1991年にSONYから発売された CDP-777ESA   200,000円

 

私が20代の頃、初めてのボーナスで買ったのが、このプレーヤー。思い出深いプレーヤーです。その時に買ったプレーヤーは既に手放してしまいましたが、やはり気に入っているプレーヤーなので、時折ジャンク品を買っては直しています。

 

今回は、再生が出来ないというジャンク品を入手。

 

さっそく開腹。

お金が掛かっています。流石に、バブル絶頂期のプレーヤーだけに、贅を尽くしています。

 

再生ができない理由はいくつかありますが、最も多いのがピックアップの劣化です。ただ、このピックアップは、KSS-272Aで、それなりに耐久性があるので、ピックアップの問題というのはあまり多くない印象です。

 

次に多いのが、サーボ基板上のキャパシタの液漏れ。これは、このピックアップを搭載している555ESAや333ESAでも、かなりの頻度で発生しています。

 

まずは、これを疑って、調べてみます。

 

基板の右上にあるのが、キャパシタです。100μFの小型コンデンサーも同時に液漏れしていることもあるので、両方とも交換しておきます。

 

動作確認をしたところ、全く回転せず(^-^;

 

一応、アクチュエーターの上下運動はあり、レーザーの発光もあります。

 

読みに行っているはずなのに、ピクリとも回転しません(^▽^;)

 

以前、デジタル用電源基板上のヒューズ抵抗が断線していたことがあったので、調べたところ、正常でした。

 

んんんん~(。´・ω・)?

 

そういえば、以前555ESAを修理したときに、ターンテーブルに取り付けてあるBSLモーター用のマグネットが破損していたことがったので、一応調べてみましたが、マグネットの破損はありませんでした。

 

 

ついでに、モーター制御基板も確認。

 

むむむ・・・(;・∀・)

 

表面実装の電解コンデンサの足元が焦げて腐食しているではありませんか(;^ω^)

 

 

まさかこいつが原因で、モーターが回転していないのか・・・

 

コンデンサーを外してみたら、思った以上に基板がやばいことになっていました(/・ω・)/

これでも、キレイにした方なのですが、もしかしたら、パターンが死んでいたり、コイルがショートしていたりしたら、もうお手上げです(T_T)

 

とりあえず、新しいコンデンサーを取り付けて、動作確認。

 

やはり、ピクリとも動きませんでした(^▽^;)

 

保管してあった正常に再生できている555ESAから、モーター制御基板を取り外し、777ESAに移植したところ、何事もなかったかのように、ディスクを認識して再生しました。

 

モーター制御基板が完全に機能していなかったようです(-_-;)

 

このプレーヤーで、この基板が原因で、再生ができないというのは、初めての経験です。あまりない不具合ですが、この時代のハイエイドのプレーヤーには、多く採用されていがモーター方式です。

 

テクニクスのSL-P990では、このモーター制御基板のコンデンサーがよく液漏れを起こすので、まずはこの基板を疑いますが、ソニーではあまり見かけたことがありません。

 

もしかしたら、ソニーのこのシリーズでも、再生がしないというプレーヤーは、実はこれが原因だったということもあったかもしれません。

 

これからは、BSLモーターを採用しているプレーヤーは、よく注意して修理したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

正常に再生しているけれども、デジタル端子からもアナログ端子からも音が出ないということで、修理依頼がありました。

 

さっそく開腹。

 

サイドパネルを外して、ガラストップとピックアップユニットのカバーを外して、サイドのトップカバーを外すと、こんな感じになります。

 

後方のガラストップを駆動しているモーターユニットが取り付けられているカバーを外して、ピックアップユニットを外します。先にフロントパネルを外して、フラットケーブル類は事前に抜いておきます。

 

これが、ピックアップユニット。バブリーですね(^▽^;)

 

ひっくり返すと、基板がやや焦げています(^-^;

 

背の高い電解コンデンサーは、2200μFの電源用でしょうか。足元に塗布されている接着剤が劣化している模様。

 

さらに拡大。やばいほどに液漏れでしょうか。基板が汚れています。

全て交換します。幸い、基板の損傷はなく、パターンは問題ありませんでした。基板をきれいに清掃して、新しいコンデンサーを装着します。サイズ的に合うコンデンサーを探すのに苦労しましたが、ELNAのRJ4シリーズが丁度よいサイズでした。

 

ついでに小型の電解コンデンサーも交換しておきました。

 

逆手順で組み戻して動作確認。。。

 

むむむ、音が出ません(/・ω・)/

 

読込再生は問題ありません。何故に音がでない???(。´・ω・)?

