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【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 


インド発。

 

Youtube動画視聴時の

「広告をスキップ」ボタンを活用した

なるほど家電広告

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》

 

 

 

 

Picture:Screenshot from Orient Electric Official Video On Youtube

 

 

 

今回ご紹介するのは、インドの家電メーカー「Orient Electric」が製作した商品プロモーション動画です。

 

 


「Orient Electric」は1954年に設立されたインドのニューデリーに本社を置く消費者家電用品メーカーで、主にシーリングファンなどの扇風機や照明器具で知られています。

 

これらの他にも、炊飯器、トースター、ミキサーやアイロンなどの生活家電用品も手掛けています。

 


さて、春の訪れとともに気温はどんどん暖かくなってきています。

 

それに伴いインドの人々が気になってくるのが、自宅の室温を快適に保つことです。日中はエアコンや扇風機をオンにすることが増えてくるこの時期に合わせて、同社は新しいシーリングファンを猛プッシュしています。

 

 



Picture:Screenshot from Orient Electric Official Website

 

 


それがこちら、「Orient Aeroquiet」と名付けられたシーリングファンの最新モデルです。

 

従来のシーリングファンと比較すると、近未来的な雰囲気に仕上がったデザインが際立っています。

 

 

しかし実はこの製品の最大の売りはデザインではありません。モデル名にもなっている「quiet=静かさ」が最大のセールスポイントなのです。

 

 

そして、その「静かさ」を効果的にアピールするために同社が行き着いたシンプルですが効果的なプロモーション動画がこちらです。

 

 

まずはこちらの動画をご覧ください。

 


" If you can’t stand it, ‘SKIP NOISE’ it  "

 

 

https://youtu.be/IzlhC-lwfPw

 


従来のシーリングファンを稼働させたときに聞こえていた振動音・回転音をやや大げさに表現することで、その不快さを消費者に想起させています。

 

 

そして画面右下には、Youtube動画を視聴時にお目当ての動画の前に挟まれたCM動画の再生が始まりがっかりした時の救いの存在である「広告をスキップ」ボタンならぬ、「騒音をスキップ」ボタンが現れています。

 

 

視聴者がたまらず「騒音をスキップ」ボタンを押すと、あら不思議。騒音のない静かな動画に切り替わる仕組みになっています。

 

 

" Heavenly Silence, Coming Soon! "

 

 

https://youtu.be/liVv4bdE_1Y
 

 

 

いかがでしょうか?

 

 

最初の動画を視聴されている際に、ついつい「Skip Noise」ボタンを押してしまったという方が多いのはないかと思います。

 

昨今の消費者の心理・行動パターンを巧みに活用した、シンプルな構成でありながら、商品の持つ良さをピンポイントで訴求できたプロモーション動画に仕上がっています。

 

 

これらの他にも、同商品の強みである「静かさ」にフォーカスしたプロモーション動画もリリースされています。こちらもぜひご覧ください。

 


" The baby likes Silence more than a Lullaby. Orient Electric Aeroquiet- Very Silent, Very Powerful  "

 

 

https://youtu.be/gyOmO4KGCRk

 

 

※Orient Electric Official Website
http://www.orientelectric.com/

 

 

 

※ニュースソース

 

※afaqs!
http://www.afaqs.com/news/story/50053_afaqs-Creative-Showcase-This-brand-played-with-YouTubes-Skip-Ad-button-in-2-interactive-ads

※Gadget Guide 4 U
http://gadgetguide4u.com/orient-aeroquiet-fan.html

※advertisemAnt
http://advertisemant.com/cricketer-ms-dhoni-endorses-silent-orient-electric-aero-series-fans/

※Chennai City News
http://www.chennaicitynews.net/news/orient-electric-launches-the-very-silent-very-powerful-aeroquiet-ceiling-fan-32784/

 

 

 

 

■編集後記■


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 


WBC(World Baseball Classic)の準決勝、日本VSアメリカの試合はご覧になられましたか?

