そして隣のルパンは全くと言ってよいほど
回らない台
だった。何でしょう…ランマスでしたかった思いをエヴァで味わうなんて…
エヴァの一撃13連チャンは自己最高記録で本来なら喜ばしいはずなのに…
ランマスが噛ませ犬になっている現実
ランマスが設置しているシマに再び戻ると、先ほどの老婆がトレジャータイム中だった。
ヤラれたとは思わなかった。
あくまでも、老婆がチャンスを活かせただけであり、それは老婆の実力なんだと素直に認めた。
悔しいのは、九州に来ながら最後まで実戦しなかった自分に対してだった。
アレ?この感情は…どこかで…
それは前日の知人に対する僕の想いと全く同じだった。
ハハハ、僕は何事に対してもこんな考えの人間だったんだな…
自嘲して遠目でホール全体を見ている僕。
もう実戦意欲はなかった。
時刻は3時過ぎ、夜に博多駅に戻ればいいからあと3時間はこのままでいいのか?
ぼんやりとして椅子に座っている僕の視界から、ふと昨日の知人に似ている人が見えた。
えっ、でも身体は動かなかった。髪型が昨日と違うから他人のそら似とばかり思ったからだ。
だが、その人がシマを見渡しキョロキョロしていて、僕と正面で逢うとお互いアッとなった。
昨日の知人は、僕に今日は逢えますとは一言もメールで僕に伝えていない。
どうしてますか?と聞かれて博多からはるか離れたこの地でランマスを打っていることをメールで伝えただけだ。
そして今から行きます、のメールもなかった。
だから僕らは全く驚きの再会だった。
next