【再投稿】フランス・第2の故郷 エクサンプロヴァンスVol.12 | すいらんぶろぐ

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フランス・第2の故郷 エクサンプロヴァンス前回の続きです。

 

大学食堂は、ただ安い ということだけで

行ってたわけじゃないんです。

まあ最初は安く食べられるからだったんだけど

大学食堂は、その国の習慣やカルチャーが凝縮しているから

いろいろなことが分かるんです。

 

 

はじめて安部さんやフランス人の友人たちと学食に

夕飯を食べに行ったときのこと

みんなフルコースの食事を食べ終わると

食べ放題のコーナーに歩いて行く・・・

サラダを白い皿一杯に乗せてくるのが なんとも不思議な光景

僕も見よう見まねで・・・


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このサラダは学食のサラダではありませんが・・・

 

”え~葉っぱしかない・・・” と心の中で思いつつ

自分の席に帰って、 

”あれ~この葉っぱ全然切ってないじゃない”

”どうやって食べるんだよ”  

と思うほど大きなままの葉っぱ。

 

一般的にフランスで学生の間でサラダといったら、

グリーンサラダ。

日本のスーパーでは”サラダ菜”として売ってるけど

フランスでは Lotus ロチュース 英語読みでレタス。


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いつから日本で売っているあのパリパリのみずみずしいものが

レタスと呼ばれるようになったのかは定かではありませんが・・・。


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そのサラダはとにかく日本のようにちぎったり、

カットしたりしているわけではなくて

お皿に、葉っぱごと好きながけのせて、

そこにドレッシングをかけて食べるわけです。

 

で、

”しょうがない、少し食べやすくナイフで切って食べよう・・・”

と思いつつ切り始めたら

”アトン!! イルフォッパ クッペ ドウ サラッドウ!!”

待って!! サラダは切っちゃダメ!! 

と制されて 唖然。

 

実はこの葉っぱ、ナイフで切って食べては 

マナー違反なんです。

葉っぱを切って食べるのは、育ちが悪いフランス人か、

あまりそれを気にしない外国人が一般的なようで

比較的、育ちがいいフランス人の学生が多い

エクサンプロヴァンスの大学食堂では

これはかなりご法度だったみたいで、

フランス人の友人が僕の方を見て、

 

”こうやって食べるのよ!” と・・・。

どうやって食べるかと言うと、

葉っぱをナイフとフォークで上手に畳んで

最後に左手に持ったフォークでそれを差して食べます。

この時、フォークは右手に持ち替えてはいけないんです。

”厳し~~~~いい!”

まあ、これを面倒という人もいるけれど、

日本で言えば、「茶碗を持たないでご飯を食べる」 

とか

「左手を出さないで、どんぶりに顔を近づけて麺をすする」 

とかに近いかもしれないな~。

 

もともと、なぜ「ナイフでサラダを切ってはいけない」

と言うようになったか というと

磁器のお皿の上で酢の入った 

酸性のドレッシングのかかったサラダの葉っぱを

銀のナイフとフォークで切ると、

銀食器が酸化して、それが葉っぱと一緒に口の中に入ったり、

磁器の食器に酸化した銀のナイフの切った筋がついてしまうから

というのが本当の理由らしいんです・・・・。

 

まあマナーとか習慣とかは、

大概何かそういった合理的なことが

要因となっているんだろうな~・・・。

 

だいたい右手にフォークだけを持って、

何か簡単なものを切るのもフォーク1本で・・・

とうのはドイツ人とか北欧人には多く見られるけど、

フランスは出来るだけナイフとフォークを最後まで持ちかえずに

というのが原則のような気がしま~~す。

 

パスタなんかを食べる時はナイフは使わないので、

右手にフォークだけで食べるか、

左手にパンをちぎって持って

たまに、左手で右で持ったフォークからパスタが

落ちないように支えながら食べて

最後にパンもパクっと・・・というのが一般的ですね。

 

 

それとか、オレンジを食べる時は、

ナイフで表面の皮をむきながら

ナイフでオレンジの房を外しながら食べるとかなんかも、

はじめてその食べ方を見た時は  

驚きでしたが・・・。

 

大学食堂で他のフランス人が食べる姿を見ながら

その習慣を学んだり

フランス人の友人が、

”あれはまねしちゃダメ”とか

”これは本当はこうしなくちゃダメ” とかやたらと

子供にしつけをするかのごとく 

教えてくれたものです。

 

学食で夕飯を食べた後は、

夜のカフェに寄ってカフェやビールを一杯。

そして、雑談とともに友との友情を育む  

って感じかな・・・。


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それと、実はフランスって日本のように

あまり水が蛇口から大量に出てこないんで

例えば、シャワーの水の出もあんまり良くないし、

増してやお湯の出も良くない。

当時はまだ 更に今からみればなおさら水の出が悪かった~。

 

それに僕が居候していた安部さんのアパートには

風呂もシャワーもなかったので、いい暮らしをしている

誰かのアパートに行ってシャワーを借りるか

大学食堂で夕飯を食べた後に学生寮に忍び込んで、

共同シャワーをこっそり借りて浴びてくる

って感じ・・・・・。

 

でもこのシャワーが本当に出が悪くて、

お湯も夜間電力で温めたタンクのお湯が無くなると、

どんなに必死で蛇口ひねっても 

あとは水しか出てこなくなるんでね。

 

みんなそのことは知ってるので、出来るだけ早めに

チョロチョロ出るお湯のシャワーを浴びるんだけど、

僕らが夕飯を学食で食べた頃には、

もう殆どお湯なんか出てこなくて

 

まだ夏や初秋はいいけど、冬に近づいてくると

殆ど水のシャワーで本当に寒くてツライらしい!!

僕は冬のシャワーは経験しなかったけど・・・。

 

でも初秋の学生寮のシャワーを浴びた後は、

特にドライヤーがあるわけではないから、

あらかじめ用意しておいたタイルでさっと拭いて、服を着て

アパートに帰るまでにはもう髪の毛も乾いてる  

って感じだったような・・。

 

まあ日本と違って、本当に湿気がないので、

あんまり汗をかかないので

学生なんかは特に、シャワーも3日に1回

みたいな感じでしたね~・・。

 

なんか ”ワイルドだろ~~!!”

ちょっともう流行遅れですかね・・・(笑)

国が変われば、習慣も常識も変わる。

 

日本は、とてもステレオタイプに

価値観を一つにしようとする傾向があるけど

世界に出れば、日本の常識は世界の非常識。

 

”郷に入っては郷に従え” 

”住めば都”  

とは先人は良くいったものだと思うけど

 

これって、今の日本人は

とても苦手なような気がするな~。

日本人大丈夫かな~~~・・・?!


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つづく