 

よく観察してみると、デジタル端子から赤い光が発光されていません。ってことは、そもそも出力されていないってことで、信号がどこかで止まっているわけではなさそうです。

ってことは、デジタル基板が問題か・・・

 

 

デジタル基板をひっくり返して、基板の確認。

 

所々、半田クラックがあり、修正してみましたが、症状変わらす(^-^;

 

さらに良く見ると、水晶振動子が錆び?ています。

もしかして、発振されていないのか・・・(;^ω^)

 

ということで、水晶振動子を交換。

無事、デジタル端子から赤い光が発光されるようになりました(*^^)v

 

しかし、一瞬音が出力されましたが、音が途切れ途切れて、動作確認中に、また音が出なくなりました(-_-;)

 

で、結局、デジタル基板用の電源基板上にある大容量の電解コンデンサーを交換して、三端子レギュレターを交換して、半田修正をして、無事デジタル端子からもアナログ端子からも音が出力されるようになりました。

 

根本的な原因は、デジタル用電源基板上にある電解コンデンサーの容量抜け?だったようです。

 

水晶振動子もNGだったし、サーボ基板上の電解コンデンサーNGだったので、それらが同時多発的に劣化をしたために、全体的にバランスが悪くなって、それぞれのパーツに負荷がかかり、劣化を早めた結果、信号ラインの電源が消失してしまったのでしょう。

 

奇跡的にピックアップの機能は保たれていたので、見た目は正常に再生はできていた状態だったということだったようです。

 

XL-Z900シリーズのサーボ基板上のコンデンサの液漏れはよく起こることは知っていましたので、その問題かと踏んでいましたが、ここまで深刻な状態のものは初めてでした。

 

2005年にCAIRN(ケルン)から発売された FOG3 SOFT   335,000円

 

フランスのメーカーのようですが、初めて知りました。ピックアップユニットはフィリップス製のVAM1202です。

 

修理の相談があり、再生しなくなり、自分でピックアップを入手して交換しようとしたけれども、複雑すぎて自分では交換できそうもないので、交換してほしいということで依頼がありました。

 

初めて聞くメーカーでしたので、一瞬躊躇しましたが、メカが馴染みのあるフィリップス製だったので引き受けることにしました。

 

開腹すると中身はこんな感じ。ヨーロッパのメーカーはいつもシンプル。手前にトロイダルトランスがあるという不思議な構成。そのためか、前に重心があり、持ち上げる時に気を付けないを落としてしまいそうです。

 

ピックアップユニットを外す前に、トレイを引き抜きます。

トレイの左側後方に爪があるので、それをマイナスドライバで、どちらかに押すとストッパーから外れて引き抜くことができます。

 

これがピックアップユニットとトレイ。

 

トレイの開閉がぎごちなかったので、ベルトを交換しておきます。左にある白いギアが一部欠けていたので、後日ギアを取り寄せて交換しました。

 

フィリップスのメカのギアは、どうしても日本の気候に合わないのでしょう。ほぼほぼ欠けていることが多いです。そのためか、ギアは単体で売っています。フィリップス製ピックアップユニットは世界中のメーカーで搭載されているためか、こういうパーツが豊富なので安心です。

 

これが新しいピックアップ。某パーツマンで購入したようです。

 

このVAM1202というピックアップは、あまりピックアップ単体で交換することはないようで、ユニットになっている状態で売っていることが多く、その方が交換が簡単です。今回は、ピックアップのみの交換になります。

 

まずレールを固定しているネジを外します。

 

それから、前方にあるセンサーを外します。これでもピックアップを駆動している白いギアが邪魔して、簡単に外れません。本来は、このギアを外すのでしょうけれども、このギアは爪で固定されているのでそう簡単に外れない構造になっています。おそらく無理に外すとギアが破損してしまうでしょう。そのために、ユニットとして販売しているのだと思います。