平日の日本時間午前の試合開始だったこともあり、残念ながら試合を腰を据えて観戦することはできなかった方も多いと思います。

 

 

今回のWBCには、珍しく(?)アメリカも気合が入っていたようで、選手を揃え、チャンピオンシップを勝ち取るつもりで乗り込んできていたようですね。

 

 

 

日米ともに、メジャーリーグ、プロ野球にの開幕がすぐそこに迫っています。

 

もうすでに試合のチケットは抑えてある!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 


数年前、ワシントンでMLBの試合を観戦したのですが、広島カープのスクワット応援や、観客が声とリズムを合わせてチームを応援するスタイルに慣れ親しんでいた私には、少々拍子抜けするところもありました。

 

 

日本での応援よりも、盛り上がっているながらも、どことなくリラックスしたゆるーい雰囲気の中で観戦するゲームも、また違った楽しみ方が感じられ面白い経験になりました。

 

 


春のセンバツも開催されており、野球ファンにはうれしいこの時期。

 

皆様のごひいきのチームが、それぞれに今シーズン活躍されることを願いつつ。

 

(いや、やっぱり自分のチームが一番!)

 

 

 

 

※にっぽんの熱いマーケターの連載コラム、アメリカ&世界各国の旬な
マーケティングニュースをタイムリーにお届け。

 

『にっぽんのマーケター』

 

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■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 

シンガポール発。

 

駅設置の広告でクーポンをGET!

カスタマーを店舗へ誘導する

簡単で効果的なキャンペーン

 

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Picture:Screenshot from PUMA Official Video On Youtube

 

 

 

 

今回は、プーマが現在ワールドワイドに実施しているキャンペーン「RUN THE STREETS」について、そのシンガポールでの展開をご紹介したいと思います。

 


「RUN THE STREETS」では、パフォーマンスとライフスタイルの垣根を越え、 自分らしいスタイルや生き方、瞬間を追い求める人々に向けて、 テクノロジーに裏づけされたストリートスタイルを提案しています。

 

そしてこれをコンセプトにして誕生したのが、「IGNITE Limitless」という商品ラインです。

 

 

 


Picture:Screenshot from Sneaker News

 


シンガポールでは、2017年2月16日から「RUN THE STREETS」キャンペーンを実施。

自分らしい生き方で輝いている6人のシンガポーリアンがキャンペーンの顔として登場しています。

 

選ばれているのは、ラッパー兼ソングライターのShiGGa Shayさん、DJでイラストレーターでもあるAmanda Keisha Angさん、グラフィティ&ファインアートのアーティストであるCeno2さん、 屋台の集合施設などを手掛けるhawkerpreneurのDouglas Ngさん、クロシェット&ドレッドアーティストのKelly Limerickさん、受賞歴のある凄腕バーテンダーVijay Mudaliarさんの6名です。

 

 


Picture:Screenshot from Lifestye Asia

 

写真に登場しているのが、ラッパー兼ソングライターのShiGGA Shayさん。彼はミュージックビデオをはじめとした、今回のキャンペーンで使用される音楽も手掛けています。

 

 


" PUMA Singapore | Hustlers #RunTheStreets "

 

https://youtu.be/UIg7NSck9CQ

 

 


さて、今回のキャンペーンに絡めて、シンガポールではあるユニークな屋外広告キャンペーン(セールスプロモーション)がスタートしました。

 


Picture:Screenshot from MOOVE MEDIA Official Website

 


こちらが、プーマがシンガポールの地下鉄MRTのBugis駅に設置した広告です。

 

PUMAとロゴが描かれた広告の前に立つ男性は何をしているのでしょうか?

 

実は彼がはがそうとしているのは、「商品購入代金30%オフのクーポン」です。

 


Picture:Screenshot from MOOVE MEDIA Official Website

 


このたび駅に設置された広告は、2000枚のクーポンチケットで作られています。

 

このクーポンは、今回のキャンペーンでフィーチャーされている「IGNITE Limitless」もしくは「IGNITE EvoKnit」のフットウェア商品を購入時に使用できるクーポンになっています。

 

 

クーポンウォールの設置場所の選定に際しては、今回のターゲットが16歳から23歳の層であることを考慮。

 

彼らが通学のために多く利用するMRTのダウンタウン線の駅の中から、駅周辺に多くの学校が集まり、さらにはPUMAの新しい店舗が近くにオープンしているBugis駅を選んだのだそうです。

 

 


今回のキャンペーンに際し、プーマとともにキャンペーンを手掛けた広告代理店Moove MediaのCEOであるJayne Kwek氏は以下のようにコメントしています。

 

「単に商品にフォーカスしただけの広告は出したくなかったんだ。ここぞという場所に設置されたステッカーは、カスタマーを誘導する有用な手段になり得る。(PUMA)の店舗もすぐそこにあるし、コスト面でもとても効果的な広告手法なんだ。」
 

 


