『チケットノルマ』ほど辛いものはない | 壽倉雅オフィシャルブログ「ただ、紡ぐ。」

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舞台公演、特に劇団をご自身で持っていたり、劇団の座員やスタッフであったりすると、『チケットノルマ』というものがあります。正直、僕はこのシステムに疑問を抱いています。

 

 

『チケットノルマ』で大変なのが、ノルマに達しなかったら自己負担になるということです。

劇団の場合は、人件費や制作費のためにどうしてもお金がかかります。そのためには、観客席を埋めなければ費用をペイすることができないのが現実。舞台だろうが映画だろうが、費用が掛かることはどうしようもないことです。

ただ、『チケットノルマ』がキャストやスタッフの負担になり、それが作品としての質を落とすことにもなりかねいのでは、ということが、かねがね私が気にしていることでもあります。

 

例えば、一つの舞台公演に対して出演をしたりスタッフとして関わるのならば、参加費だったり月謝の積み立てのような仕組みをすれば良いし、企業協賛を募ることも手段の一つだと思います。ノルマ達成ができないことに意識が行ってしまい、演技に集中できなければ、それこそ後の祭りです。出演者やスタッフが、安心して作品に向き合えるようにすることが、主催者やプロデューサーがやるべき仕事だと私は考えます。

 

もちろん、出演者である以上、知人や家族に来てもらうことが一番。一つでも観客席を埋めるためならば、できるだけ宣伝をして、人に来てもらわなければいけません。かくいう私も、劇団ではありませんが、脚本として携わった舞台やイベントはこれでもかってほど宣伝をしていました。ですが、内容やキャスト次第では、いくら家族や友人でも来てくれないことだってあるでしょう。私も家族が見に来てくれたのは2回ぐらいでした。

 

以前一緒に仕事をしたプロデューサーには、「自分のために来てくれた人の人数×チケットの金額が、自分のギャラだと思え」と言われたことがあります。正直、私はすごく引っかかりました。そこは劇団ではなく、プロデューサーが主催者となって、外部のキャストやスタッフを起用しています。私も外部スタッフの一人でしたが、アイドルが出演する音楽イベントだったため、結局私の知り合いは誰ひとり来ませんでした。

プロデューサーは、それが気に入らなかったようで、知人が一人も来ないことに対し、「お前の友人関係はその程度だ」と、人間関係を否定してました。もはや論点がずれて、反論する気にもなれませんでした。

挙句、誰に告知をしたのかという一覧表を見せるように強要してきました。名前、関係性、電話番号、どこで知り合ったか……個人情報スレスレの情報までを、グループLINEに送るように言ってきたのです。プライバシーや個人情報のことをうるさく言っているプロデューサー自身が、一番個人情報の扱い方を分かっていなかったみたいです。

 

『チケットノルマ』という仕組みが無くなり、少しでもキャストやスタッフが、しっかりと作品に向き合えることを願ってやみません。

 

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