 

どうにか気合?で外して、新しいピックアップを取り付けます。取り付ける時も気合?で取り付けました(*^^)v

 

無事、再生するようになりましたが、先ほどのトレイの開閉を駆動している白いギアを交換しようと、再度トレイを分解して、ギアを交換しました。

 

その後、再度動作確認をしたら、再生できなくなってしまいました(*´Д`)

 

WHY???(T_T)

 

ピックアップは新品だし、何かやらかしたのだろうかと、あれこれと調べること数日( 一一)

 

ディスクが回転しそうでしない状態・・・とりあえず、サーボ基板上のコンデンサーを交換。半田クラックの修正・・・変化なし・・・(-_-;)

 

色々調べてみると、このVAM1202のサーボ系にまつわる情報が海外では活発に飛び交っているようで、喧々諤々議論されています。海外では自分で設計をして、オリジナルのサーボ回路を作っているようです。

 

ただ、有力な情報にはたどり着けず、ピックアップは新品なはずで、交換直後は再生できていたのに、何故急に再生ができなくなったのか不思議(*´Д`)

 

おそらくサーボ系のトラブルだろうと思いましたが、何せレアなプレーヤーだけに、これに合うサーボ基板を探すのは至難の業。フィリップス製のピックアップユニットとはいえ、メーカーによって仕様が異なるでしょうし、同じピックアップだからと言ってポン付けできるとの思えません。

 

まさかと思いますが、新品のピックアップが不良??だったという可能性もないわけではないので、とりあえず海外からピックアップを取り寄せてみました。

 

2週間ほど経ち、VAM1202が到着。今回はユニットのものを購入し、そのまま取り付けました。

 

するとどうでしょう!!何事もなかったかのように、再生できるではありませんか\(^o^)/

 

おそらくたぶん、ピックアップがはずれだった可能性があります。少なくともサーボ基板の問題ではなかったことは確かです。

 

私もよく某パーツマンさんからピックアップを購入することはありますが、おそらくC国?から輸入しているのでしょうか。私もC国のAliExpressからピックアップを購入することはありますので、かなり当たり外れがあることは承知しています。とはいえ、ないよりはましなので、なるべく信頼できそうな販売実績と評価を確認しながら、ある意味博打と思って購入しています。

 

以前より比べると、質は少しずつ上がっているのかなという気がします。梱包の仕方や配達にかかる時間などの改善しているようです。ただ、未だに置き配されるので、雨の日はひやひやしています。(^^;

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1986年にKENWOODから発売された KP-990   69,800円

 

この年のFMfanダイナミックテスト大賞に選出されています。CDプレーヤーが流行し始めた時期に発売されたレコードプレーヤーながら、前年に発売されたKP-1100とともに爆発的に売れたようです。

 

その後、1988年にKP-9010が発売されて、これも爆発的に売れたとか。CDプレーヤーに対抗して、かなり高コストなプレーヤーながら、価格を抑えていたので、非常にC/Pのよいプレーヤーということで、今でも人気です。

 

ターンテーブルが正常に回転しなくなったということで、修理依頼がありました。クオーツランプが点灯しないようです。

 

動作確認したところ、妙に回転数がゆっくりです。クオーツランプが点いたり消えたり。33回転も45回転も、正常な回転数が出ていないのでしょう。

 

回転が鈍い原因は、ターンテーブルの軸に塗布されているグリスが硬化しているためで、古いグリスを取り除き、再グリスする必要があります。

 

さっそく、ターンテーブルを外します。

 

ターンテーブルは軸に乗せてあるだけなので、引き上げると軸から取り外すことができます。黒いカバーも、固定されているネジを外すと簡単に取り外せます。

 

この円盤を外すと内部にターンテーブルを固定している軸受が見えます。この円盤は、グリスが固着している場合が多いので、簡単に外れません。隙間にマイナスドライバーを差し込んで、てこの原理で上に引き上げます。基板がすぐ下にあるので、傷つけないように慎重に引き上げます。

 

これが外した円盤。円盤の下にはマグネットが取り付けられていました。グリスだけではなく、マグネットの力が働いているので、それなりに力を入れないと外れません。古いグリスが黒くへばりついています。

 

こちらは、本体側の軸が刺さっていた軸受になります。やはり、古い黒くなったグリスがべったり付いています。

 

パーツクリーナーで古いグリスを除去して、ミシンオイルを塗布しました。

 

組み戻して、動作確認!