※Puma Official Website
http://us.puma.com/

 

 

 

※ニュースソース

 

※Printing News
http://www.printingnews.com/press_release/12317247/an-easy-to-peel-wallscape

※Marketing Interactive
http://www.marketing-interactive.com/puma-launches-new-street-campaign-featuring-local-rapper-shigga-shay/
http://www.marketing-interactive.com/have-you-seen-pumas-peel-off-sticker-campaign/

※Campaign Brief Asia
http://www.campaignbriefasia.com/2017/03/moove-media-and-puma-cover-a-w.html

※Mumbrella Asia
http://www.mumbrella.asia/2017/03/puma-allows-commuters-peel-off-discount-coupons-singapore-station/

※Moove Media
http://www.moovemedia.com.sg/media-room/media-releases/puma/

※Lifestyle Asia
http://www.lifestyleasia.com/499319/run-streets-puma-6-trailblazers/

 


 

 

■編集後記■


 

 

読者の皆様、こんにちは。

 

 

スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

クーポン券、皆様は利用されますか?

 


私は普段から、スーパーやドラッグストアでの買い物でクーポン券を活用しています。

 

一時期は、クーポン券と店舗が実施するプロモーションやセール(BOGO(一個買えば二個目は無料))、キャッシュバック(お買物券)キャンペーンなどを組み合わせて、店頭で支払いをすることなく複数の商品をGetして帰宅するということを繰り返していたこともありました。

 

 

アメリカでは、「クーポニング」や「クーポナー」はとてもポピュラーで、まさにクーポン使いの神のような存在の方もいらっしゃいます。

 


クーポンがあるからと、たいして必要でないものまで購入してしまっては元も子もありませんが、上手に活用&節約して家計を助けたいものですね。

 

 

 

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■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 

アメリカ&カナダ発

 

未来の食を守れ!

シリアルブランドが推進する

花を植えミツバチを救うキャンペーン

 

 

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読者の皆様こんにちは。

 

 

今回は、米朝食シリアルブランドがアメリカ並びにカナダで展開しているキャンペーンをご紹介します。

 


米大手食品メーカージェネラルミルズ社のシリアルブランド「Cheerios/チェリオス」は、アメリカやカナダを中心に流通しているシリアルの定番商品です。


特に人気なのが「ハニーナッツチェリオス」。こちらはオーツ麦で作られたシリアルで、本物の蜂蜜とナッツのフレーバーがたっぷり。ほんのりした蜂蜜の甘さがクセになると、子どもから大人まで幅広く人気の商品です。



Picture:Screen shot from Cheerios Official Website

 

 

写真のこちらがチェリオスのパッケージなのですが、実はマスコットキャラクターのミツバチの姿が輪郭のみのシルエットになってしまっています。


これは、現在チェリオスがアメリカとカナダで展開している「Bring Back The Bees / ミツバチを取り戻そう」というキャンペーンに合わせての特別仕様のパッケージデザインです。



Picture:Screen shot from Bring Back The Bees Official Campaign Website

 

 

ジェネラルミルズ社によれば、同社の商品に使用している原材料のうちおよそ3割が受粉が必要。

 

また、私たちが食べている作物のうち3分の2は、ミツバチの受粉に頼っているのだそうです。ミツバチは私たちの食にとって、とても重要な送粉者としての役割を果たしてくれているのです。

 

 

これらのことからも明らかなように、世界的にニュースにもなっているミツバチの大量失踪(蜂群崩壊症候群)がこのまま続くと、生態系の崩壊や世界的な食糧危機の危険が高まるなど、非常に深刻な問題なのです。

 

そこで、ミツバチの減少に歯止めをかけ、よりたくさんのミツバチに帰ってきてもらうために、ミツバチが好む環境である草花でいっぱいのフィールドに戻すキャンペーンがスタートしたのです。

 

 

Picture:Screen shot from The Gurdian

 

 

キャンペーンの主旨に賛同する消費者は、オフィシャルホームページから無料の草花の種のパッケージをリクエストすることができます。


今回のキャンペーンでミツバチたちが好む花や草の種を提供しているのは、イギリスのヨークにある「Vesey’s seeds」。

 

実は2016年にも同社はジェネラルミルズ社と提携し、カナダの消費者に無料で花の種を配布するキャンペーンに参加していました。

 

 

当初は3500万本の花の種の配布を見込んでいたそうですが、結果的には1億本を超える結果となり、ジェネラルミルズ社のチェリオスの売り上げも10%アップするという好結果を生みました。

