業界の仕組みを、まだまだ正しく理解していない、正義感に溢れている後輩の発言を聞き
僕は思わず、かつての僕を思い浮かべた。
そう、汚れなき新人時代を…
仕事を真面目にさえ、こなせば、いつまでも仕事をさせてもらえると思っていたことを…
トラブルさえ起こさなければ、いつまでも業界人でいられると信じていたことを…
だが、それは根拠のない
僕の思い込み
に過ぎなかった。
今まで僕は何度か語ってきたが、パチンコ業界は、伏魔殿と呼んでも過言ではなかった。
大ベテラン業界人になってこそ、ようやく自由な発言を許される世界であり、その域に達するまでは
自分を殺すことをマスターしてなければ
自分が職業を失うことを意味していた…
……
…
不『キミの言い分は分かったよ。それで、その後はどうするんだい?』
後『後って、どういうことですか?』
僕は呆れて首を振った。
不『キミがブログで発信した後だよ』
後『えっ』
不『えっ、じゃないだろ、肉親は一般人だから匿名で書くのは分かるよ。だけどキミも匿名で書くのかい?それって卑怯だと思わないのか?』
後『どうしてですか?』
そこで僕は1オクターブ高い声で
不『オイッ、なら、ペンネームで書けよ!』
後『うわっ…』
不『なっ、書けないだろ?キミのやろうとしているのは所詮
安全圏からの攻撃
で、偽善なんだよ』
更に追い討ちをかけるように
不『いいかい?キミは自分では事実だからの理由で、フィールズの無礼を暴くわけなんだろ?それなら自分のペンネームで書けよ。それをせずに匿名で書いてもそれは
ただの中傷記事に過ぎないんだよ。
自分は安全圏にいてのフィールズの非難は、虫の良い卑怯者のすることなんだぜ!』
これを機会に
批判記事を書くことのリスク
を僕なりに後輩へ伝えたつもりだった。
だが、後輩は
後『じゃあ、自分の名前を出して書くのなら先輩も賛成なんですか?』
不『何ぃ!』
売り言葉に買い言葉というべきか、エヴァ9の最初の非難記事を止めさせるつもりが
僕の言葉によって、逆に後輩の決意を固めさせようとしていた…
そして、それはそのままワーストというタイトルのシナリオが、僕の頭をよぎった…。
~明日夜に続く~