続きです。
2011年3月11日(金) 15:45分ころ
学校についた頃には雲行きが怪しくなってきた。
寒いってことに気付いて、コートは持ってきたものの...来てなかった。
学校の引渡しは相変わらず続いていて、さっき来たときよりも子供の数が少なくなっていた。
余震が続いていて校舎も体育館も危なそうでしたが、なんとか入れそう。
子供たちの安全の為に校庭の中央部で約200名前後の子供たちが集まり、
周りに先生方が子供たちを囲みながら保護者を待っていました。
数人の知っているお母さん方に声を掛けながら、校庭中央へ。
保護者を待っている子供たちが、数十分まえより少し落ち着いた様子。
校長先生、教頭先生がハンドマイクを持ちながら「保護者の方はこちらです!」と案内。
学校近くの交差点は保護者の車と救急車やパトカー、そして非難しようとしている車で渋滞。
渋滞っていうか...ほとんど動いてませんでした。
子供の安否を確認すると、知り合いのお母さんが寄ってきました。
「津波が....○○○(地域名)まで来ているって...」
もしここまで来たらって考えると...。
校長先生に「津波が○○○まで来ているので校舎に非難させた方が良いと思います」と。
教頭先生と直ぐに相談し、落ち着いた口調で「校舎に入ります! 担任の先生の後に続いて校舎に入ってください!」とみんなにアナウンス。
自分は昇降口で混雑しないように子供たちの誘導。
子供たちが全員入ったことを確認してから校門に立ち、地域の非難されてきた方々の誘導をしました。
ラジオを片手に...さっき引渡しを終えた保護者と子供も再び学校へ避難。
津波が来ていることを知った地域の方々が続々と避難してきました。
16:00分ころ
誘導をしていると両親のことを思い出し、家に戻りました。
「津波来てるって...」と言われましたが、「ここまで来るかもしれないので、学校へ避難して!」
と伝え再び学校へ。両親と妹、子供も一緒に学校に非難。
学校付近に来ると、ヘリコプターが飛んできました。
今まで見たことも無いくらいの低空飛行。
「津波が来ています!至急非難してください!!津波が来ています!至急非難してください!」
その光景...一生忘れない...。
そういえば...祖母は大丈夫かな...?
叔父もいるので、あれから大津波警報がでているので、遠くへ避難しているだろうな...。
こんな時..携帯電話の電源があと少しに。祖母への電話もつながりません。
そんな時に妻から電話。
妻「□□□まで来たんだけど渋滞で動かない...」
妻「しばらくかかると思う...。早く帰りたい...涙。」
自分「落ち着いて聞いてね。津波の警報が出てるよね。」
自分「こっちに来るためには、渋滞で危険なので、仙台駅方向(海から逆方向)へ行って」
自分「こっちも道路が渋滞しているので家まで着くまでかなりの時間がかかると思う」
妻「いやだ...涙 みんなの所に行きたい.... ここよりもみんなの方が危険でしょ!」
自分「こっちはみんな無事。学校へ避難してるから大丈夫」
自分「とりあえずは街中の方に向かって!状況をみてからまた電話する!」
街中方面への車は動いているとのことなのでとりあえず危険な方向に来ないように話をしたつもり
なんだけど...パニックになってる...。少し落ち着かせてから電話を切りました。
ほとんど電源がありませんでした。
こんな時に...。
雪が降ってきました。
真っ白で、冷たく、急にどんよりとしてきた空。
神様...なんでここまで...。
非難してきた方は足が不自由な方もいました。肩を貸しながら校舎の上の階へ誘導。
ラジオを片手に非難されてきた人は、「15m以上の津波が押し寄せてるらしい...ここもヤバイかな...」
津波が気になり、校舎の屋上へ...。
津波がきているのが見えます。
ゆっくりと。すこしずつ。
今まで見たことも無い光景。
早歩きする速さで、田んぼが湖になってく...。
校舎には沢山の人たちが非難してました。
取引先のお客さんは海沿いに多かったので気になりはじめました。
でも電話も出来ない。
16:15分ころ
雪が晴れてきました。
電気の無い風景..。信号。
救急車とパトカー、消防車のサイレン。
どんな被害になっているのか...。
余震も続いています。
明日の予定は何だっけ...。
全部キャンセルか...。
片付けどうしよう...。
暗くなりかけていた空。雲の切れ間から明かりが挿してきました。
もう少しで夜。
懐中電灯....。
16:30分ころ
そんなことを考えていると妻から電話。
妻「今近くまで来たけど車を置いて歩いてる...ごめんね。どうしても帰りたかったんで...」
自分「わかった。今どこ?」
場所を聞いて、家までもどり、自転車で迎えに行きました。
その頃は日も傾きかけてきた。
数ヶ月まえに買ったばかりの車なんで...置きっ放しで津波に巻き込まれたら大変なことだ...」
この段階ではこの付近まで津波が勢いよく到達しないことが分かっていたので、
落ち着いていました。
自転車をこぎながら、しかし...寒い。
間もなく妻と会いました。
妻「涙..ごめんね。言うこと聞かなくて」
自分「いいよ。車はどの辺においてきたの?」
指差した方向に自転車を二人乗りして向かい。
車を発見!自転車を積み込んで。
自宅へ帰ることに。
車のヘッドライトを付けないと危ない暗さになっていました。
車で久しぶりのタバコを吸いました。
17:15分ころ
家に着くと、急ぎ足で学校へ向かい子供と会いました。
子供はすっかりと元気になっていました。
両親と妹も家に戻っていたので我々家族もとりあえず家に帰りました。
途中、数人の知り合いと会いながら。
17:30分ころ
余震が続き、家に入ることは危険なので、今晩は車で寝ようということに。
家の家族は3人、両親と妹は別の車で。
お昼にコンビニで買った弁当があったことを思い出しました。
子供ははじめ「食べたくない...みんなの分がないから...」
と言っていましたが数分後には「腹減った」と半分弁当を食べました。
気がついた時には空は真っ暗でした。
祖母は大丈夫か....。
津波はジワジワと押し寄せてきているのが見えました。
祖母の家に行くことは無理だと直ぐに分かりました。
子供が言いました。
「眠くなってきた」
少しホットしました。
妻と自分はカーナビでワンセグTVを見ながら不安な夜を過ごすことになります。
真っ暗になった町並みは時が止まったか、戻ったかしたように静まりかえり、
サイレンだけが鳴り響いています。
見上げると星が...。
星がこんなに綺麗に見えたのは生まれて初めて。
仲間はみんな元気かな...。
続く。