 

 


Picture:Screen shot from Bringn Back The Bees Official Campaign Website

 

 

キャンペーンの進捗状況はホームページで確認できます。また草花の種を受け取った人々が、それらを実際に庭や畑などに植えると、その場所を地図上にプロットすることで、どこに花畑が広がり始めているのかを目視できるマップも共有されています(アメリカ版)。

 

2017年3月14日時点での達成状況は、アメリカが74%、カナダが49%となっています。

 

 

 


Picture:Screen shot from Strategy

 

 

これだけではありません。ジェネラルミルズとチェリオスは、消費者にミツバチの重要性やその存在有無による環境への変化をより体感してもらおうと体験型ポップアップ施設をカナダのトロント中心部に設置。

 

そこでは、私たちがミツバチの数を増やすことができなかった場合の未来の食料品店の様子を展示。

 

一方で、今回の「Bring back the bees」キャンペーンにより多くの人が参加し、さらに継続的にミツバチの生息数を増やす活動を意識高く行った場合の幸せな未来の姿も展示。両者を対比できるような仕掛けにしたのだそうです。

 

 

 


チェリオスは2017年中にアメリカ・カナダの両国で一億本ずつ花を植えるという目標を掲げています。今回のキャンペーンが目標到達を大きく後押ししていることは間違いなさそうです。

 

 

 

※Bring Back The Bees Official Campaign Website
USA:
http://www.cheerios.com/BringBackTheBees
Canada:
https://bringbackthebees.ca/

 

 

 

※ニュースソース

 

※Aol.
https://www.aol.com/article/lifestyle/2017/03/13/the-important-reason-honey-nut-cheerios-removed-its-bee-mascot-f/21884480/

※Newswire Canada
http://www.newswire.ca/news-releases/honey-nut-cheerios-hopes-to-plant-another-100-million-wildflowers-in-the-second-year-of-its-bring-back-the-bees-campaign-615755703.html

※The Gurdian
http://www.theguardian.pe.ca/news/local/2017/3/9/ten-million-boxes-of-honey-nut-cheerios-will-feature-veseys-seed.html

※Star Tribune
http://www.startribune.com/bee-missing-from-honey-nut-cheerios-box-to-raise-pollinator-awareness/415778994/

※Media In Canada
http://mediaincanada.com/2017/03/10/spotted-cheerios-bee-free-grocery-store/

※Strategy
http://strategyonline.ca/2017/03/10/general-mills-brings-back-bring-back-the-bees/

 

 

 

 

■編集後記■

 


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

花粉症「Hay Fever」の季節が到来しました。

 


アメリカでも花粉症(アレルギー)に悩む人は少なくなく、ドラッグストアの店頭にはたくさんのアレルギー薬が並びます。

 

 


ひとつ大きく違うのは、アレルギー薬は服用するけれどマスクをすることは滅多にないという点でしょうか。

 

当然、需要があまり無いためでしょう、マスクの種類は限られていますし、日本のように様々に進化した機能性の高いマスクなどはほとんど見かけません。


アメリカ人の方の花粉症(アレルギー)の程度が私たちのそれと比較して軽いのか。それとも我慢強いのか。笑。

 

 

 

春の到来は嬉しいものですが、花粉症だけは発症しなければ良かったのにと毎年思わずにはいられません。

 

はっくしょん。。。

 

 

 

 

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香港発。

 

キャセイパシフィック航空が

機内で楽しむためのビールを

業界初の自社醸造

 

 

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読者の皆様、こんにちは。

 

 

 


今回は、世界初&業界初のある特殊なビールに関する話題をご紹介したいと思います。

 

 

 

" Betsy Beer "

 

 

 

 


Picture:Screen shot from Cathy Pacific Airways Official Website

 

 

 


2017年3月1日から提供開始のこちらのビールを醸造したのは、香港を拠点とする航空会社、Cathy Pacific Airways(キャセイパシフィック航空)です。

 

 


1995年に設立された香港のクラフトブルワリーの草分け的な存在であるビール醸造会社Hong Kong Beer Co.と共同開発されたBetsy Beerは、機内で楽しむために醸造された初のビールなのです。

 

 

Betsyという名前は、1940年代・50年代に活躍していた同航空会社の初代航空機Douglas DC-3にちなんで名づけられました。

 

 

 

 

