革命の足音が聴こえる | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

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大好きな映画の感想をメインに、読書感想や子育てについてetc…のんびりした日々をゆるゆると綴った日記です

『デリシュ!』

(2020年 フランス)


STORY
1789年、革命直前のフランス。誇り高い宮廷料理人のマンスロンは、自慢の創作料理「デリシュ」にジャガイモを使ったことが貴族たちの反感を買い、主人である傲慢な公爵に解任され、息子と共に実家に戻ることに。もう料理はしないと決めたが、ある日彼の側で料理を学びたいという女性ルイーズが訪ねてくる。はじめは不審がっていたマンスロンだったが、彼女の真っ直ぐな想いに触れるうちに料理への情熱を取り戻し、ついにふたりは世界で初めて一般人のために開かれたレストランを営むことになる。店はたちまち評判となり、公爵にその存在を知られてしまう…。
(公式サイトより転載)


饗宴で公爵が言った

「美食は良いが大食は罪」は

七つの大罪の中の暴食のことだと思うが

行き過ぎた美食は強欲極まりないし

手当り次第に女に手を出す色欲ぶり。

美しい妻を持つ公爵には嫉妬し

自分に従わない料理人は罵倒した。


そう。公爵は罪を犯しまくっていたのだ。

自分都合で「神」利用する人には

だいたい天罰下るよなー指差し



貴族にとって「食」は

生命を保つという意味以外に

「娯楽」という意味を持ち

食べ物の無い貧しい庶民は

生命を保つことすら困難だった。


その中間に位置する執事や料理人は

貴族の機嫌を損なわなければ

自分たちの立場を守ることができる。

執事は言った「わきまえていれば」と。



公爵夫人は夫が亡くなればただの人。

夫の後ろ盾が無くなってしまえば

身を寄せられる所は修道院しか無い。


「わきまえていなければ」

その立場は脆くも崩れ去る。



公爵にとって

女性は自分の欲望を満たすだけの存在。

それならば

公爵夫人でも娼婦でも大差は無い。


貴族だけが料理人を囲い込み

「食」という「富」を独占していたが

公爵が料理人を追放したことで

結局は「富」を庶民に解放することになる

皮肉な結果に。



「デリシュ」は誰もが入れるレストラン。

誰でも自由に「食」を楽しめる空間。


当たり前が

当たり前ではなかった時代が

確かにあったのだ。


自由を求める人が集まり

習俗を打ち破っていった。


吹き始めた自由の風は

誰にも止められない。



美味しそうな料理と

美しい風景が素敵だった乙女のトキメキ


ラストで主人公たちが取った行動が

素晴らしかったなおねがい