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西欧諸国では、特にフランスの「シャルリーエブド紙」襲撃テロ事件以降、ますます右翼化が進んでいる。

それまでに度々イスラム過激派を挑発する風刺画を掲載していた「シャルリーエブド紙」は、2015年1月7日に複数の武装勢力に襲撃され、警官や編集者、風刺画の担当者など合わせて12人が殺害された。

もともとフランスは欧州最大の移民大国であり、イスラム系移民の数・比率ともに欧州一となっている。これはフランスの旧植民地にムスリムが多かったこと、第二次世界大戦後に労働力不足を補うためにイスラム系移民を大量に動員したことなどによる。

ムスリムの移民2世3世たちは、当人の名前やムスリムの多く集まる出身地などを理由に就職等で差別を受けており、フランス政府もそういったことをこれまで黙認してきた。

さらにイスラム系といっても一枚岩ではなく、出身国や宗派、民族の違いなどから抗争が起こったり、社会的階級差によって分断・対立していたりする。そのため、不満を持つ底辺のムスリムは孤立化し、過激化していく傾向にあったのである。

近年、フランスに限らず、社会的に排斥された結果、社会への憎悪を強め、移民2世3世を中心にイスラム過激派思想に染まっていく若者が増えているようだ。


こうした社会情勢のもと、ドイツのザクセン州の州都であるドレスデンでは、2015年2月に「西欧のイスラム化に対する欧州愛国主義者(ペギータ)」による25,000人を集めた大規模なデモが行われた。

特筆すべきはペギータが「スーツを着たナチ」と呼ばれ、主に一般の中産階級が構成員となっていることだ。彼らは過激な思想を持っているわけではない。グローバル化の波に乗り遅れ、移民の脅威を感じている保守的な中産階級が右翼・極右に吸い寄せられるという危険な兆候を示しているのである。

反イスラムを掲げる排外主義は、右翼側に利用され、政府批判の切り札ともなってしまっている。

1960年代に労働力確保のために作られた政策は、元来移民を真に融合するものではなかった。そして欧州政府は、広がる自国民と移民の経済的・社会的格差を見て見ぬ振りをしてきたのだ。

その結果、社会的・経済的な要素が主因である移民問題はイスラム問題と混同され、右翼化を進める大きな要因ともなってしまった。

西欧諸国は大衆迎合による右翼化を警戒しつつも、過去の失政とイスラム過激派の膨張により右翼化を阻止できない自己矛盾を抱えてしまったのである。

週間ダイヤモンド/Wikipedia 参照