あわの自然学園の移動教室について③ | 墨田区の子どもを放射能から守る会

墨田区の子どもを放射能から守る会

〜活動報告ブログ〜

放射能の問題に不安を抱くママパパが集まり、
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墨田区(教育委員会)の回答をうけ、「あわの自然学園」のある鹿沼市へ問い合わせをしてみました。

当会からの質問は以下3点(要旨)です。
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質問1、「あわの自然学園」周辺の線量、土壌汚染状況について教えてください。

質問2、移動教室期間中、「自然学園」で子どもたちが飲む水について、墨田区の回答では「学園で使用している自然水」とありますが、水の計測などされていれば教えて下さい。

質問3、キャンプファイヤーで使用する薪ですが、墨田区の回答では「学園周辺から採取できる木材を使用する」「鹿沼市のデータから問題なしとの結果をえている」とありますが、鹿沼市の山林からとれる薪の放射線量(焼却灰など)の計測結果があれば教えて下さい。

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数日後、鹿沼市の放射線対策室の方より、丁寧な電話をいただき書面で回答を頂きました。

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回答1、あわの自然学園(以下、施設)は鹿沼市の所有物ではないため、鹿沼市としての測定は実施していません。鹿沼市内のコミュニティセンターでは測定器を貸出していますので、どなたかが測定器を借りて施設周辺の空間放射線量を測定することは可能と思われます。
 なお、平成24年8月に鹿沼市内の全地区をメッシュ測定した際には、施設がある地区は地上1mで0.204μSv/hという測定結果が得られています。
 土それ自体は、基準がないので測定を実施していません(土の測定は、販売用の赤玉土や黒土に限り実施しています)。


回答2、平成25年1月29日に、施設から沢水と地下水の測定申込がありましたが、いずれも定量下限値未満(※)でした。上記の測定結果を貴団体にお伝えすることについては、測定依頼者である墨田区のご了解を得ていることを申し添えます。
 
 また、平成25年4月に鹿沼市内の沢水・井戸水で4件の測定申込があり、うち1件は施設がある粕尾地区の井戸水でしたが、いずれも定量下限値未満でした。
 国が飲料水の基準としているのは10Bq/kgですが、鹿沼市の測定器の下限値は25Bq/kgなので、あくまで参考値としてご理解ください。
 なお、栃木県内の水道事業者及び水道用供給事業者で実施している水道水の検査結果は、検出下限値は1Bq/kgで、県内30地点いずれの水系でも放射性物質は不検出です。

 →後日あらためて詳しく質問し、口頭で回答をもらいました。1月29日の検査は、水道源水、河川水も含むそうです。「ますつかみ」を体験する思川(おもいがわ)の下流で水をとり、計測したとのこと。検出下限未満でしたが、下限値は25Bq/kgなので、あくまでも参考値にしてくださいとのことです。


回答3、平成24年4月26日に、施設から「キャンプファイヤー用の薪」の測定申込があり、32.80Bq/kgの測定結果が得られております。上記の測定結果を貴団体にお伝えすることについては、測定依頼者である墨田区のご了解を得ていることを申し添えます。
 なお、国が「加熱調理用の薪」の基準としているのは40Bq/kgですが、キャンプファイヤー用の薪は基準がないため、参考値としてご理解ください。


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墨田区、鹿沼市の担当者のみなさま、丁寧な回答をいただきありがとうございます。

鹿沼市の担当者さまからの連絡をうけ、再度墨田区に飲料水と薪について、区内に問い合わせたかたがいました。情報を提供していただきましたので、お伝えします。

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<墨田区の回答>

1、 あわの自然学園の飲料水の放射能検査について

 鹿沼市放射能対策室における水の検出下限値については、25Bq/kgとのことであり、参考数値とのことでございます。
 本区といたしましては、飲料水の国基準10Bq/kg以下であることを確認するため、区独自の検査を行うこととしておりまして、一般財団法人日本冷凍食品検査協会に検査を依頼し、飲料水として問題なしとの回答を得ております。
 また、万が一を考えまして、1検体のみではなく、2検体について採水の日時を変えて実施したところでございます。以下はその検査結果となります。


試験項目      試験結果   単位    検出限界値
ヨウ素-131   <1.0   Bq/㎏   1.0
セシウム-134  <1.0   Bq/㎏   1.0
セシウム-137  <1.0   Bq/㎏   1.0

・試験方法はゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種分析法です。(12時間検出)
・試験検査実施日:平成25年5月7日
 以上の検査結果を踏まえて、あわの自然学園の飲料水においては適正であると判断いたしております。


2、 キャンプファイヤーで使用する薪について

学園でキャンプファイヤーのときに使用する薪について、鹿沼市放射能対策室に検査を依頼いたしました。

以下はその検査結果となります。

★測定方法はγ線スペクトロメトリー

測定項目       測定結果       定量下限値  
セシウム-134   定量下限値未満     15
セシウム-137    22.14        10     
放射性セシウム     32.80        25
(Cs-134,Cs137合算値)

・測定機器:EMF211型ガンマ線スペクトロメータ(NeIシンチレーションスペクトロメータ)
・薪の基準値等:放射性セシウム合算値40Bq/㎏
※ 測定年月日:平成25年4月26日
※ 薪においては、基準値内のものであるため、キャンプファイヤーで使用してまいります。

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 薪については鹿沼市から既にもらっている回答の内容と同じものであると確認できます。
 ただ、鹿沼市の回答には「国が『加熱調理用の薪』の基準としているのは40Bq/kgですが、キャンプファイヤー用の薪は基準がないため、参考値としてご理解ください。」とあるように、あくまでも基準値の参考となるのは調理用の薪の基準であり、キャンプファイヤー用ではありません。
 使用用途が異なるものを同一に比較することは適切ではないと考えます。
 調理する場合は人数が限られますが、キャンプファイヤーの場合、多くの子どもたちが火を囲み、調理で使用するよりも多くの薪を使うという点からも「基準値内のものであるため…使用する」という判断をあらためていただきたいと考えます。そもそも灰は焼却されると放射性物質は濃縮されます。

 飲料水については、鹿沼市の検査だけでなく、区として検査していただいたいことは大変ありがたく思います。このような丁寧な検査をしていただけることで、親の不安も緩和されます。


 空間線量について、鹿沼市の回答から「あわの自然学園」周辺が、(平成24年8月の時点では)地上1mで0.204μSv/hあるということがわかりました。(年間の線量は1.78ミリSvになります。)墨田区のホームページ上に掲示されている情報では、平成23年度7月のものまでしか公開されていませんが、場所によっては0.28μSv/hの数値も計測されています。(HP)

 墨田区の基準では、0.25μSv/h(地上1メートル)を超えた場所は除染することと定めていますが、「あわの自然学園」周辺がそれに近い、高い線量の地域であることがわかりました。また、山林を除染することが難しいのは、福島県の状況をみればわかります。
 また、土壌汚染について、「あわの自然学園」は鹿沼市の所有物ではないため、鹿沼市としての測定は実施していないため正確な汚染状況がわかりません。
 こういったことからみても、空間線量が0.25μSv/h以下であるため安心してくださいとはいえるものではないと考えます。


鹿沼市と墨田区の回答を紹介しました。
第4回では、これまで集めた情報から、会として考えていること、提案などをお伝えします。
では!