飛行機の機内では気圧や高度の変化が引き金となって、人の味覚に変化をもたらす可能性があることや、キャビン内での食品や飲料の品質管理の難しさがあることは良く知られています。

 


そのため、これまでにも複数の航空会社が、フライト中の機内という特殊な環境を考慮したより美味しい食事の提供に取り組み、そのクオリティを向上させてきました。

 

 

しかしこれまでに機内で提供されるビールに関して、より状況に合ったものを提供しようという動きはまだ起こっていなかったのです。

 

 


そこで、キャセイパシフィック航空は、顧客へのさらに満足度の高いサービスの提供の一環として、機内での飲用に最適なビールの醸造に取り掛かったのです。

 

 



Picture:Screen shot from Cathy Pacific Airways Official Website

 

 

 


Betsy Beerの原料には、キャセイパシフィック航空の主要路線である香港とイギリスを産地としたものを利用。ホップはイギリスから、香港からはドラゴンアイフルーツとハニーを使用しています。

 

 

これらの原料を利用して、高度の高い機内でも美味しいと感じて飲んでもらうために、醸造過程においては苦みを抑える、炭酸を強めにするといった工夫が施されました。

 

また、無濾過であるため、飛行機搭乗時の気圧変化などで痛みやすい末梢神経の修復を助ける効果や疲労回復効果のあるビタミンBを多く含むという特徴もあるのだそうです。

 

 

 

 

" Betsy Beer, 世界第一款專為35,000呎高空中享用而釀製的啤酒。 "

 

 

 

https://youtu.be/MT8pgg-ps80

 

 

 

 

Betsyビールは、3月1日から4月30日までの期間、香港とイギリスの3つの空港(ヒースロー、ガトウィック、マンチェスター)を結ぶ路線のファーストクラス並びにビジネスクラスで提供されます。

 


また機上だけではなく、香港とヒースロー空港のキャセイパシフィック航空のラウンジや、Swire社が展開する香港のレストラン(Mr & Mrs Fox、Café Gray Deluxe、 Plat du Jour、 Public、 Sugar (Bar.Deck.Lounge) 、The Continenta)でも限定提供されることがアナウンスされています。

 

 

 

 

ちなみに、高度3万5千フィートでの飲用を想定して醸造されたビールを地上で飲むとどんな味がするのでしょうか?

 

 

あるアドエージェンシーではキャセイパシフィックから送られてきたBetsyビールを、提供開始に先がけて香港のオフィスで試飲してみたようです。

 

 


" Betsy beer unboxing by Campaign   "

 

 

 

https://youtu.be/ZWgXzvVjQYU

 

 

 

 


どうやら、飲み口はとても軽く、小麦のビールのような味わいもあるのだとか。ブレンドされている香港ハニーのフレーバーは感じ取れなったようです。

 

 

現時点では4月30日までの期間限定提供の予定となっており、以降継続的に提供するかどうかは、カスタマーの反応をみながら検討するそうです。

 

 

 

 

 

※Cathy Pacific Airways Official Website
https://www.cathaypacific.com/cx/en_HK.html

 

 

 

 

※ニュースソース

 

※Cathy Pacific
https://www.cathaypacific.com/cx/en_CN/about-us/press-room/press-release/2017/cathay-pacific-introduces-betsy-beer-the-worlds-first-hand-crafted-bottled-beer-brewed-to-be-enjoyed-at-35000ft.html


※Traveller
http://www.traveller.com.au/betsy-new-craft-beer-by-cathay-pacific-thats-specially-designed-to-taste-great-at-altitude-gujs5a

 

※Marketing Interactive
http://www.marketing-interactive.com/cathay-pacific-creates-worlds-first-beer-35000-ft/

 

※stuff
http://www.stuff.co.nz/life-style/food-wine/drinks/89695583/cathay-pacific-release-a-beer-brewed-just-for-drinking-in-the-air

 

■今号のスゴい★PR

 

 

 

 

ニュージーランド発。

 

ビールを飲んで砂浜を保護しよう!