 

さっきよりも回転数は上がっています。クオーツランプも点灯しています。正常に回転数が出ている証拠です。33回転、45回転とも正常に点灯しています。

 

カートリッジを取り付けて、出力を確認します。

 

アルバムは、40年以上前に購入したビリージョエルの『ニューヨーク52番街』。

カートリッジは、テクニクスのプレーヤーに取り付けてあったオーディオテクニカのAT-150E。

 

コンポ用のアンプなので、音はいまいちですが、レコードの音は温かみがあり、しっとりしていて良いですね。

 

 

 

 

 

 

1994年にPhilipsから発売された CD951   60,000円

 

この価格でありながら、DACにはTDA1547とSAA7350の黄金コンビ、通称DAC7を搭載しています。ピックアップメカは、CDM-4。

 

トレイの開閉しないというジャンク品を入手。

 

さっそく、開腹。

シンプルな内容。トレイの右上には、TDA1547が鎮座しています。

 

トレイが開かない原因には、ベルトの劣化がありますが、フィリップスのブレーヤーにはもう一つ大きな弱点があります。

 

それは、ギアの破損。

 

ピックアップユニットを外してみます。

この部分が、トレイの開閉を担っているギアになります。

 

ギアを外してみると、見事に削れています。これでは、トレイは開きません。

右にあるギアは、ネットで入手したギアになります。フィリップスのプレーヤーは世界中で需要があるので、修理パーツが豊富です。

 

ギアを取り外したら、ばらばらに砕けでしまいました。余程、日本の高温多湿の環境には合わない材質なのでしょう。よくもこんな脆い材質のギアを作ったものです。

 

逆手順で、組み戻して、動作確認。

 

問題なく、トレイは開閉して、再生も問題はありません。

 

肝心の音は、滑らかなサウンドで、フィリップスサウンドそのものです。ただ、この価格帯ですので、電源部が貧弱な分、音のダイナミックさはありません。せっかくのDAC7が活かされていない印象です。

 

とはいえ、この価格帯にしては、繊細でクリアーな音を聴かせてくれます。

 

 

 

 

 

ディスクは認識して、曲数と収録時間は表示されるけれども、再生ボタンを押しても再生が始まらないという症状で、修理依頼がありました。

 

考えられる原因は、ソニーのプレーヤーに多い症状で、リニア機構のマグネットの周辺のトラブルがありますが、それが原因だろうと思い、確認。

 

上記の写真は、ピックアップメカを取り出した状態のものですが、左右にあるマグネットのフレームが鉄製のため、使用環境により錆が浮き出ていることがあります。

 

この錆がピックアップのコイルに干渉をして、ピックアップが動かなくなり、結果的に再生が始まらない、あるいは再生が始まっても途中で止まる、音飛びがするなどの症状が起きます。

 

ただ、見てもわかるように錆がほとんどありません(;^ω^)

 

当然ですが、ピックアップの動き自体は、とてもスムーズ。

 

じゃあ、何が原因か・・・・(;´・ω・)

 

となると、サーボ基板が怪しい・・・

 

このモデルに多い、キャパシタの液漏れがあったので、交換してみましたが、症状変わらず(;´Д`)

 

BSLモーターは回転しているので、電源部は問題はなさそうです。ディスクの認識はしているので、サーボ系のICなども問題はなさそうです。

 

一応再生も始まるので、コントロール系の問題もなさそうです。

 

777シリーズは、デジタル部とアナログ部の電源が独立しています。それぞれの電源部には保護素子が搭載されており、回路の保護を担っています。これらの保護素子も正常だったので、電源部の異常はなさそうです。

 

じゃあ、何が原因か????(@_@。

 

よくよく動作を確認してみると、このモデルは、電源を入れるとピックアップが、最内周から最外周に移動し、また最内周に戻ってくる動作をしますが、それがありません(;´Д`)

 

ってことは、そもそもリニア機構が死んでいる???(@_@。

 

で、回路図とにらめっこすること、数時間・・・・(p_-)

 

デジタル部の電源部に、ヒューズ抵抗があることを発見!!

