と、思ったら僕はもう一人パチンコ業界における肝心な大御所先生を忘れていた!
それは赤塚不二夫先生である。
赤塚先生の場合、天才バカボンやおそ松くんの生みの親になるが、おそ松さんは赤塚先生の死後にデビューした作品であり、厳密に言えばstudioぴえろ制作になる。
なので、僕が今回の昭和30年代の話ですると…
ひみつのアッコちゃんがポテンシャルヒットであり、古書価値としては残念ながら今まで述べた作家の中で一番評価が低かったのである。
その一番の理由が赤塚先生の場合、主戦場を少女漫画にしていたことだった。
少女漫画は残念ながら古書価値として見た場合、少年漫画よりも格段に評価が下がるのである。
これは横山光輝先生についてもそうで、昭和31年の『少女』が15000円くらいで購入出来たのである。
それに対して昭和31年の『少年』(※児童誌の代表雑誌)だと最低でも3万円はするほどで、むしろ3万円なら人によっては安い!と思われるほどだった。
余談だが、鉄人28号が新連載した昭和31年7月号の『少年』は、鉄人28号が新連載していただけの理由で…本誌と付録合わせて
28万円
という掟やぶりの金額だった。
当時、この本が古書市場で本が見つかっただけで、古書業界内はニュースになったが、まさか誰もが28万円で売るとは…と目を丸くした。
と同時に売った店主をバカにしていた。
そのバカな店主が売った本を買ったバカな客こそが、この僕である。
だから私たち二人は古本業界においても
伝説のモノ笑いの種
になっている。しかし、当の本人としては必死だった。
なぜなら鉄人28号の第1回目の付録を入手すると、全部で115冊存在する鉄人28号の付録の完全揃いが現実的に見えてくるからである。
なので、これを高過ぎるの理由で購入を諦めてしまうと…
次、一体いつ鉄人28号の第1回目の付録が入手出来るのか?
これが入ったら残りの鉄人28号の付録はあと4冊…
鉄人28号の付録揃いに王手をかけられる絶好のチャンスじゃないか!
それを何度も考えて、それこそ清水の舞台から飛び降りるつもりで…ついに購入に踏み切ったのである。
結果としてはこれは正しく、僕はこの時から1年半後に鉄人28号の付録が全部集まり、横山マニアの中で一番最初に鉄人28号を揃えた人と言われるようになった。
また僕が漫画マニアを引退するまでに昭和31年7月号の『少年』と鉄人28号の付録の揃いは二度と市場に流通しなかったのである。
またも脱線したので、次こそは桑田次郎先生のお話をキチンとしたいと思う。
つづく