
2006年にSONYから発売された SCD-XA1200ES ¥90,000
アナログ出力端子は2chステレオ用と5.1ch出力端子をそれぞれ装備しています。
SACDが再生しないということで、修理依頼がありました。SONYのSACDプレーヤーに限らず、CDは再生できるけれども、SACDが再生できないという不具合はあるあるで、一般的にはピックアップの劣化が原因ですが、ピックアップを交換してもSACDが再生できない場合があり、その場合はサーボ基板上の電解コンデンサーの劣化が疑われます。
で、さっそく開腹。
むむ・・・(@_@。お前はESだよな(一一") 80年代90年代のESシリーズを知り尽くしている私にとっては、これは・・・・何と言ったらよいのか、SONY、お前もか!!( `ー´)ノ と叫びたくなります(;´∀`)
そこをぐっとこらえて、とりあえずピックアップメカを外します。
見事、プラスティックの塊です。DENONのS10シリーズと同等でしょうかね(;´∀`)
トレイの開閉も怪しいので、ベルトも交換します。
ピックアップユニットを手動で下げるとトレイを引き出せます。このあたりの構造は、90年代のプレーヤーと同じです。ただ、プラスチックが多めというだけです。
さて、問題のピックアップですが、ひっくり返して、下部からピックアップユニットを外します。
後方にあるネジを1本外すと、簡単に取れます。
見たことのないピックアップです。どうもSONY製ではないようです。KHM-230AAAかKHM-270AAAあたりかと思い、依頼を引き受けたのですが、そうではありません。
サイドに型番が書いてあります。DBU-3という型番のようです。調べてみましたが、メーカーが分かりません。ただ、この時代のDVDプレーヤーなどに搭載されていたようです。
新品は入手できません。というか、正確には海外で入手可能のようですが、30,000円以上します(*´Д`)
本当に新品かどうかも怪しい、SACDが再生できるかも怪しいものに、30,000円以上負担するのは気が引けます。
一応、動作確認で、CDは再生できますが、SACDのハイブリッド盤は、SACDを認識しません。CD層のみ再生が可能な状態です。フロントパネルにSACDとCDを切り替えるボタンがありますが、そのボタンを押すと”NOT HYBRID”と表示されてしまい、SACD層を読込みしません。
いろいろと調べてみると、どうもこの症状で悩んでいる人が多いようで、AIチャッピーに聞いてみたところ、どうもこのプレーヤーはハイブリッド盤の場合は、そのディスクがハイブリッド盤かどうかのジャッジするシステムあり、その判定がシビアなようです。
もともとSACDのハイブリッド盤は、CD層とSACD層の2層構造になっているので、SACD層が読込しずらいという特徴があるようで、その判定に失敗すると、通常のCDディスクと判定してしまい、CD層のみしか再生せず、SACD層は全く認識しないようです。
チャッピーからアドバイスされたのは、SACDのシングルレイヤーのディスクが読込再生するか確認してくださいということ。
で、さっそく、シングルレイヤーのSACDを購入。
何ということでしょう、SACDは正常に認識して再生できました(^-^;
ってことは、ピックアップは正常ということで、判断しても良いかもしれません。ようは、ハイブリッド盤を判定するシステム上の問題ということなのかもしれません。
さらに突っ込んで、チャッピーに質問すると、SACDハイブリッド盤は、手前(表面から約0.6mm)にSACD層(セミトランスペアレント層)、奥(約1.2mm)にCD層が重なった構造になっていて、ディスクを挿入すると、プレーヤーはまず光学ピックアップの対物レンズを上下に動かし(フォーカスサーチ)、どちらの層にピントが合うかを検出するとのこと。このとき、それぞれの層でフォーカスエラー信号(S字カーブ)が発生しますが、2つの層を通過する際に発生する信号の「時間差」が「Δ t」と呼ばれる値。
サーボICは、このフォーカスサーチ時の時間差Δ tを計測して「今入っているのはハイブリッド盤である」と認識し、適切なレーザー波長(SACDは650nm / CDは780nm)を切り替えるようです。しかし、ピックアップの個体差や経年劣化、あるいはスピンドルモーターの挙動によってレンズの昇降速度や信号の出方が変わると、このΔ tが設計基準値から外れてしまいます。基準から外れると、「SACD層を認識せずCD層ばかり読んでしまう」「TOC(目次情報)の読み込みエラーになる」といった不具合が発生します。
なので、この値を測定して、その値によって、コントロールICの47ピンと48ピンの近傍にある抵抗値を指定された抵抗値に交換することで、その値を調整し正確にハイブリッド盤と認識して、SACD層もCD層も再生できるようになるようです。
これは、メイン基板です。コントロールICは左下にある正方形のICです。
拡大すると、R892とその右斜め上のコンデンサーの陰に隠れていますがR893の抵抗になります。抵抗値は124(120kΩ)。
これを、110kΩか130kΩに交換するとハイブリッド盤をハイブリッド盤として認識するようになるようです。
ただ、そのΔtを測定する方法が分からないので、とりあえずその近傍にある電源用の100μFの電解コンデンサーを交換してみます。
ついでにサーボ基板の電解コンデンサーも交換しておきます。
で、動作確認をしましたが、結果は変わらず(-_-;)
さらに、チャッピーに聞くと、サービスモードに入って、調整をすると改善するらしいという情報をゲット。
【サービスモードに入る方法】
本体の電源を切った状態から、
①[MENU]ボタンを押したままにする
②同時に本体の 「. AMS >」ダイヤルを押したままにする
③その2つを押したまま、[POWER]ボタンを押して電源ON
④表示管に 「DIAG MODE」 と表示されたら、MENUとAMSダイヤルを離します。
サービスモードに入ったら、AMSダイヤルを回してコマンド番号を選択し、AMSダイヤルを押して実行します。
必要なコマンドは、B0 B1 B2 の3つ。
B0に合わせて、AMSダイヤルを押します。そうすると、FFFFと表示されたらOK。
次に、B1に合わせてAMSダイヤルと押します。そうすると-9と表示されて、ディスクが動き出します。概ね1秒枚ごとにカウントダウンしていき、-0になると、4桁の数字が表示されますが、すぐに消えてしまいます。
B2に合わせて、AMSダイヤルを押すと、その数値が表示されます。その数値が、04D0~08D0であれば、正常にセットされているようです。つまり、Δt値が規定値の範囲内に収まったということなのだと思います。
で、再度動作確認したところ、ハイブリッド盤が正常に認識されましたヽ(^。^)ノ
ハイブリッド盤の場合は、最初にSACD層を認識するようで、切替ボタンを押すとCD層を読込再生するようになります。
中身はスカスカですが、システムは複雑です。これはICの進化の結果なのでしょう。
やはり、自分としては、80年代90年代のアナログのプレーヤーが性に合っています。













































