1994年にPhilipsから発売された CD951   60,000円

 

この価格でありながら、DACにはTDA1547とSAA7350の黄金コンビ、通称DAC7を搭載しています。ピックアップメカは、CDM-4。

 

トレイの開閉しないというジャンク品を入手。

 

さっそく、開腹。

シンプルな内容。トレイの右上には、TDA1547が鎮座しています。

 

トレイが開かない原因には、ベルトの劣化がありますが、フィリップスのブレーヤーにはもう一つ大きな弱点があります。

 

それは、ギアの破損。

 

ピックアップユニットを外してみます。

この部分が、トレイの開閉を担っているギアになります。

 

ギアを外してみると、見事に削れています。これでは、トレイは開きません。

右にあるギアは、ネットで入手したギアになります。フィリップスのプレーヤーは世界中で需要があるので、修理パーツが豊富です。

 

ギアを取り外したら、ばらばらに砕けでしまいました。余程、日本の高温多湿の環境には合わない材質なのでしょう。よくもこんな脆い材質のギアを作ったものです。

 

逆手順で、組み戻して、動作確認。

 

問題なく、トレイは開閉して、再生も問題はありません。

 

肝心の音は、滑らかなサウンドで、フィリップスサウンドそのものです。ただ、この価格帯ですので、電源部が貧弱な分、音のダイナミックさはありません。せっかくのDAC7が活かされていない印象です。

 

とはいえ、この価格帯にしては、繊細でクリアーな音を聴かせてくれます。

 

 

 

 

 

ディスクは認識して、曲数と収録時間は表示されるけれども、再生ボタンを押しても再生が始まらないという症状で、修理依頼がありました。

 

考えられる原因は、ソニーのプレーヤーに多い症状で、リニア機構のマグネットの周辺のトラブルがありますが、それが原因だろうと思い、確認。

 

上記の写真は、ピックアップメカを取り出した状態のものですが、左右にあるマグネットのフレームが鉄製のため、使用環境により錆が浮き出ていることがあります。

 

この錆がピックアップのコイルに干渉をして、ピックアップが動かなくなり、結果的に再生が始まらない、あるいは再生が始まっても途中で止まる、音飛びがするなどの症状が起きます。

 

ただ、見てもわかるように錆がほとんどありません(;^ω^)

 

当然ですが、ピックアップの動き自体は、とてもスムーズ。

 

じゃあ、何が原因か・・・・(;´・ω・)

 

となると、サーボ基板が怪しい・・・

 

このモデルに多い、キャパシタの液漏れがあったので、交換してみましたが、症状変わらず(;´Д`)

 

BSLモーターは回転しているので、電源部は問題はなさそうです。ディスクの認識はしているので、サーボ系のICなども問題はなさそうです。

 

一応再生も始まるので、コントロール系の問題もなさそうです。

 

777シリーズは、デジタル部とアナログ部の電源が独立しています。それぞれの電源部には保護素子が搭載されており、回路の保護を担っています。これらの保護素子も正常だったので、電源部の異常はなさそうです。

 

じゃあ、何が原因か????(@_@。

 

よくよく動作を確認してみると、このモデルは、電源を入れるとピックアップが、最内周から最外周に移動し、また最内周に戻ってくる動作をしますが、それがありません(;´Д`)

 

ってことは、そもそもリニア機構が死んでいる???(@_@。

 

で、回路図とにらめっこすること、数時間・・・・(p_-)

 

デジタル部の電源部に、ヒューズ抵抗があることを発見!!

保護素子と同じ役割を果たしますが、見た目は普通の抵抗なので、それがヒューズ抵抗であるかは一見しては分かりません。

 

といえども、ヒューズ抵抗の場合、足を長くして宙に浮いているように取り付けていることが多いので、見た目は抵抗ですが、取り付け方を見るとヒューズ抵抗であることが分かります。

 

パーツリストをにもしっかりヒューズ抵抗と書いてありました(>_<)

 

で、導通を確認すると・・・・(^-^;

 

2個あるヒューズ抵抗のうち、4.7Ωの抵抗がショートしていました(;´Д`)

 

で、その先を追っていくと、先ほどのサーボ回路のうちの下側の基板、茶色身を帯びた基板に流れていきます。ってことは、この基板が異常??

