ある一定年齢以上の声優さんは、
だいたい皆さん仰っています。
本当は、声優って職業は無い!
さてはて。
なぜでしょう???
これは、声優の成り立ち(?)を知っている人は、
「あぁ、そうよねw」となりますが、
最近の子なんかは、意味がわからないと思います。
そして、さっそく正解ですが、
実は「声優」って、元々は舞台などの役者さんが、
本業の役者以外の小銭稼ぎ的に、〝バイト〟として「声」だけ提供していたのが、
そもそもの始まりなのです。
それなので、昔のフィルムに声を当てている人達は、
皆さん、「役者」さんです♪
そうそう!
アニメなんかは、
「声優」でないと出演できないというイメージが強いと思いますが、
「外画(洋画)」などは、今でも役者さんが声優業をしていたりするので、
現場でお話しなんかさせて頂くと、
「あぁ、普段は舞台に出ているんでw」なんて方もけっこういらっしゃいます。
とまぁ、厳密には、ちょっと違うのですが、
イメージとしては、そんな感じです♪
そんなわけで、
ある一定年齢以上の人は、
役者のパートジョブ(=バイト)でしかないモノ。
それが「声優」という認識が強いので、
お話しさせて頂くと、
「俺はね、声優じゃないんだよ!
役者なんだよ! そこ、間違えるなよ」
なんて仰ったりします♪
そして、このような考えの方は
「舞台経験のない声優はダメだ。
使い物にならねぇ」
とも、決まって仰っています。
これは、
舞台経験のない「声優」は、
声だけで演じればいいと思っているふしもあって、
演技の幅が狭い。
芯(実態・リアルさ)の無い「声芝居」しかしない。
舞台芝居には多様にある「間や芝居心」がわかっていないので、
使い物にならないという認識なのだと思います。
よくある「声優芝居」がまさにコレに該当すると思われます。
ちなみに、私はこの考えに物凄く同意しています!
え?
でもさ、芝居は芝居でしょ?
一緒じゃないの?
これがね、経験した人はわかると思いますが、
演技と言っても、
舞台演技、映像演技、マイク前演技(声優)などなど。
全部、演じ方・表現の方法がまるで違うのです。
スケールとか、見せ方とか、
リアルとデフォルトの割合・比率とか。
細かく言うと本当にキリがないほど違います。
それはもう、経験して、感覚などで理解するしかないような、
そんな次元です(*≧艸≦)ププ☆
ちなみに。
私は、20代の時は、ひたすら舞台ばかりしていて、
声優の仕事は一切していなかったので、
声優のオーディションに行っても、
マイク前演技の要領がうまくつかめなかったので、
声質を気に入ってもらったり、最終審査まで行ったとしても、
最後の最後でどうしても落とされてしまう、なんて事ばかりでしたw
自分ではどうしてダメなのか。
何が悪いのか。
舞台と同じように感じて、気持ちをそのまま前に出してると思っていたのに、
どこが間違えているのか。
本当にさっぱりわからなかったんですw
でもね。
いろいろと諸事情もあって、一回芝居から離れて、
再度始める時に、
「マイク前演技の感覚を思い出そう!」
そう思って、WSなどに参加したのですが、
その時になってようやくわかったのです。
―あぁw
舞台演技とマイク前演技と、まるで全然違うわw
一旦、舞台から離れたからこそ、
養成所時代に叩き込まれた感覚を思い出したのでした♪
確かに今は、「声優」という職業が確率しつつあって、
「自分はアニメにさえ出れれば良いから、
別に舞台演技とか必要ないし、
そんなよくわからない講釈はいらないよ」
と思われてしまいそうですが、
演技という道を極めれば極めるほどに、
ソレだけではいけないという壁にぶち当たるのですw
だからこそ、それを知っているベテランの方々は、
「声優は、役者のパートジョブであって、
職業としては存在しない」
と仰るのだと思います。
そして、そんなベテランの役者さんでも、
「演技は一生勉強し続けるもの」
と仰っているので、
その奥の深さというのは、本当に計り知れ合ものだと思います。
そう考えると、
私はまだまだペーペーで、
偉そうな事も何も言えないひよっこです。
だけど、そんな私でも、20代前半の頃から、
「私は〝声優〟という枠組みでおさまらない役者になりたい。
役者という枠組みすら超えて、
〝表現者〟として、表現の道を極めていきたい!」
と自己PRの時なんかに言っていました。
そんな心構えでいつもいたのです。
そんなわけで、
「本当は、声優って職業は無いんだ♪」
という考えに、全面的に同意しているのです♡