれが原因として考えられます。
 放射性物質の都市型濃縮が進んでいる地域もあり、いまもホットスポットは点在しています。著しい変化があるとはいえる状況ではありません。
 幼児、子どもたちは放射線の影響を強くうける、細胞分裂の盛んな時期です。食べる物も、遊ぶ場所も自分の判断で選択できません。子どもたちの健康、未来を守るのは大人の責任です。
 墨田区には、栃木県、鹿沼市の放射能汚染の状況を正確につかみ、移動教室の場所の再検討、食事や課外授業の中身の検討を要望するものです。
 当会としては、さらに栃木県の状況、「あわの自然学園」周辺の状況について調査していきたいと思います。
 栃木県鹿沼市のかたで、ホットスポットや線量について情報をもっている方がいらっしゃれば当会までお寄せください。安全、安心とばかりいっていても不安が解消されることはありません。除染作業をおこなっていくことが大切です。一日も早く子どもたちが安心、安全に学べる環境をつくるために、お力をあわせられればと思います。