このタイトルが皮肉にならない世の中にしていくには… | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

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大好きな映画の感想をメインに、読書感想や子育てについてetc…のんびりした日々をゆるゆると綴った日記です

Do The Right Thing

(1989年 アメリカ)


今では映画ジャンルの中で

社会派を観ることが多い私だけど

20歳前後の頃はそういう映画を

押しつけがましく思っていた。


『Do The Right Thing』は

トレンドに敏感な友だちは結構観てたけど

私はなんか小賢しいと思い避けてしまった。

(小賢しかったのはそんな私だよな指差し)


だから今回初めましてだったんだけど

とても30年以上前の作品とは思えなかった。

確かに画の撮り方とか

古めかしい部分は大いにある。


だけど根本的なところは

全く古びていなかった。

言い換えれば

私ら全然進歩してないってこと…



目には目を歯には歯を。

やられたらやり返す。○○返しだ。とか

今もそこら中で蔓延っている。

悪意は誰の心にも潜んでいるからだよな。


それから

ルーツやセクシャリティ

社会的地位や障害の有無などで

誰かの価値を見積もってしまうのは

自分にも確かに心当たりがある。


自分こそ正義だと

思い込んでしまうところも…



だから

観てる間ずっと胸糞悪かった。

正直途中で止めようかと思ったくらい。


だけど観るのを止めるのは

なんか違うなと思って

最後まで観たらそれこそが

この映画の狙いなんだと気づいた。

スパイク・リーすげぇな。


スパイク・リーの映画って

迂闊に手を出すと火傷しそうだから

全然観たことなかったけど

『ブラック・クランズマン』だけは観た。

めちゃくちゃ面白かった。


↓『ブラック・クランズマン』レビュー


それを思うと

ラストへの持っていき方とか

スパイク・リーは

30年前から変わっていない。


初期の段階からもう

スタイルが出来上がっているという点では

ケン・ローチと似ているなと思った。


スパイク・リーの

他の作品ももっと観たくなった。



◇◇

ロシアのウクライナ侵攻で

ロシア人に対するヘイトが広がりそうで

気になっている。


息子の中学時代の同級生にも

ロシアがルーツの子が数人いて

知っているだけにとても心配だ。


息子たちに

ロシア政権がやっていることと

ロシアの人たちは別モノだよと話したら

「大丈夫。分かってるよ」

と言ってくれたんでホッとした。


長引くコロナの影響で

心が荒んでいるところに

こういう問題が起こると

負のエネルギーが勢いよく

蔓延してしまうような気がする。

ヘイトこそまん防が必要なのでは❓


昨夜会社で

「ウクライナもロシアのこと言えないよね」

と言う人がいて

あー、こういう人は

「いじめられる側にも問題がある」

とか言っちゃう人なんだろうなーと思い

心がどんよりしてしまった。


たとえどんな理由があったとしても

暴力を行使していい理由にはならない。

暴力は暴力以外の何ものでもない。

それは戦争もいじめも同じだと私は思う。


武力に頼らずに

どうやって相手の暴力を止めさせるか。


そもそも違う正義を持っている相手と

どうやって折り合いをつけていくのかは

なにもロシアとウクライナに限らず

私も日常的に突きつけられている問題だ。


人間の智慧は常に試されている。


焼けたピザ屋の壁に貼られた

キング牧師とマルコムXの写真。

そして二人が遺した言葉が

胸に深く突き刺さるラストだった。