この基板に搭載されているICは、リニア機能をコントロールしているICのようです。

 

とりあえず、ヒューズ抵抗を交換してみましたが、症状が変わらなかったので、このICが破損している可能性が大です。

 

型番は、BA6297AP。ソニーのCDプレーのサーボ回路には、必ずと言ってよいほど、搭載されています。

 

CDP-555ESAにも同じ基板が搭載されているので、手持ちの555ESAから該当基板を移植したところ、正常に再生するようになりました\(^o^)/

 

この基板は、ESJシリーズにはありません。ESJシリーズは、一枚のサーボ基板になっています。よく確認はしていませんので、このICを別のICに置き換えているかもしれません。

 

ESAシリーズでも、おそらく後期モデルだと思いますが、この基板が廃止されて、一枚基板になっているモデルもあります。

 

やはり、こいつが悪さをしているということを、当時のSONYの技術者も認識していたのでしょう。こっそり、基板を変更していました。

 

おそらく10年そこそこではこのような症状は出ないと思うので、不具合が発生したから回路変更をしたというよりも、何か技術的な問題を抱えていたか、単に製造上のコスト削減のために基板を1枚にしただけかもしれません。

 

いずれにしても、もしかしたらESA独特の不具合の可能性はあるでしょう。

 

私も、ESAシリーズは数十台直してきましたが、このような症状は初めて経験しました。それほど、稀な不具合なのでしょうかね(;^ω^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SONYのCDP-555ESDは、好きなプレーヤーの一つですが、1986年の発売とあって、まだデジタル技術の途上の時代です。

 

90年代になると、デジタル技術もICの進化とともに、CDプレーヤーも進化していきます。

 

CDプレーヤーの改造は、様々な方法がありますが、その一つにマスタークロックを高精度クロックに交換するというものがあります。

 

マスタークロックとは、基準となる信号でデジタル機器の音を左右する重要な部品です。よく問題になるジッターのノイズの発生源が、このマスタクロックの制度に由来するというもの。

 

技術の進化によって、クロックの重要性が認識され、高精度のクロックを搭載するようになってきています。

 

そこで、今回、ジャンクのCDP-555ESDを入手して、初めて高精度クロックの搭載に挑戦(^^)v

 

搭載するクロックは、TCXOという温度補償型水晶発振器になります。周波数は16.9344MHz、精度は0.1ppm。

 

通常の水晶発振器の場合は、周囲の温度変化によって周波数が変動するようで、そうすると信号精度が落ち、それが音質に影響を及ぼすようですが、水晶発振器に温度補償回路を付加することによって、周囲の温度変化による周波数の変動を少なくなるようにしたのがTCXOになります。周囲の温度の影響が少ない分、正確な発振が可能になり、それが音質にも良い影響を与えるということのようです。

 

一般的には、このように基板上に既に発振回路が組み込まれたものが多いようで、この回路に6~12Vの電源を供給すれば、既定の周波数を発振するようになります。

 

ネットの記事を見ると、肝はいかに電源を確保するかということで、場合によっては専用の電源回路を作り、そこから供給する方法もあるようですが、一般的には既存の電源回路、特にデジタル回路に電源を供給している部分から引っ張ってくることが理想とのこと。

 

で、こんな風に搭載してみました。

 

電源は、近くに+12Vを作っている三端子レギュレターがあるので、そこから引っ張ってきました。三端子レギュレターのOUTから+、-はGNDに落とします。コードを捻じって、基板に取り付けます。

 

オリジナルで付いていた水晶発振子を取り外し、発振子の間に付いていた抵抗とそれぞれの足に接続されていたフィルムコンデンサーを取り除いて、このプレーヤーの場合は、RCA端子に近い側、フロントから見ると奥側に新しい発振器の回路の+に接続したコードを落とします。手前に接続すると、音が出なくなります。

