共同印刷の課長は、僕に今後の予定を確認すると改まった物言いを急にし始めた。
正直に言うと僕はこの時の課長の意図が分からなかった。
だから、宝島社、学研ホールディング、角川グループと具体的な出版社を挙げたのだけど、まさか?僕の代わりに交渉でもしてくれるの?
それはもちろん違った。
だが、課長の意図を聞くにつれ、僕の顔はみるみる紅潮になった。
実は弊社は出版社さんに持ち込み企画の仕事もしてまして…
不屈座さんの企画を出版してくれそうな出版社さんに私どもの方でお話したいのですが、いかがでしょうか?だった。
ええっ、僕の企画を出版してくれる出版社をご存知なんですか?
ええ、2、3社ほど…
あれ?もしかしてガイドワークス、双葉社、辰巳出版さんですか?それはダメですよ。パチンコを普段扱っていない出版社が僕の条件なんですから…
ええ、ですからその条件で出版社に心当たりがあるんですよ(ニッコリ)。
それは共同印刷が、僕の出版プロデューサーに名乗り出てくれた瞬間だった。
今度は僕の方が目を丸くする番だった。
そして僕にはこの共同印刷の課長が月光菩薩に見えた(実際似てます(笑))。
え~~~~、そりゃあもう僕の代わりに直接交渉をしてもらえるのでしたら、謝礼は必ずしますよ!こちらこそ是非お願いします!
いえいえ、不屈座さんから謝礼なんていらないですよ。
え、どうして…
私どもは出版していただけるだけで利益が生まれますので…
課長も部下もパチンコはしないと会話に出たので、まさかこんな話の流れになることに僕は驚きだった。
だけど、僕はまだ半信半疑だった。そこで僕は素直に共同印刷の課長に、僕の企画の個人的な感想を求めた。
すると課長は、私はこの企画書なら(出版に)いけると思いましたよ。だからお声をかけさせてもらったのです。
それは僕がこれまで持ち込み続けた出版社から聞きたいズバリそのままの言葉だった…
嗚呼、僕のゴールとは今日この時、この場所だったんだ(しみじみと)。
ついに出版社が…山が動いたんだ…
その場で泣きたいくらいの嬉しさだった。
こうして共同印刷の見積り話が無事終わった。
次はどこに行こうか…
ここで、僕は自分のブログを作るためにブログをチェックしようとしたらメッセージが届いていた。
その相手は…
つづく
※この日の出来事は全てノンフィクションです。
不屈座