保護素子と同じ役割を果たしますが、見た目は普通の抵抗なので、それがヒューズ抵抗であるかは一見しては分かりません。

 

といえども、ヒューズ抵抗の場合、足を長くして宙に浮いているように取り付けていることが多いので、見た目は抵抗ですが、取り付け方を見るとヒューズ抵抗であることが分かります。

 

パーツリストをにもしっかりヒューズ抵抗と書いてありました(>_<)

 

で、導通を確認すると・・・・(^-^;

 

2個あるヒューズ抵抗のうち、4.7Ωの抵抗がショートしていました(;´Д`)

 

で、その先を追っていくと、先ほどのサーボ回路のうちの下側の基板、茶色身を帯びた基板に流れていきます。ってことは、この基板が異常??

この基板に搭載されているICは、リニア機能をコントロールしているICのようです。

 

とりあえず、ヒューズ抵抗を交換してみましたが、症状が変わらなかったので、このICが破損している可能性が大です。

 

型番は、BA6297AP。ソニーのCDプレーのサーボ回路には、必ずと言ってよいほど、搭載されています。

 

CDP-555ESAにも同じ基板が搭載されているので、手持ちの555ESAから該当基板を移植したところ、正常に再生するようになりました\(^o^)/

 

この基板は、ESJシリーズにはありません。ESJシリーズは、一枚のサーボ基板になっています。よく確認はしていませんので、このICを別のICに置き換えているかもしれません。

 

ESAシリーズでも、おそらく後期モデルだと思いますが、この基板が廃止されて、一枚基板になっているモデルもあります。

 

やはり、こいつが悪さをしているということを、当時のSONYの技術者も認識していたのでしょう。こっそり、基板を変更していました。

 

おそらく10年そこそこではこのような症状は出ないと思うので、不具合が発生したから回路変更をしたというよりも、何か技術的な問題を抱えていたか、単に製造上のコスト削減のために基板を1枚にしただけかもしれません。

 

いずれにしても、もしかしたらESA独特の不具合の可能性はあるでしょう。

 

私も、ESAシリーズは数十台直してきましたが、このような症状は初めて経験しました。それほど、稀な不具合なのでしょうかね(;^ω^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SONYのCDP-555ESDは、好きなプレーヤーの一つですが、1986年の発売とあって、まだデジタル技術の途上の時代です。

 

90年代になると、デジタル技術もICの進化とともに、CDプレーヤーも進化していきます。

 

CDプレーヤーの改造は、様々な方法がありますが、その一つにマスタークロックを高精度クロックに交換するというものがあります。

 

マスタークロックとは、基準となる信号でデジタル機器の音を左右する重要な部品です。よく問題になるジッターのノイズの発生源が、このマスタクロックの制度に由来するというもの。

 

技術の進化によって、クロックの重要性が認識され、高精度のクロックを搭載するようになってきています。

 

そこで、今回、ジャンクのCDP-555ESDを入手して、初めて高精度クロックの搭載に挑戦(^^)v

 

搭載するクロックは、TCXOという温度補償型水晶発振器になります。周波数は16.9344MHz、精度は0.1ppm。

 

通常の水晶発振器の場合は、周囲の温度変化によって周波数が変動するようで、そうすると信号精度が落ち、それが音質に影響を及ぼすようですが、水晶発振器に温度補償回路を付加することによって、周囲の温度変化による周波数の変動を少なくなるようにしたのがTCXOになります。周囲の温度の影響が少ない分、正確な発振が可能になり、それが音質にも良い影響を与えるということのようです。

 

一般的には、このように基板上に既に発振回路が組み込まれたものが多いようで、この回路に6~12Vの電源を供給すれば、既定の周波数を発振するようになります。

 