 

ちなみに、水晶発振器基板からオーディオ基板上に接続したコードは、50Ωの同軸ケーブルになります。発振した信号が通るので、同軸ケーブルであることが必要のようです。

 

さて問題の音ですが、オリジナルよりも高音の透明感が増します。とてもクリアーになります。抜けがよくなるというか、雲が晴れた感じになります。全体的に響きがよくなり、音場が広がるというか、レンジが広がるというのでしょうか、特に女性ボーカルがとても艶やかになります。

 

逆に言うと、高音がきつくなり、キンキンとした高音でデジタル臭くなったともいえます。こればかりは、好みの問題でしょうね。おそらく、当時はまだレコードプレーヤーがライバルとしてありましたから、どうしてもアナログに寄せた音作りだったかと思いますし、555ESDに搭載されているDACがフィリップスのTDA1541Aなので、どちらかというとヨーロピアンサウンドで、マイルドな音質であることを考えると、その個性を殺してしまったかもしれません。

 

とはいえ、温度には影響されないので、一年中正確でクリアな音を聴かせてくれそうです。少なくとも交換したことは正解だったと思います。

 

 

 

 

 

VRDS-10の画像

1992年にTEACから発売された VRDS-10    150,000円

 

シンプルなデザインがTEACらしいです。いわゆる、DCA7を搭載している非常に優れたプレーヤーです。SAA7350とTDA1547の黄金コンビ。銘機中の銘機。

 

トレイが開閉しないというジャンクを入手。

 

VRRDSメカ搭載のプレーヤーは、トレイベルトとリフターベルトの両方を交換する必要があります。

 

ちゃちゃっと交換して、無事トレイは開閉するようなりました。ディスクの認識再生も問題はありません。

 

ところが、あれれ???(´・ω・)

 

音が出ない(;^ω^)

 

デジタル端子からは正常に出力されていますが、アナログ端子からは音が出ていない・・・(~_~;)

 

むむむ・・・

 

このプレーヤーは、アナログ基板の電源部の不具合が多いのは有名。矢印の抵抗が丸焦げであることが多いのですが、何故か触れないほど発熱しています。上記の写真は既に抵抗を交換した後になりますが、220Ωの抵抗がいやに発熱します。新品にしても発熱しますので、設計上の問題??なのでしょう。

 

抵抗を交換しましたが、症状変わらす。三端子レギュレターと電解コンデンサーを交換しましたが、症状は変わらずというか、アンプのボリュームを上げると微かに音が聴こえるようになりました。

 

むむむ(;´・ω・)

 

これは、ミュートが解除できていないのかも・・・・(?_?)

 

 

RCA端子付近にある、赤丸のトランジスタは、ミュート用のトランジスタです。2SD1915ですが、既に廃盤になっています。

 

サービスマニュアルやネットでいろいろ情報を探したところ、再生していないときはこのトランジスタのベースに0.7V の電圧が掛かってミュートしていますが、再生が始まると5Vの電圧がかかりミュートが解除されて、RCA端子から出力されるようになります。

 

それが、再生しても0.7vのままで、結果的にミュートが解除できないために、異常に音が小さくなってしまっているようです。

 

付近に同じようなトランジスタが3個ありますが、全てミュートに関連しているトランジスタのようです。他のトランジスタのベースの電圧は変化しているので、正常に機能しているようです。

 

では、何故再生時に5V の電圧が掛からないのかです(;´・ω・)

 

しばし、回路図とにらめっこ(@_@。

 

で、突き止めたのが、この赤丸のトランジスタです。DTA114というデジタルトランジスタですが、このトランジスタのベースには、再生していないときにほぼ0Vで、再生時に+5Vの電圧が掛かるようになります。そうすると、先ほどのミュート用のトランジスタのベースに+5Vの電圧が掛かるようになります。

