【君の声.22】前が見えない程の大雨で、仕方なく軒下に入る。周りにも何人か雨宿りしている人がいた。「びしょびしょ…」『もうすぐ宿舎です、車で送りますよ。行きましょう。』そう言ってまた走り出したキュヒョンについて行くと、大きなマンションの地下駐車場へと入って行った。 #SJで妄想
【君の声.23】『大丈夫ですか?』「うん、でも…寒い…」髪からポタポタと水が落ちる。『とりあえず部屋に上がって下さい。このまま帰すわけにはいきませんから。』目の前でエレベーターのドアが開く。エレベーターに乗り込み、11階へと登って行った。 #SJで妄想
【君の声.24】鍵を開け玄関に入る。『上がって下さい、散らかってるかもしれませんが。』キュヒョンの後に続き、中に入った。。「お、じゃまします…」『誰もいませんよ。』キュヒョンはクスクスと笑った。『とりあえず拭くもの…』そう言ってキュヒョンはどこかへ行ってしまった。 #SJで妄想
【君の声.25】だだっ広いリビングには、大きなソファとテーブルがある。キッチンとの仕切りはなく、白が基調のデザインだった。『ヌナ、これ。』とタオルを手渡される。『あ、やばっ』といきなりキュヒョンは自分のバッグを開け、中から買ったばかりの参考書を取り出した。 #SJで妄想
【君の声.26】『最悪…あ、ヌナ。拭けたらそこの部屋に入って待ってて下さい。』とキュヒョンはバタバタとまたどこかへ行ってしまった。髪や服を一通り拭いたものの、しっかりとは拭ききれず、体は冷え切っていた。(寒い…)そしてふとキュヒョンの言葉を思い出した。 #SJで妄想
【君の声.27】(部屋で待てって言われたけど…)キュヒョンが指をさした方向には2つのドアがあった。そこの部屋、としか聞いていないし、どちらの部屋か分からない。(…どっち?)とりあえず手前の部屋に入ってみる事にした。コンコン。ドアをノックするも、案の定返事はない。 #SJで妄想
【君の声.28】ドアノブに手を掛けると、カチャっと音と共にすんなりと開いた。そっと中に入ってみると、その光景に驚いた。中は黒いリネンで統一され、綺麗に整えられたクイーンサイズのベッド。パソコン、大きめのTV。そしてある部分に目が釘付けになった。 #SJで妄想
【君の声.29】「うわあ…」壁一面の棚に綺麗に並べられた、数え切れない程のDVDや小説達。「あ、これ見た事ある。これも。」上から下まで埋め尽くされた棚をじっと見入る。「わ♡これ見たかったんだよね…あ、これも好き♡」『どれが好きって?』と突然後ろから声がした。 #SJで妄想
【君の声.30】「これ♡すっごく好きで映画館に3回も行ったの。思い出深い映画…」そして声のする方に振り返り、予想もしていなかった光景に自分の目を疑った。イェソンが目の前にいたのだ。「あの『…で、何でここにいるんだ?』腕時計を外しながら彼が言った。 #SJで妄想
【君の声.31】どういう事なのかサッパリ分からず、頭の中で彼の声がグルグルと回っていた。「えっと、あの、あたしキュヒョンと大学が一緒で、」『ああ、そういう事。』彼は特に表情も変えずにウォークインクローゼット開けた。そして丁寧に畳まれた黒いバスタオルを差し出した。 #SJで妄想
【君の声.32】『使って。まだ濡れてる。』差し出されたバスタオルを受け取ると、ふんわりと甘い香りがした。「ありがとうございます…」何だか急に恥ずかしくなり、顔が熱くなる。バスタオルを頭から被り、まだ少し濡れている髪を拭くと、甘い香りに包まれ、一段と心臓が早く鳴った。 #SJで妄想
【君の声.33】彼は一度部屋を出ると、またすぐに戻って来た。『ん。』手渡されたマグカップの中身は温かいココアだった。「わ、ありがとうございます…」『…映画好きなの?』ココアを一口飲み顔を上げると、彼がさっき話したDVDを指さして言った。『これ俺もお気に入り。』 #SJで妄想
【君の声.34】彼はマグカップを置き、別のDVDを取り出した。『…観てないなら貸すけど。』「えっ、いいんですか?」『…気に入るはず。』嬉しそうに話しながら、眉を八の字に下げて笑う彼。「ありがとうございますっ」そんな彼につられて、あたしまで笑ってしまった。 #SJで妄想
【君の声.35】『返すのはいつでもいいし。』「あ、どうやって返したら…」すると彼はポストイットとペンを取り出し何かを書いて、DVDのケースに貼り付け渡してくれた。『ここに電話して。』ポストイットを見ると"金鐘雲"と名前の後に電話番号が書いてあった。 #SJで妄想
【君の声.36】「ありがとうございますっ」『…そう言えば…この間映画館で観てたやつ、あれから』コンコン。彼の言葉を遮るかのようにドアをノックする音が響く。『ヒョン、います?』ガチャっとドアが開き、キュヒョンが驚いた顔であたしと彼を見た。『ヌナ、ここでしたか。』 #SJで妄想
【君の声.37】「あ、うん、」『部屋に戻ったらいないから驚きました。それ…』キュヒョンがじっと見ていたのは、黒いバスタオルだった。『俺が渡したんだ。』腕組みをして立っている彼が、顎でバスタオルを指した。『そうですか…』そう言ってキュヒョンは唇を横に結んだ。 #SJで妄想
【君の声.38】『行きましょう。』キュヒョンが部屋を出て行く。慌てて自分のバッグを手に取り、DVDを詰め込んだ。「あのっ、また連絡します!ありがとうございました!」お礼を言いお辞儀をすると、彼は優しく笑って軽く頷いた。熱くなる顔を押さえ、キュヒョンの後を追った。 #SJで妄想
【君の声.39】廊下に出るとキュヒョンの姿は見えなかった。「キュヒョンー?」廊下をキョロキョロと見渡すと、ふと隣の部屋のドアが半開きになっているのに気付く。中を覗くと、キュヒョンがこちらに背を向けて立っていた。コンコン。ドアをノックし声を掛ける。「キュヒョナ?」 #SJで妄想
【君の声.40】『ヌナ、どうして…』そこまで言って振り返ったキュヒョンが、驚いた顔であたしを見た。「な、なに?」キュヒョンの視線に耐えきれず口を開く。あたしの言葉にハッとした表情を見せ、『いえ…今日は…送ります。』とまた背中を向け、上着と車のキーを手に取った。 #SJで妄想
【君の声.41】車に乗り込んだ後も、キュヒョンは一言も話さなかった。家の近くで降ろして貰ったが、いつものような意地悪い顔は少しも見せず、真剣な表情のままだった。「今日はありがとう、また学校でね?」『…ええ、お休みなさい。』そう言ったキュヒョンがようやく笑った。 #SJで妄想