環境保護活動に熱心なビールブランド

DB Exportの画期的な取り組み

 

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読者の皆様、こんにちは。

 

 

 

地球温暖化、台風やハリケーンなどの自然災害、河川上流へのダム建設や消波ブロックの設置をはじめ、その他多数の要因による砂浜の消失は、世界中の懸案事項のひとつとなっています。

 

The New York Timesによれば、世界のおよそ75~90%の砂浜が消失の危機にあることがレポートされました。

 

海水浴や休暇を満喫するために訪れているリゾート地の美しい砂浜も、実は自然の砂浜ではなく人工的に造成されたものであることも増えてきているのです。

 

 

 

 

今回は、砂浜の消失に歯止めをかけたいと活動を行っているカンパニーをご紹介したいと思います。

 

 

 

 

豊かな大自然と安全な生活環境で人気の南半球のニュージーランドでも、砂浜の消失( Beach Loss )に対する危機感は高まっています。

 

ニュージーランドでは、道路やパイプライン、建物の建設などに砂が利用されています。これらの目的で海岸部の砂が使われ続けていて、そのために海岸線の浸食や生態系へダメージを与えていると警鐘が鳴らされています。

 

 

 

こうした状況を憂慮したのが、ニュージーランドのビールカンパニー" DB Breweries(ディービーブルワリーズ) "です。

 

 

 

 


Picture:Screen shot from BP&O

 

 

 

 

1930年に設立された同ブルワリーと、同じくニュージーランドの老舗ビール醸造カンパニー" Lion Nathan(ライオン・ネイソン)" の2社がニュージーランドのビール業界で圧倒的なシェアを占めています。

 

 

ディービーブルワリーズは2012年にHeineken Asia Pacificに買収され、現在はハイネケン傘下となっています。

 

 

同ブルワリーの主力銘柄は、ニュージーランドのドラフトビールの元祖的な存在でもある" DB Draught(ディービー・ドラフト) "や、くせがなく飲みやすいラガービールで若い世代を中心に人気の " DB Export(ディービー・エクスポート) "です。

 

 

 


Picture:Screen shot from DB Export Official Website

 

 

 


読者の皆様のなかには、こちらのディービー・エクスポートという名前に聞き覚えがある方がいらっしゃるかもしれません。

 

 

実は同ブランド、昨年3月に開催されたアジア最大の広告祭「アドフェスト2016」で、イノーバ部門のグランデ(最高賞)とプロモ部門のゴールドを獲得したのです。

 

 

 


Picture:Screen shot from AD WEEK

 

 

 

ディービー・エクスポートは、ビール製造時に生まれる副産物からつくったバイオ燃料" DB Export Brewtroleum "を、ガソリンスタンドの" Gull "で販売。

 

同バイオ燃料は従来のガソリンと比較して二酸化炭素の排出量が少なく、また輸入燃料への依存を軽減できるなどのメリットがあり地球環境の保全に役立つとアピール。

 

 

同ブランドは「未来はあなたの手の中にある。ディービー・エクスポートを飲んで世界を救おう」というキャッチフレーズで、ニュージーランドのみならず世界中の多数の人々の印象に残るキャンペーンを展開しました。

 

 

 

 

このように、以前から地球環境保全に対してブランドとして積極的な取り組みを展開してきたディービー・エクスポート。

 

今回も、ビーチの消失を抑制しようとユニークな試みを行っています。

 

 

 

 


Picture:Screen shot from CREATIVITY

 

 

 

 

写真のマシーンは、使用済みのビールボトルを粉砕するものです。

 

同ブランドでは、使用済みビールボトルをリサイクルして、自然の砂の代用品として使える人工の砂として再生利用することをスタートさせたのです。

 

 

こちらのマシーンは、2月から4月のかけてニュージーランド国内のバーに設置され、空瓶を人口の砂として再生利用するプロジェクトへの人々の参加を促します。

 

カスタマーはディービー・エクスポートを飲むことで、ビーチを守る取り組みを応援することができるわけです。

 

 

 

 

今回の取り組みの背景は以下の動画でも確認していただけます。

 

 

 

" DB Export – Sand Made From Bottles, Not Beach 2017 "


https://youtu.be/7uOukrxj4sY

 

 

 


昨年のビールの副産物を利用したバイオ燃料のキャンペーンに引き続き、今回の取り組みも各方面から高評価を得ているようです。

 

 

 

 

※DB Export Beer
http://www.dbexportbeer.co.nz/

 

 

 

 

※ニュースソース

 

※New Zealand Herald
http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11804790

※Campaign Brief Asia
http://www.campaignbriefasia.com/2017/02/db-export-beer-drinkers-aim-to.html

※CREATIVITY
http://creativity-online.com/work/db-export-beer-sand-made-from-bottles-not-beach/51034

※WMC Action News 5
http://www.wmcactionnews5.com/story/34554454/db-exports-mission-to-save-new-zealand-beaches