鳥肌が立ちそうなゾワゾワがずっと続く | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

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大好きな映画の感想をメインに、読書感想や子育てについてetc…のんびりした日々をゆるゆると綴った日記です

『バーニング 劇場版』

(2018 韓国)



始まりから終わりまで

鳥肌が立ちそうなゾワゾワと

胸のザワザワが止まらず。


それなのに目が離せなくて。


最初の方で

大体の予測はついてたんだけど

途中からこれはそういう謎解きの

映画じゃないんだなと思いました。



生まれた時から持っている人間と

持っていない人間の差は

結局埋まることはなく


ヘミはずっと古井戸の底から

助けを呼び続けているようだったし



ベンは既に人生に退屈していて

生きることがまるで

死ぬまでの暇つぶしのよう。



ジョンスは劣等感と嫉妬に

取り憑かれているようでした。


三者三様に飢えているんだと思いました。



「そこにないものを想像する時

あると思うのではなく

ないことを忘れればいい」

そう言ってヘミは

ミカンを食べるパントマイムをしました。


そのやり方は

存在が確かなものならば有効ですが

存在の不確かなものの場合は

あまりにも虚しくて。


かつてヘミが暮らしていた家の

周辺にあったと言っていた井戸や

ベンが示唆したビニールハウスを

駆けずり回って探すジョンス。


ヘミがいなくなった部屋で

ヘミを思い出しながら

何度も自慰するジョンス。


存在が不確かななものほど

「ある」と思いたくなりますし

それがまた人を虚しくさせます。


愛とか才能とか生きる目的とか



事件の真相は結局分からないままに

物語は終わってしまいます。


ジョンスの行為が

実際に起きたことのようにも

彼の創作の中の出来事だったようにも

思えました。


人によって好き嫌いが分かれそうですし

解釈も色々なんだろうと思います。


昨日観て以来ずっと

この映画のことを考えています。

それくらい面白い映画でした。



【あらすじ】

小説家を志していると言いながら

執筆などほとんどしていないジョンスは

アルバイトで生計を立てている。


ある日、偶然再会した幼なじみのヘミに

アフリカ旅行へ行っている間の

ペットの猫の世話を頼まれた。

その日、二人はへミの部屋でセックスをした。


へミが旅行へ行ってから

猫の世話のためにヘミの部屋を訪れては

ヘミを思い出し自慰に耽るジョンス。


帰国したヘミから電話があり

空港まで迎えに行ったジョンスは

ヘミが旅先で知り合ったという

ベンを紹介された。


ヘミとベンがジョンスの自宅を訪れ

3人で酒を飲んだ日

酔って眠ってしまったヘミを寝かせた後

ベンはジョンスにある秘密を打ち明けた。


それ以来、ジョンスは恐ろしい不安が

頭から離れなくなってしまうのだった