 

おそらく、デジタル基板から信号が来た際にミュート信号が一緒に流れてくるはずで、その信号によって、ミュート回路のトランジスタのベースの電圧が変化することでミュートが解除される仕組みのようですが、何故か、その信号が何らかの理由で、どこかで止まってしまっているために、このデジトラのベースに+5Vが掛からないのかもしれません。それが、ミュートが解除できない原因になっているようです。

 

で、いろいろ考えたのですが、では強制的にこのデジトラのベースに+5Vをかけてしまおうということを思いつきました。

 

三端子レギュレター近くのジャンパー線に+5Vが来ていたので、そこから直接デジトラの近くにあるジャンパー線に接続。このジャンパー線は、デジトラのベースにつながっています。

 

なんでこんな都合の良いところに、ジャンパー線があるのかと思いましたが、おそらくそれをチェックするためにわざわざ設計段階から考えれていたのかもしれません。

 

さっそく、動作確認!!

 

なんということでしょうか!!無事、音が正常に出力されました\(^o^)/

 

強制的にミュートを解除しているということで、ということは再生を停止してもミュートがかからなくなってしまったということで、とはいえ、いくつかミュート用トランジスタは正常に機能しているようなので、大丈夫?かもしれません(;^ω^)

 

出力端子直前のトランジスタだけ正常に機能していなかったのは、やはり異常に発熱している抵抗がなんらかの悪さをしていたということなのでしょう。

 

結局、根本的な原因は分かりませんでしたが、強制的にミュートを解除したことで、正常に音が出るようになったのは不幸中の幸い?でした(^^♪

 

数枚再生してみましたが、特に問題はないので、単にミュート信号がどこかで止まっているだけなのかもしれません。

 

それが何故なのかは、神のみぞ知る???

 

 

 

 

 

 

DCD-S10IIILの画像

2001年にDENONから発売された DCD-S10IIIL    250,000円

 

DCD-S10IIIのリミテッドエディション。デノンの良いところは、1ビットDACが隆盛だった頃も愚直にマルチビットDACに拘り続けたところでしょうか。同じように、アキュフェーズもマルチビットDACを搭載し続けていました。

 

偶然が必然か、マルチビットDACに拘っていたメーカーは、未だに優れたオーディオを作り続けています。

 

再生しなくなったということで修理依頼がありました。

 

このモデルは、DCD-S10IIIのリミテッドバージョンですが、あのRF増幅基板を搭載していることはしっかり受け継いでいます。

 

しかも、その時に不具合が頻発していたあのオペアンプの経験があったにも拘らず、何故かその不具合が頻発していたオペアンプをわざわざ搭載して、リミテッドバージョンとして発売しているということろが、デノンの残念なところです。

 

取り外して確認したところ、案の定、あのオペアンプが搭載していました。

赤丸のオペアンプがそれです。

 

回路の設計変更をして、問題ないと判断したのか、そもそも以前の不具合が引継ぎがなされていなかったのか、分かりませんが、正常に再生できている1650AZの載せて確認しましたが、再生できないのはやはりこいつが原因でした。

 

方法は、二つ。正常に機能しているRF増幅基板を入手して交換することと、この基板をスキップして、直にピックアップのケーブルをサーボ回路に接続する改造を施すこと。

 

ご本人の希望により、この基板を取り除いて、サーボ回路に直に接続する方法を取ることにしました。

 

これは、コントロール部とサーボ部、デジタル部の回路が搭載されている基板。

 

ひっくり返して、写真中央にあるICがサーボICです。その上にある赤丸の4個の抵抗を0Ωの抵抗に交換するか、ジャンパー線でバイパスするかして、直にICに信号が流れるように改造します。

 

私は、いつもこの抵抗を取り除いて、0Ωのチップ抵抗を取り付けます。

 

このRF増幅基板が音質にどれだけ貢献しているか正直分かりません。ないよりあった方がましなのでしょうけれど、それでどれだけ音質が改善しているのか、数値的に改善していても聴覚的にそれがどれだけ反映されているのかは、厳密に比較したことがないので、不明です。

