降り積もった雪が見る見る内に融けていた、あの午前中の暖かさが
まるで嘘か幻か、強風と共に、横殴りの雪が吹き付けています。
自動車で外出した時に、強風に煽られてグァングァンと車が揺れてました。
センターライン付近に残るシャーベットをタイヤで踏みつぶしながら
楽しんでいたら、スルルルルルルゥ~と、車体が進行方向を軸にして
リアタイヤが30度ほど滑り、一気に体勢が崩れ一瞬だけドキッとは
しましたが、そもそもシャーベットはタイヤが滑るなどと言う事は
昔から頭の中に入っていますから、その想定内の事態に少し大きめに
逆ハンを、たった1回だけ切りあっさりと車の体勢を整えましたが
これが、雪が解けたシャーベットは、タイヤは滑らないと思っている人は
ア~ッと焦りパニックになり、忽ちに路外へ転落をしてしまうか
又は、体制を整えようとして何度も逆ハンを切り、復活を試みますが
ハンドル操作が車体の挙動とは、最後まで噛み合わずに最終的には
センターラインオーバー、偶々来た対向車とドッカ~ンと正面衝突をするか
進行方向から見て、左右どちらかの路外にストン、ドスンと転落してしまい
そこで運の悪い人ならば、電柱や標識がある訳で、車体も大破してしまい
本当に運の悪い人だったら、落ちてから半日は誰も通らずに、携帯電話も
路外に転落したショックで、バネがボヨヨヨヨ~ンと出て壊れてしまっていて
若しくは、数字の3を押したら、ボタンが押ささった侭で戻って来なくなるとか
電池レベルがlowで、ボタンを押した瞬間にピーーーッと音がして電池切れ
シガーライターからの充電器も、なぜか見あたらず途方に暮れるでしょう。
農家までは約20kmはあるし、この侭で車内で通行する車を待つか
それとも、農家に助けを求めて歩いて行くか、二者択一の選択が必要となり
農家に助けを求めに歩くことを決断して、トボトボと歩いている時に
あれだけ暖かかったのに天候が俄に悪化し、風邪が強くなり気温も下がり
やがて、横殴りの雪が司会を遮るぐらいに強くなり、風雪に叩かれながら
こないだ下ろしてしまった冬用ジャンバーと、毛糸の帽子が恋しいと
思いながら薄っぺらい、フードもない春用のジャンパー1枚で
助けを求める農家を目指し歩き続け、勿論、靴はビジネスシューズであり
薄い紺の靴下は、もう既にベチャベチャになっていて、ふと腕時計を見ると
もう時間は、午後四時を回っていて急がなければ暗くなると思いつつ
歩みの速度を速めようとしても、既に、体力は限界に達しているようで
自分の思っている速さには成らず、ここで倒れてはいけないのだ
自分は必ず生きてやると気力を振り絞り、しかし、その精も魂も間もなく
尽き果ててしまうのも時間の問題であり、目の焦点は何処に合わされて
いるのか定まらず虚ろな目をし、足を縺れさせてフラフラと歩き
農家まであと3km、そこで遂に力尽き、パタッと道に倒れ
すぅ~っと気持ちよく深い眠へとつくだろう。
もしもし、大丈夫ですか、微かに聞こえる声に目を覚まし、ぼんやりと見える
人の顔に、あっ、自分は助かったんだと思い、白い着物を着た美しい女性に
事情を話して携帯電話を借りようと思い聞くと、携帯電話は持っていないと
言う事なので、家の電話を借りる事にして、その女性と一緒に歩き
家まで連れて行って貰うか、それとも、女性に自分の代わりに電話を
して貰うように頼むか、さあ、貴方ならばどちらを選択しますか?
私ならば、勿論、あちらの方ですね。フフフフフフフッ
おわり