ネットの記事を見ると、肝はいかに電源を確保するかということで、場合によっては専用の電源回路を作り、そこから供給する方法もあるようですが、一般的には既存の電源回路、特にデジタル回路に電源を供給している部分から引っ張ってくることが理想とのこと。

 

で、こんな風に搭載してみました。

 

電源は、近くに+12Vを作っている三端子レギュレターがあるので、そこから引っ張ってきました。三端子レギュレターのOUTから+、-はGNDに落とします。コードを捻じって、基板に取り付けます。

 

オリジナルで付いていた水晶発振子を取り外し、発振子の間に付いていた抵抗とそれぞれの足に接続されていたフィルムコンデンサーを取り除いて、このプレーヤーの場合は、RCA端子に近い側、フロントから見ると奥側に新しい発振器の回路の+に接続したコードを落とします。手前に接続すると、音が出なくなります。

 

ちなみに、水晶発振器基板からオーディオ基板上に接続したコードは、50Ωの同軸ケーブルになります。発振した信号が通るので、同軸ケーブルであることが必要のようです。

 

さて問題の音ですが、オリジナルよりも高音の透明感が増します。とてもクリアーになります。抜けがよくなるというか、雲が晴れた感じになります。全体的に響きがよくなり、音場が広がるというか、レンジが広がるというのでしょうか、特に女性ボーカルがとても艶やかになります。

 

逆に言うと、高音がきつくなり、キンキンとした高音でデジタル臭くなったともいえます。こればかりは、好みの問題でしょうね。おそらく、当時はまだレコードプレーヤーがライバルとしてありましたから、どうしてもアナログに寄せた音作りだったかと思いますし、555ESDに搭載されているDACがフィリップスのTDA1541Aなので、どちらかというとヨーロピアンサウンドで、マイルドな音質であることを考えると、その個性を殺してしまったかもしれません。

 

とはいえ、温度には影響されないので、一年中正確でクリアな音を聴かせてくれそうです。少なくとも交換したことは正解だったと思います。

 

 

 

 

 

VRDS-10の画像

1992年にTEACから発売された VRDS-10    150,000円

 

シンプルなデザインがTEACらしいです。いわゆる、DCA7を搭載している非常に優れたプレーヤーです。SAA7350とTDA1547の黄金コンビ。銘機中の銘機。

 

トレイが開閉しないというジャンクを入手。

 

VRRDSメカ搭載のプレーヤーは、トレイベルトとリフターベルトの両方を交換する必要があります。

 

ちゃちゃっと交換して、無事トレイは開閉するようなりました。ディスクの認識再生も問題はありません。

 

ところが、あれれ???(´・ω・)

 

音が出ない(;^ω^)

 

デジタル端子からは正常に出力されていますが、アナログ端子からは音が出ていない・・・(~_~;)

 

むむむ・・・

 

このプレーヤーは、アナログ基板の電源部の不具合が多いのは有名。矢印の抵抗が丸焦げであることが多いのですが、何故か触れないほど発熱しています。上記の写真は既に抵抗を交換した後になりますが、220Ωの抵抗がいやに発熱します。新品にしても発熱しますので、設計上の問題??なのでしょう。

 

抵抗を交換しましたが、症状変わらす。三端子レギュレターと電解コンデンサーを交換しましたが、症状は変わらずというか、アンプのボリュームを上げると微かに音が聴こえるようになりました。

 

むむむ(;´・ω・)

 

これは、ミュートが解除できていないのかも・・・・(?_?)

 

 

RCA端子付近にある、赤丸のトランジスタは、ミュート用のトランジスタです。2SD1915ですが、既に廃盤になっています。

 

サービスマニュアルやネットでいろいろ情報を探したところ、再生していないときはこのトランジスタのベースに0.7V の電圧が掛かってミュートしていますが、再生が始まると5Vの電圧がかかりミュートが解除されて、RCA端子から出力されるようになります。

 

それが、再生しても0.7vのままで、結果的にミュートが解除できないために、異常に音が小さくなってしまっているようです。

 

付近に同じようなトランジスタが3個ありますが、全てミュートに関連しているトランジスタのようです。他のトランジスタのベースの電圧は変化しているので、正常に機能しているようです。

