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   すぐログ!!

ナレーターの勝呂美和子(スグロミワコ)です^^
日々のこと、お仕事のこと、その他色々、すぐろのブログ

ナレーションを学ぶ2 誰が喋っているのか。演じるのか。それとも自分か。

こんにちは。勝呂美和子です。

今日はナレーションを学んで行く時にぶつかった悩み、他の方がどう考えているかはわかりませんが自分ではこう思っていたと言うことについて。

 

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私は今現在はナレーションを読む時に基本「自分」で話すということをしています。

しかし、声優という仕事をしているので「役を演じながら読む」と言うことも出来ます。

演技経験したことがないという方には 「自分は自分なのだから自分以外に何がいるの?」と思うかもしれないのですが、役者と言う経験を積んだ方は演技をすること、演じること、役になりきる、憑依させることを(人によって様々なタイプがいると思います)日常的に訓練していますので、ある文章、セリフ、文をを与えられた時に、習慣、考え方の一部としてこれはどんな役で演じることをすれば良いのか?と瞬間的に考えます。そして、私の場合はその決まった役柄で演じて読んだ方が文章を上手く捉えて読むことができました。例えば最初の頃私がよくオファーされたのは「落ち着いたお姉さん」でした。「優しく語りかけるように」「声のトーンは明るいけれど落ち着いていてキャピキャピしない感じ」など。その求められる役柄を演じて、それを外さないことを一番に意識していました。

しかしナレーションを勉強するにしたがってもっと色々なものを読んでみたいと思うようになり、私の出した結論は「素の自分で読もう」ということでした。

初めて「自分」で読む。とうことを意識したとき、文章が全く読めなくなりました。

「私って、普段どうやって読んでいたんだっけ?」これが正直な感想です。

そして、そこから抜け出した読み方をするのにかなりの時間が必要でした。私は決して個人の読み方を否定しているわけではありません。人には求められている立ち位置というものがあるので「その人を」という形で求められている場合にはそれで良いと思います。

しかし、ナレーションを1から学びたい。新たな分野に挑戦したい、自分の今の位置を知りたいと考えた時「今の読みはナレーションではない」と言われた時、そんな時にはこの事がもしかしたらヒントになるかもしれません。長年培ってきた自分の技術。それはそれで素晴らしい。そして長年培ってきたものは簡単に変えることはとても難しい。

声優の方がナレーションを読む時、声優の読み方になる、アナウンサーの方がナレーションを読む時、アナウンサーの喋り方になる、MCの方がナレーションを読む時、MCの読み方になる、それはその人がその訓練をして、それに特化したから出来る喋り方です。

私はナレーションの幅を自分に持たせるため「自分」という読みを研究しました。もちろんこれが正しい勉強の仕方なのか。と言われたらそうではないかもしれません。

最近気づいたのですが「落ち着いたお姉さんな感じで」とはあまり言われなくなりました。

「ボイスサンプルの感じでお願いします」もしくは何も言われない場合はテストで自分の考える最大を出します。

もしそれが相手の求めているものとかけ離れていたら、その場で求められる表現に変化させれば良いということです。曖昧な表現はすぐに伝わってしまいます。

 

「落ち着いたトーンのお姉さん誰かいませんか」ではなく

「勝呂さんが良いです」と名前で呼ばれるために。

「自分だけの読み」というものを磨いて行きます。

 

勝呂美和子

ナレーションを学ぶ21 インプットとアウトプット

 

こんにちは。勝呂美和子です。

今回はナレーションの話プラス日々にも繋がるインプットとアウトプットについて。

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人生にはインプットする時間とアウトプットする時間が必要であると感じています。

私が考えるアウトプットの良い点は(例えば発信する、人に教える、伝えるなど)することによって自分の中で整理され理論的に考えられることです。発信の中で自分の学んだことや実践したことを書いてきましたが、発信、これは=アウトプットしているということになります。

私の場合、ほとんどの部分は感覚で動いているというタイプですが、このブログを書くときや、相手があり、教える時などは伝わりやすくできるように、構成や進め方を何度も考えます。ブログも直ぐに書ける時もありますが、発表する前になんども読んで書き直します。そうすることによって自分でも内容が整理されて、順序立てて頭に組み立てられていきます。感覚で物事を考えてきた自分にとって、文章にして書き起こすことは理論で考えるきっかけとなるとても良い表現方法でした。人によっては、発信の仕方は違って良いと思います。文章だけでなく、映像や、絵にしてみても良いと思います。ボイスサンプルもインプットして蓄積してきたものを世に出すアウトプットです。もう一つ良い点としては発表することによって反響があるかもしれないということです。私の場合は発信したことによって活動を認知してくれた方がたくさんいました。実は講師のお話をいただいたのもブログきっかけです。ブログを読んで私のことを知ってくれて、連絡してくれた方もいました。アウトプットすることで、他にも同じ考えを持っている方に感想をいただくこともあります。私が、もしブログをやっていなかったらそういった反響は全くないでしょう。