 

少なくとも、こいつがあることで再生できなくなっていることだけは事実です。

 

組み戻して、動作確認をしたところ、正常に再生できるようになりました。

CD-Rも再生できているので、ピックアップ自体の劣化は、それほどなかったようです。

 

大抵、ピックアップを交換するという選択をして、新品のピックアップを取り寄せて交換しますが、このRF増幅基板が故障していれば、例え新品であってもディスクを認識再生することはありません。

 

となると、このピックアップは不良品だ!!と販売業者にクレームが殺到してしまいます。アマゾンの評価欄には、おそらくそうだと思われる投稿がちらほら見受けられます。

 

販売業者もたまったものではありません。とはいえ、購入したユーザーも新品に交換したのに再生しないという現実が目の前にあるわけですから、踏んだり蹴ったりです。両者とも気の毒でなりません。

 

メーカーではどんな修理をしていたのでしょうかね。気になります。

 

それにしても、罪作りなメーカーです。

 

 

 

P-2sの画像

1992年にESOTERICから発売された P-2S    600,000円

 

TEAC独自のVRDS機構をさらに見直した新VRDSを採用したCDトランスポート。一つ一つのパーツが拘りぬかれています。

 

トレイが開閉しないということで修理依頼がありました。

 

さっそく開腹。

 

P-1に比べるとはるかにがっちりとしたVRDS。価格的に倍もするので、当たり前といえば当たり前ですが(;^ω^)

 

後方の基板は電源基板。サーボ基板は、メカの下部にあります。

 

VRDSメカを搭載しているプレーヤーは、トレイベルトだけでなくリフターベルトもほぼほぼ劣化しているので、両方交換します。

 

リフターはトレイに下部にあり、まずVRDSを取り外して、トレイを取り外します。

 

このモデルは、サイドパネルを外さなければ、VRDSを固定しているネジにアクセスできません。TEACのプレーヤーは、つくづくメンテナンスのことを全く考えていない作りで、ほとほと疲れます(;´Д`)

 

トレイは、左側の4つのネジと右側の3つのネジを外すと簡単に引き抜けます。

 

取り外したリフター部。VRDSメカを搭載しているプレーヤーは、ほぼ同じタイプのリフターです。案の定、ゆるゆるでした。

 

トレイベルトは、他のTEACのプレーヤーと違って、メカの裏側後方にあります。なので、底板を外して、基板を外さなければアクセスできません。

 

写真を撮るのを忘れましたが、まず上部の電源基板を外して、電源部から接続されているコード類を、サーボ基板から外します。フロント部からのスラっとケーブルは、そのままにしておきます。

 

底板を外し、基板を浮かさると、ピックアップメカから説ずくされているいくつかのケーブルがあるので、それも外しておきます。

 

そうすると、基板をある程度持ち上げることが出来るので、トレイベルトにアクセスすることが出来ます。

 

ベルトは、2本。φ50mmとφ35mm。

 

逆手順で、組み戻して、動作確認。

 

トレイはスムーズに開閉するようになりました。

 

ディスクの認識も問題がないようです。このプレーヤーにはストップボタンがないので、リモコンでないと操作できないようです。

 

このPシリーズのプレーヤーは、トランスポートもDACも基板上のはんだクラックが頻発しているようなので、気になったところは所々はんだ修正をしています。

 

モータードライバICの基板部分が茶色く変色していたので、かなり熱を持つのでしょう。ヤマハのプレーヤーも同じようにサーボ基板のモータードライバICの足の部分は、はんだクラックと茶色く変色しているのはあるあるの現象です。

 

音に関しては、パイオニアのRPD-500を通しているので、本来のP-2Sの音ではないですが、滑らかな音は、このVRDSのおかげなのでしょうかね。

 

 

 

 

LHH500の画像

1989年にPhilipsより発売されたLHH500    250,000円

 

