見事なまでにまん丸でとても綺麗な月だった。
『うわあ…』
感動してしまって言葉にならない。
あの日も月に見入ってしまったけど
今日の月も本当に綺麗で何か惹かれるものがあった。
テミン『ヌナ…』
『んー?』
テミン君のほうを見た瞬間
ぎゅっと手を握られた事に気がついた。
驚いて何も言えずにいると
伏せがちな笑顔をあたしに向けて言った。
テミン『ホテルまで、このままでもいい?』
予想もしていなかった状況に心臓が早鐘のようになっている。
そしてあたしの返事も聞かずに
手を繋いだままホテルまでの道を歩き出した。
ホテルまでは歩いても5分もかからない。
この間にもファンに見られているかもしれないのに
怖気づく事もなく堂々としている彼はかっこよかった。
まだ20歳の彼の笑顔からは
大人びた表情の中に子どものようなあどけなさも残っている。
繋いだ手は優しくて。
でもやっぱり男の子の手で。
このままずっとこうしていられたらいいのに
ってあの月を見ながら思っていた。