信念と誇りのターバン | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

大好きな映画の感想をメインに、読書感想や子育てについてetc…のんびりした日々をゆるゆると綴った日記です

『ホテル ムンバイ』
(2018年 オーストラリア、アメリカ、インド)


パニック状態の中でも

対話に努めることの大切さや

信条やアイデンティティを

真に守るということが

どういうことなのかを

考えさせられました。



短い時間では見えてこない

その人が培ってきた人間性が

共に過ごす長い拘束時間の中で

徐々に見えてくるのが

興味深かったです。



また、負傷した若い兵士が

家族に電話を掛けるシーンで

家族を想う純粋な姿と

こうならざるを得ない環境に

やるせない気持ちになりました。


みんな同じように

家族を想い

神を信じているのに

生まれた場所

育ってきた環境によって

全く正反対な立場になってしまうことが

哀しかったです。



もし生まれた国が違っていたら…

もし信仰する宗教が違っていたら…

もし戦闘に加わらなければ

家族を養えないほど生活に困窮していたら…


そう考えると

今の自分がここに在るのは

ただの偶然で

もし彼らと同じ立場なら

私も戦闘員に志願しているかも知れません。


歪んだ正義を美化し

貧困や信仰心につけ込んで

戦うように仕向けてくる指導者は

決して最前線に立つことはありません。

いつの時代も。

どこの国でも。



まるで自分も

あのホテルに閉じ込められたような

臨場感と緊迫感がリアルに伝わってくる

とても見応えのある映画で

怖くて怖くて

半べそかきながら観ていましたが

観に行って本当に良かったと思います。