この年のFMfanダイナミック大賞のCDプレーヤー部門で大賞に選出されています。

 

メカニズム部にはCDM-4ミニダイキャストメカニズムを採用しています。このモデルのDACは、1ビット方式です。マルチビットとは異なり、疎密波でアナログ信号を得ています。マルチビットDACと1ビットDACの違いは、こちらで詳しく解説しています。

 

トレイが開閉しなくなったいうことで修理依頼がありました。

 

まずは、開腹。

 

眩いばかりの銅製のシャーシ。ピックアップメカの後方にあるのは強力な電源を発揮するトロイダルトランス。

 

ピックアップメカは、マランツのCD-94やCD-95と同じもののようです。

メカは、四隅のネジで固定されています。

 

右手前のネジは、少し大きめで他の3か所とは異なります。

 

これが取り外したピックアップメカ。

 

これが、トレイを開閉するためのベルト。手前のベルトは少し太いようです。2㎜角はありそう。奥にあるモーターとプーリーのベルトは、簡単に交換できますが、手前にあるワイヤーをけん引しているプーリーのベルトは、ワイヤー外すか、右側のプーリーを外さないと、交換することが出来ません。

 

フィリップスから、ワイヤーを固定する専用工具が売っているようで、海外から取り寄せることが出来るようですが、それも手間なので、右側のプーリーを外して交換することにします。

 

これは、クランパーのベルトです。作りは、マランツのCD-94、CD-95と同じです。

 

センサーを外して、上にあるプーリを外し、ベルトを交換します。

 

組み戻して、動作確認。

 

無事、トレイが開閉するようになりました(^^)v

 

このピックアップメカは、クランパーを下げるプーリーのベルトが滑りやすく、滑るというよりも、トレイ面を押し下げながらクランパーが下がる仕組みなので、トレイ面を下げるためにそれなりに力が加わる関係で、その力が十分に得られないと、プーリーのベルトが滑り、モーターが空転してしまいます。

 

なので、ベルトを交換してもクランパーが下がらずに、トレイが閉まらないということになります。少し小さめのベルトで、しっかりトレイ面を下げる力を伝えるようにすると、正常にクランパーが下がるようになります。

 

随分凝った仕組みにしたものだと思いますが、それが却って仇になり、不具合が発生してしまうのは、なんとも切ない気がします。

 

 

音は、まさしくPhilipsサウンドそのもの。1ビットDACですが、情報量も豊かでナチュラルです。

 

 

 

 

 

 

最近、修理のご相談をいただくことが多くなりました。

つきましては、修理のご依頼やご相談をされたい方は、下記の要領でお願いいたします。

 

【修理対応機種】

①1980年代から1990年代に製造販売された日本製のCDプレーヤー、MDデッキ。

②基本的に、当ブログに掲載されている機種。それ以外の機種についても可能ですが、一度ご相談していただき、その可否を判断させていただきます。外国製のCDプレーヤーにつきましては、一応修理対応いたしますが、事前にご相談ください。

③アンプやカセットデッキ、アナログプレーヤーにつきましては、修理経験が少ないので、基本的に修理の受付はいたしませんが、ご要望があれば状況に応じて受付することもあります。

④スピーカーにつきましては、エッジの交換などDIYが可能なので、修理は受付けておりませんが、ご相談には応じます。

 

【修理の流れ】

①機種名と症状を記載の上、suimeikanth@gmail.com宛に、ご連絡ください。症状については、なるべく詳細にお願いいたします。

②修理の可否について判断したのちに、修理受け入れ可能の場合は、発送先住所、費用の概算をお知らせいたします。

③機器が到着後、点検を実施。修理可能と判断した場合は修理に取り掛かります。不可能と判断した場合は、そのまま返送いたします。修理しなかった場合でも点検料をいただきます。

④修理期間は2週間ほどいただきます。逐次、修理の状況をメールにてお知らせいたします。

⑤修理完了後、修理費用と費用の振込先口座をお知らせいたします、入金確認後、返送いたします。

 