 

では、何故再生時に5V の電圧が掛からないのかです(;´・ω・)

 

しばし、回路図とにらめっこ(@_@。

 

で、突き止めたのが、この赤丸のトランジスタです。DTA114というデジタルトランジスタですが、このトランジスタのベースには、再生していないときにほぼ0Vで、再生時に+5Vの電圧が掛かるようになります。そうすると、先ほどのミュート用のトランジスタのベースに+5Vの電圧が掛かるようになります。

 

おそらく、デジタル基板から信号が来た際にミュート信号が一緒に流れてくるはずで、その信号によって、ミュート回路のトランジスタのベースの電圧が変化することでミュートが解除される仕組みのようですが、何故か、その信号が何らかの理由で、どこかで止まってしまっているために、このデジトラのベースに+5Vが掛からないのかもしれません。それが、ミュートが解除できない原因になっているようです。

 

で、いろいろ考えたのですが、では強制的にこのデジトラのベースに+5Vをかけてしまおうということを思いつきました。

 

三端子レギュレター近くのジャンパー線に+5Vが来ていたので、そこから直接デジトラの近くにあるジャンパー線に接続。このジャンパー線は、デジトラのベースにつながっています。

 

なんでこんな都合の良いところに、ジャンパー線があるのかと思いましたが、おそらくそれをチェックするためにわざわざ設計段階から考えれていたのかもしれません。

 

さっそく、動作確認!!

 

なんということでしょうか!!無事、音が正常に出力されました\(^o^)/

 

強制的にミュートを解除しているということで、ということは再生を停止してもミュートがかからなくなってしまったということで、とはいえ、いくつかミュート用トランジスタは正常に機能しているようなので、大丈夫?かもしれません(;^ω^)

 

出力端子直前のトランジスタだけ正常に機能していなかったのは、やはり異常に発熱している抵抗がなんらかの悪さをしていたということなのでしょう。

 

結局、根本的な原因は分かりませんでしたが、強制的にミュートを解除したことで、正常に音が出るようになったのは不幸中の幸い?でした(^^♪

 

数枚再生してみましたが、特に問題はないので、単にミュート信号がどこかで止まっているだけなのかもしれません。

 

それが何故なのかは、神のみぞ知る???

 

 

 

 

 

 

DCD-S10IIILの画像

2001年にDENONから発売された DCD-S10IIIL    250,000円

 

DCD-S10IIIのリミテッドエディション。デノンの良いところは、1ビットDACが隆盛だった頃も愚直にマルチビットDACに拘り続けたところでしょうか。同じように、アキュフェーズもマルチビットDACを搭載し続けていました。

 

偶然が必然か、マルチビットDACに拘っていたメーカーは、未だに優れたオーディオを作り続けています。

 

再生しなくなったということで修理依頼がありました。

 

このモデルは、DCD-S10IIIのリミテッドバージョンですが、あのRF増幅基板を搭載していることはしっかり受け継いでいます。

 

しかも、その時に不具合が頻発していたあのオペアンプの経験があったにも拘らず、何故かその不具合が頻発していたオペアンプをわざわざ搭載して、リミテッドバージョンとして発売しているということろが、デノンの残念なところです。

 

取り外して確認したところ、案の定、あのオペアンプが搭載していました。

赤丸のオペアンプがそれです。

 

回路の設計変更をして、問題ないと判断したのか、そもそも以前の不具合が引継ぎがなされていなかったのか、分かりませんが、正常に再生できている1650AZの載せて確認しましたが、再生できないのはやはりこいつが原因でした。

 

方法は、二つ。正常に機能しているRF増幅基板を入手して交換することと、この基板をスキップして、直にピックアップのケーブルをサーボ回路に接続する改造を施すこと。

 

ご本人の希望により、この基板を取り除いて、サーボ回路に直に接続する方法を取ることにしました。

 

これは、コントロール部とサーボ部、デジタル部の回路が搭載されている基板。

 

ひっくり返して、写真中央にあるICがサーボICです。その上にある赤丸の4個の抵抗を0Ωの抵抗に交換するか、ジャンパー線でバイパスするかして、直にICに信号が流れるように改造します。