16のブログで、「与える意味」について書きました。その時に「空っぽになったところに誰かから与えて貰える」と書いたところ、違った表現で例えてくれた方がいました。すごくわかりやすい例えでしたので書かせていただきます。

 

インプットとアウトプットはコップと水。アウトプットし続けないとインプットはできない。アウトプットで出し続ける「空になる」だから入る。ありがとうございました^^

 

 

勝呂美和子

 

 

ナレーションを学ぶ20 タイムコードを読み解く

 

こんにちは。勝呂美和子です。

前回はタイムコントロールとスピードコントロールについて書きました。

今回はタイムコードと尺について。より立体的に読み取る。

 

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ナレーションは基本一人で机に向かいます。自身の座るテーブル、映像が流れる画面、

目の前にマイク、大体が右側にキューランプ(喋るタイミングで赤く光るランプ、ON OFFは自分でコントロールできます)それに繋がった返しのヘッドフォン。あとは、原稿を置く台(スタジオによってあったりなかったり)です。

画面には、映像の他にタイムコードという数字が表示されています。多くは画面の上の方。その時によってタイムコードの大きさは違います。これは、放送される時には流れません。録音の時にのみ表示しているもので、原稿にもタイムコードが書いてあり、それを元にナレーターは読みを組み立て、本番ではディレクターさんがQランプ(喋りだしのタイミングで赤く光るランプ)を押してくれます。

といった流れで喋り出しますが慣れていない頃の私はこのタイムコードがどうしても苦手でした。キューランプを頼りにしすぎてタイムを正確に見れていなかったり、タイムを見過ぎで肝心の文章を噛んだりなどしました。それは自分の中に正確な体内タイムと余裕がが無かったからだとは思うのですが、しかし、それも練習することでクリアすることができます。

練習の時は自分の好きなタイミング、喋り出し、で話すことができますがしかし、仕事場は映像がともにあります。映像のタイミング、映像の間、作った制作者の間で映像は進んで行きます。前回書きましたが自分勝手な「私の間」では読むことができないのです。

私の練習方法としてはまず映像に当てはめタイムコードに慣れることと、頭のタイミングでの喋り出しに最も気を使うこと。力まず普段通りの実力を心がけること。原稿はVPの現場以外ではその場で渡されることが多いのですが、まずは原稿がきた時、タイムを確認し文章ごとの尺を確認します。よくお笑い芸人さんが「VTRの尺が」などいいますよね。その尺です。

例えば、15秒の尺で3行ほどの文章がきたとします。これが尺。15秒でその3行を読み切らないといけません。この「15秒」速いと感じるか、遅いと感じるか。自分はどのぐらいのスピードだと15秒のうちに収めることが出来るのか、どのくらいの表現をこの3行の内に盛り込めるのか。自分の基準を自身で知っておく必要があると思うのです。逆に15秒の尺があって2行の文章ならば、ゆっくりたっぷり読めると読み取ることができます。他に例えば、4秒で2行。と書いてあったら、ここは尺が短すぎるので巻かないと収まらない。ということになります。

タイムコードを読み取ることによって文章だけの印象にプラスして映像の動きが見えてきます。

リズミカルなものか、テンポは速いのか、ゆっくりなのか、ドキュメンタリーなど進みは通常よりも遅めでたっぷりと時間を取ってあるのか。そういった制作者の意図もより立体的に汲み取ることができる手助けをしてくれるのがタイムコードだと思います。

レギュラーの仕事ならばどういった番組の作りで、どういった進行で進んで行くのかはわかりますが初めての番組、初めてのVPなど、自身が初めてのものは映像や原稿がもらえていればより情報が確実ですが、その場でもらう場合はそれに対応する瞬発力が必要です。より素早く対応するためにも、普段からタイムコード、尺というものを意識し、書かれた言葉や内容だけではなく、番組自体のテンポ感を立体的に感じ取ることも良い結果を生み出すことに繋がると考えています。

 

 

 

勝呂美和子

 

ナレーションを学ぶ19 タイムコントロールとスピードコントロール

 

こんにちは。勝呂美和子です。今日はタイムについて考える。

自分のタイムで読んでいませんか?