費用などの詳細については下記のサイトをご確認ください。

 

粋近、修理のご相談をいただくことが多くなりました。

 

つきましては、修理のご依頼やご相談をされたい方は、下記の要領でお願いいたします。

 

 

 

【修理対応機種】

 

①1980年代から1990年代に製造販売された日本製のCDプレーヤー、MDデッキ。

 

②基本的に、当ブログに掲載されている機種。それ以外の機種についても可能ですが、一度ご相談していただき、その可否を判断させていただきます。外国製のCDプレーヤーにつきましては、一応修理対応いたしますが、事前にご相談ください。

 

③アンプやカセットデッキ、アナログプレーヤーにつきましては、修理経験が少ないので、基本的に修理の受付はいたしませんが、ご要望があれば状況に応じて受付することもあります。

 

④スピーカーにつきましては、エッジの交換などDIYが可能なので、修理は受付けておりませんが、ご相談には応じます。

 

 

 

【修理の流れ】

 

①機種名と症状を記載の上、suimeikanth@gmail.com宛に、ご連絡ください。症状については、なるべく詳細にお願いいたします。

 

②修理の可否について判断したのちに、修理受け入れ可能の場合は、発送先住所、費用の概算をお知らせいたします。

 

③機器が到着後、点検を実施。修理可能と判断した場合は修理に取り掛かります。不可能と判断した場合は、そのまま返送いたします。修理しなかった場合でも点検料をいただきます。

 

④修理期間は2週間ほどいただきます。逐次、修理の状況をメールにてお知らせいたします。

 

⑤修理完了後、修理費用と費用の振込先口座をお知らせいたします、入金確認後、返送いたします。

 

 

 

費用などの詳細については下記のサイトをご確認ください。

 

 

 

 

製造から30年以上経過しているものが多いので、症状が改善しても長期間にどれだけ耐えうるかは判断することはできませんので、その旨ご了承ください。また、他の不具合も出る可能性もありますし、完全な機能あるいは性能を発揮しない可能性もありますことを、ご理解ください。

 

この時代のオーディオは、まさにバブル期の物量投入が半端ない機器ですので、今後このようなオーディオは生まれてくることはないでしょう。そのオーディオがが少しでも長く使用できるように、お力になればと思います。

 

SCD-1の画像

1999年にSONYから発売された SCD-1     500,000円

 

この年のFMfanダイナミック大賞のCDプレーヤー部門で大賞の選出されています。SONYのSACDプレーヤーの第一号機。

 

SACDもCDも認識しなくなったということで修理依頼がありました。以前、下位モデルのSCD-777ESは修理したことはありますが、SCD-1は、初めてです。

 

さっそく、開腹。

 

ピックアップユニットは、777ESと同じようです。777ESも35万円していましたが、15万円の差は何なのか?電源ユニットは、確かにSCD-1 の方が充実しています。

 

ピックアップユニットは、四方がネジで固定されているだけなので、フラットケーブルを2本外すと簡単に取り外せます。

 

ピックアップは、KHS-180Aになります。CDとSACDのピックアップが別々の仕様になっています。この時代のDVDプレーヤーにも搭載されているので、ドナー機としては、DVDプレーヤーを入手すると良いでしょう。

 

新品のピックアップがまだ入手可能なので、新品のピックアップに交換することができます。ただ、とても高い・・・それにDVDプレーヤー用のユニットとして販売されていることが多いので、そのユニットからピックアップを抜き取らないといけません(^^;)

 

それから、ピックアップを交換しても、特にSACDの読み込みができないことがあり、これはSCD-777ESの修理記事にも書きましたが、サーボ基板上のSMDの電解コンデンサーが劣化していることが原因ですので、電解コンデンサーを交換する必要があります。

 

今回は、ピックアップを交換してSACDもCDも正常に認識・再生するようになりました(^^)v

 

SACDを再生中。

 

CDを再生中。

 

