値段設定は決まった。後は発行部数と紙質、その他を決めて打ち合わせはいよいよ大詰めを迎えた。
発行部数については、共同印刷の方から親切に、今の話の条件なら500冊で格安に作れるニュアンスの話を僕にしてくれた。
500冊か~
自分の本なのに、まだその実像が予想もつかない…
恥ずかしながら多いのか?少ないのか?それすら分からなかった。
そして発行部数は500冊、700冊、1000冊、2000冊の4種類になったのだが…よく考えたらパワーホールさんのグループ数×100の1300冊もあれば…と思い、急遽これも追加した。
そしてクライマックスの紙質…
これは僕の名刺でも拘っているのだが、パチンコライター時代の名刺は僕のマンガキャラを併載し、不屈座名刺は高級用紙を使用している。
それはもちろん名刺を渡す相手に自分を売り込むためであり、僕の中ではここでゴングが鳴ったと思っている。
なので、安っぽい紙に捉えられそうなのは全部カットと言ったら相手はビックリして、それなら…とサンプル印刷を課長自らが取りに行った。
そして戻って来てB6のサンプル印刷本を見た時、これだ!と思った。
ただ、中のページ数を確認すると128ページあり
このボリュームで64ページに仕上げられますか?
と僕は尋ねた。もちろん、と言われその紙質ならと最後の項目も決まった。
そしてその他の注目として…
この自費出版本を必ず商業出版本にしますから、見映えは商業出版本っぽくして下さい。
と言った。最後の最後で、僕は見た目を意識してしまう…
やっぱり僕は見栄っ張りなんだろうな…
ふと、そんな寂しそうな眼でサンプル印刷本を見た。
これで話は全て終わり失礼しようと思ったら共同印刷の課長が、F社に関するアフターの話を持ちかけてくれた。
曰く、スポンサーがついたのなら商業出版でも出版社なら買い取ってもらえる見込みが出来たのだから、もう一度F社に最新情報をアピールした方がいいですよ、と言われた。
あ、その手があったか…
そうですね、でも僕としてはF社がダメなら次は
宝島、そして宝島社がダメなら学研ホールディング、角川グループの順番でアタックすることを考えていて、それを課長にも伝えた。
すると課長は…
つづく
※この日の出来事は全てノンフィクションです。
不屈座