 

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私は普段、人よりも早口でしゃべっているようで、他人よりも体内スピードが速いようです。なぜそれを感じたかというと、原稿を書き起こしてからしばらくは映像を見ないで練習していたのですが、初めは、原稿を書き起こして満足して、タイムを正確に書き起こしていませんでした。練習していくと、やはり自分にもやり方が確立されているのでどうしても自分の練習に偏りがちになります。

しかしその練習方法だと、「自分のリズムで読んでしまっている」ことになります。

なので、映像に合わせた時、何か少し早上がりがりしてしまう感じになってしまったのです。

「自分の心地よいリズム」というものは、映像のリズム、制作者のリズムで読んでいることではありません。ナレーションというものはどんなものか感じて見たい、色々なものを読んでみる、といった目的がそこにあればよいのですが、そういうことではなく、この一つの原稿と向き合いたい、映像に合わせたい、人をコピーする意味とは、など考えた時は必ず、タイムを書き込んで、自分の中にタイムコードを落とし込む作業が必要だと思います。

人をコピーする最大の利点は、人のスピードやリズムで読むことができるということです。自分自身が長年積み上げてきたもの、もちろんそれは良いです。自分が作りあげた個性。それは素晴らしいし、自分の基本としてきちんと存在しています。

しかし、勉強という形で人から何か得たい時は、その人のリズム、スピードを感じる。そして自分との「差」をそこに感じとることです。

体内スピードが速い私は、最初の頃、ゆっくり読むということが出来なかったので、慣れていない原稿が来るとすぐに文章の最後まで息が続かないという事がありました。なぜか家では読めていたのです。でもいざ仕事場で息が持たない。それは私がタイムを意識せずに練習し、自分のリズムで読んでいたからです。自分の息の限界値を知らずそれをコントロールしながら読むということもしないまま闇雲に読んでいたからなのではないかと思います。

自分自身の個性ももちろん必要なのですが、新しく人から何かを取り込みたい時は、寄り添うこと、合わせること、人から感じ取れることを素直に最大限に取り込んで、自分を変化させることなのではないかと思います。

 

 

勝呂美和子

 

勝呂のナレーションを学ぶ18

 

こんにちは。勝呂美和子です。今回はフラットな自分でいること。

気負わない。背負いすぎない。

 

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「フラットな自分でいる」

なんとなくこういうことなのかな?と自分でも思っていましたが、しかし自分の言葉には無かったものでした。「これかな」と最近思ったこと。

私はすぐ緊張する人です。昔のわたしは現場に行くとどうしても上がってしまい、いつも自信がなく、おどおどしていました。そんな自分が嫌で変える努力をしました。今はだいぶ変わりましたがそれでもたまに昔の自分がひょっこり顔を出すことがあります。油断するとすぐに出てくる言葉。「すみません」謝ることがくせになって、だんだん楽になって。でもそれは自分の経験から絶対におすすめしません。

フラットな自分でいるとはどういうことか。

仕事場に行ってもいつも通りの自分でいることを心がけることから始めました。「そんなの普通」と思うかもしれません。しかしその普通を意識的にしないとできない時もあったのです。私がいつも通りの自分でいるためにはそれをやってみようという「勇気」と、それにともなう自分に対する納得のいく「練習」が必要でした。

また失敗するんじゃないか、受け入れられないんじゃないか、失敗したら次がないじゃないか。それらは全て余計なことでした。

「普段の自分でいること」を意識してからか私は仕事場で笑うようになりました。

意識してから一年後くらいにお会いした方々からは「なんか雰囲気かわったね、明るくなったね」と言われるようにもなりました。

いままでの自分が嫌であるなら、最初は無理矢理にでも好きな自分を演出して作り出しても良いと思います。「また会いたい私」を自分で作っていくブランディングです。

「フラットな自分でいる」という言葉はその方の表現ですが、前に「仕事を特別なものとしない」とおっしゃっていた方がいました。聞いた当初はその言葉をきちんと理解できていませんでしたが、今はふっとこの言葉がよぎります。

 

トップの方々は、言葉は違えど同じことを考えているように思います。

何気ない言葉の裏に実はたくさんのヒントが含まれていてまずはそこにピントを合わせられる所まで自分をもって行くことかなと思います。

 

 

勝呂美和子