…オニュSide…
薄々は気付いてたんだ。
認めるのが怖くて、受け入れるのが怖いから、
見てみぬふりをしていたんだと思う。
いつものカフェに行き、いつもと同じ席に座る。
お気に入りのソファ席に身を預けると
一気に現実感に襲われた。
台湾から帰る直前に、ヌナからメールが来ていた。
正直、韓国に戻ってきたら連絡してみようかと思っていたし
嬉しくなったのは確かだった。
ただヌナの事を考えるたびに
どうしても頭のどこかにテミンの顔が浮かんでいた。
宿舎でヌナの手を掴んだ事。
日本でのライブの時にテミンがホテルを抜け出した事。
ヌナが楽屋に来た時、テミンが「あみ」と名前で呼んだ事。
そして今回の出来事。
まさかドンへヒョンにあんなに大きな声で怒鳴るとは思わなかった。
それに頑なに自分の部屋に連れて行くと言った姿は
僕達が知っているテミンではなかった。
極めつけは朝の2人だった。
あんなに愛おしそうにヌナを抱きしめて寝ているテミンは
可愛いマンネではなく、1人の男だった。
それにヌナが韓国に来ているのを黙ってて欲しいと言ったのは
きっとテミンが無茶をしそうな気がしていたからなのかもしれない。
やっと自分の中でのつじつまが合った。
外はうだるような暑さなのに
なぜかホットを頼んだ自分に驚いた。
(はは…どんだけ動揺してんだか…)
普段なら絶対に取らないような自分の行動に驚きながらも
熱いコーヒーに口をつける。
一口飲んで、読みかけの小説を取り出した。
このコーヒーを飲み終わる頃には、
この小説を飲み終わる頃には、
またいつもの僕に戻るんだ。