【再投稿】フランス・第2の故郷 エクサンプロヴァンスVol.13 | すいらんぶろぐ

すいらんぶろぐ

群馬県/フランス美大留学/芸大受験・美大受験予備校/カルチャースクール/介護保険認定アートデイサービス/企画画廊/学校教材/画材/総合デザイン研究所/他

クラス分け試験で0点を取ったにもかかわらず

下から2番目のクラスに入れてもらって、

フランス語の授業に出席するものの

なかなか他の国、

特にヨーロッパ系の人たちの上達は

"うっそ~・・・”って思うくらい本当に早くて、

僕と同じく、最初はまったくフランス語が出来なかった

オランダ寄りのベルギー人は

ほぼ、2か月くらいしたら もう殆ど話せるようになって

飛び級で、もっと上級のクラスに移ってしまったくらいです。

 

 

ほぼ同じルーツを持つ言語の国の人たちは、とにかく

日本人では理解できないほど上達が早い‼

 

そんな時、いっこうに上達しない僕を心配してか

また同情されてかは分かりませんが

僕らのクラスの担任だったとっても気さくなベンが、

”今度うちに遊びに来いよ! ヴヴネ アンジュール シェモア?”

なんて言うのです。

 

”以前も同じように日本人の生徒を招待したことがあるんだ” 

と・・・。

ベンは僕にそう話したのか、ヒロシに話したのかは

ちょっと忘れてしまいましたが、

結局 その後けっこう直ぐに

二人でベンの家へ行ったんです。

 

ベンはも背もあまり高くなく、

けっこうなもじゃもじゃ頭で、口髭から顎髭まで伸ばした

ちょっとユーモアな先生で、

実は彼の趣味はフロマージュ(チーズ)のテイステイング。

 

この日も、確かヒロシと二人でワインを買って

彼の家を訪ねたのですが、

もう既に、大きなテーブルの上にはものすごい数

兎に角大きなテーブルに隙間なくいっぱいある

フロマージュ(チーズ)とワイン。

フロマージュはきっと数十っ種類はあったと思います。

 

すいらんぶろぐ

 

”ボンソワー、ビヤンヴニュ シェモア

(こんばんわー、ようこそ我が家へ)”

って感じで僕らは言われるままにテーブルについて・・・。

 

僕らは、というか、少なくとも僕は

かなりお腹がすでに空いていて、

夕食に招待してくれると言うので、

けっこう期待して行ったんです。

ヒロシはフランス人家庭にホームステイしていたので

フランス料理を既によく食べていましたが、

僕は安部さんの家に居候の上、夕飯は大学食堂ですから、

学食の料理は食べているけど

一般家庭のフランス料理は食べていなかったので・・・・。

”ふ~っ  腹減った・・・・・”

 

 

ベンは根っからの教師で、

何故今晩僕たちをベンの家に呼んだのか・・・

 

"今日はフロマージュを食べる夕食に招待したのだけど,

フロマージュが

どのくらいフランスの文化に直結しているのか・・・”

などなど、熱っぽく話していたのは覚えています。

 

彼が話したことを

僕が全て理解できていたとは思えないので

きっと、その頃はヒロシが僕に

通訳してくれたのかもしれません。

それに、その頃まだフロマージュについてなんか

一切分からないので

テーブルのフロマージュを食べてから、

料理が出てくるのかと

実際思ったくらいですから・・・。


 

で、大量のチーズの種類を ベンの講釈を聞きながら

(殆ど分からなかったけど・・・)

一つづつ確認するように、ワインもベンに言われた通り

”このフロマージュはこのワイン

みたいな感じで食べて飲んで・・・”

 

何種類くらいか食べたか分からないのですが

当時の僕らにとって、フランスのフロマージュ自体が

僕らが知っている 日本で食べていたプロセスチーズや

溶けるチーズとはまったく違っていて、

とにかく匂いがきついし、味も特殊で・・・。

 

それをワインと一緒に食べると、

胃の中がだんだん発酵してくるように

とにかくもの凄くきつかった~~~!!

たぶん、それでも全部食べられなくて、

15,6種類くらいでしょうか??なんとか食べたのが・・・。

その間、ベンも気を使って食べやすいフロマージュとして

勧めてくれるフロマージュも

それでも、フロマージュの初心者としてはとにかく 

”うっっ・・・・・・・・。”

って感じで。

 

 

それでもベンの優しさはとても嬉しくて、

”もう少し頑張って勉強しよう~!”

って思ったものです。

 

2,3時間はベンの家に居たでしょうか・・・。

何とか帰ることになって、

”メルシーボクー! アドウマン 

(ありがとう  また明日)”

みたいな感じで彼のアパートを出て、

細い路地に出たとたん

ここまで我慢していた胃の中が発酵する感じと

気持ち悪さがこみ上げてきたと思ったら、

 

すっかり静かになって、

ベンのところでもほとんど話さなくなっていたヒロシが

僕を通り越して、先に 

”・・・・・・・・・・・・・・・・・”

あっという間 に発酵したものを街に解き放っていました。

 

”あ~先越された~~・・・”  

二人で解き放っている場合ではないと

僕は結局我慢できたのですが、

本当につらい辛い フロマージュセミナーでした。

 

でも、こんな辛い経験をすると

フロマージュが嫌いになるものですが、

実は、今ではヒロシも僕も、

”フロマージュ大好き!!” なんです。

”フランス人にもちょっときつい!”  

っていうようなフロマージュも

とても好物です。

不思議なもんですね。

 

まさにフロマージュとワインは

フランスの文化そのものであると

ベンが僕らに身をもって教えてくれたのでしょうか・・・(笑)


すいらんぶろぐ

 

つづく