このモデルの特性なのか、読み込みに時間がかかります。パソコンでDVDディスクを読み込んでいるときのような、そんな感じです。その時間がドキドキ(^-^;

 

幸いサーボ基板上の問題はないようです。SACDの初号機なので、様々なトラブルがあったと思われるプレーヤーですが、DENONのSACDプレーヤーに比べるとサーボ基板の不具合は少ない?印象です。

 

それにしても、クソ重たい(27㎏もある!!)プレーヤーで、移動に骨が折れます(~_~;)オーディオ界隈であるあるのとにかく重いことが正義!的な謎の信仰が、ここまで重くしていたのでしょうか(;^ω^) まあ、制震性に有利っていうのは分かるんですが、ここまで重くする必要ってあるの??

 

重量感イコール高級??(?_?)

 

確かに自動車も車体がでかく、エンジンもでかい方が高級って感じなので、これは人類のサガなのでしょうかね(~_~;)

 

 


 

  

XL-Z900の画像

1992年にVictorから発売された XL-Z900  390,000円

 

再生しないというジャンク品を入手。このモデルは、再生しないという症状の場合、ピックアップの劣化以外に、サーボ基板上の小型コンデンサーの劣化とフロントパネルのコントロールIC周辺の小型コンデンサーの劣化でディスクを認識しない場合があります。

 

さっそく、開腹。

 

サイドパネルを外し、ガラストップを外し、トレイカバーを外し、左右のトップカバーを外してこの状態になります。

 

ピックアップユニット外すには、フロントパネルを外してガラストップが取り付けてあるカバーを外します。

 

結局、サーボ基板の小型コンデンサーとフロントパネルのコントロールIC周辺の小型コンデンサーを交換しても症状は変わりませんでした(^^;)

 

なので、ピックアップが劣化していることは間違いないでしょう。ただ、このピックアップはすでに入手はできません。

 

ちなみに、XL-Z900のピックアップは、これ。型番は、OPTIMA-4Sですが、フラットケーブル仕様なので、正確な型番は違います。

 

OPTIMA-4Sは、XL-Z711やXLZ-521、XL-Z621、XL-Z531など、ビクターのこの時代のプレーヤーに搭載されています。ただ、フラットケーブルではなく、ワイヤーケーブルなので、XL-Z900には搭載できません。

 

そこで、今回は、直付けする方法を作用しました。

 

これは、XL-Z521から抜き取ったOPTIMA-4Sになります。基板に接続してあったコネクターはカットしてあります。

 

これをどこに直付けするかですが、サーボ基板上のフラットケーブルのコネクターのはんだ面に取り付けます。

これが、フラットケーブルが接続されていたコネクターのはんだ面です。1番から14番まであります。要は、ケーブルが14本あるということです。

 

直付けするとこんな感じなります。見栄えはよくないです(^^;)

 

フラットケーブルの番号がワイヤーケーブルのどの番号に対応しているかを慎重に見極めて、間違いのないようにはんだ付けしていきます。

 

以前、XL-Z999EXの修理を依頼されたときに、その方のものは、おそらく過去にメーカーで修理されたと思うのですが、同じようにOPTIMA-4Sが直付けされていました。

 

その時に、OPTIMA-4Sを直付けすれば直ることを知り、今回試してみました。

 

逆手順で組み戻して動作確認。

 

無事再生するようになりました\(^o^)/

 

このように、一度OPTIMA-4Sを直付けしておくと、ピックアップが劣化したときに、ピックアップ本体はコネクターで接続されているだけなので、OPTIMA-4Sの本体を入手すれば、今回のように再度はんだ付けする必要がなくなり、簡単に交換できるようになります。

 

フラットケーブル使用のOPTIMA-4Sは、海外のサイトでたまに見かけますが、5万円以上のするなど、正常に機能しているかもわかりませんので、入手する気にはなれません。

 

OPTIMA-4Sであれば、多くのビクターのプレーヤーに搭載されているので、安価に入手することができます。