 

私は、いつもこの抵抗を取り除いて、0Ωのチップ抵抗を取り付けます。

 

このRF増幅基板が音質にどれだけ貢献しているか正直分かりません。ないよりあった方がましなのでしょうけれど、それでどれだけ音質が改善しているのか、数値的に改善していても聴覚的にそれがどれだけ反映されているのかは、厳密に比較したことがないので、不明です。

 

少なくとも、こいつがあることで再生できなくなっていることだけは事実です。

 

組み戻して、動作確認をしたところ、正常に再生できるようになりました。

CD-Rも再生できているので、ピックアップ自体の劣化は、それほどなかったようです。

 

大抵、ピックアップを交換するという選択をして、新品のピックアップを取り寄せて交換しますが、このRF増幅基板が故障していれば、例え新品であってもディスクを認識再生することはありません。

 

となると、このピックアップは不良品だ!!と販売業者にクレームが殺到してしまいます。アマゾンの評価欄には、おそらくそうだと思われる投稿がちらほら見受けられます。

 

販売業者もたまったものではありません。とはいえ、購入したユーザーも新品に交換したのに再生しないという現実が目の前にあるわけですから、踏んだり蹴ったりです。両者とも気の毒でなりません。

 

メーカーではどんな修理をしていたのでしょうかね。気になります。

 

それにしても、罪作りなメーカーです。

 

 

 

P-2sの画像

1992年にESOTERICから発売された P-2S    600,000円

 

TEAC独自のVRDS機構をさらに見直した新VRDSを採用したCDトランスポート。一つ一つのパーツが拘りぬかれています。

 

トレイが開閉しないということで修理依頼がありました。

 

さっそく開腹。

 

P-1に比べるとはるかにがっちりとしたVRDS。価格的に倍もするので、当たり前といえば当たり前ですが(;^ω^)

 

後方の基板は電源基板。サーボ基板は、メカの下部にあります。

 

VRDSメカを搭載しているプレーヤーは、トレイベルトだけでなくリフターベルトもほぼほぼ劣化しているので、両方交換します。

 

リフターはトレイに下部にあり、まずVRDSを取り外して、トレイを取り外します。

 

このモデルは、サイドパネルを外さなければ、VRDSを固定しているネジにアクセスできません。TEACのプレーヤーは、つくづくメンテナンスのことを全く考えていない作りで、ほとほと疲れます(;´Д`)

 

トレイは、左側の4つのネジと右側の3つのネジを外すと簡単に引き抜けます。

 

取り外したリフター部。VRDSメカを搭載しているプレーヤーは、ほぼ同じタイプのリフターです。案の定、ゆるゆるでした。

 

トレイベルトは、他のTEACのプレーヤーと違って、メカの裏側後方にあります。なので、底板を外して、基板を外さなければアクセスできません。

 

写真を撮るのを忘れましたが、まず上部の電源基板を外して、電源部から接続されているコード類を、サーボ基板から外します。フロント部からのスラっとケーブルは、そのままにしておきます。

 

底板を外し、基板を浮かさると、ピックアップメカから説ずくされているいくつかのケーブルがあるので、それも外しておきます。

 

そうすると、基板をある程度持ち上げることが出来るので、トレイベルトにアクセスすることが出来ます。

 

ベルトは、2本。φ50mmとφ35mm。

 

逆手順で、組み戻して、動作確認。

 

トレイはスムーズに開閉するようになりました。

 

ディスクの認識も問題がないようです。このプレーヤーにはストップボタンがないので、リモコンでないと操作できないようです。

 

このPシリーズのプレーヤーは、トランスポートもDACも基板上のはんだクラックが頻発しているようなので、気になったところは所々はんだ修正をしています。

 

モータードライバICの基板部分が茶色く変色していたので、かなり熱を持つのでしょう。ヤマハのプレーヤーも同じようにサーボ基板のモータードライバICの足の部分は、はんだクラックと茶色く変色しているのはあるあるの現象です。

 

音に関しては、パイオニアのRPD-500を通しているので、本来のP-2Sの音ではないですが、滑らかな音は、このVRDSのおかげなのでしょうかね。