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【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今号のスゴい★PR】

 

 

タイ発。

 

大気汚染の深刻さとその頭髪へのダメージを警告する

髪が抜け落ちる巨大ビルボード広告

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》●

 

 


Source Pantene Thailand Official Youtube Video

 

 

 

【SUMMARY】

 

・タイのバンコクの大気汚染は人体に悪影響を与えかねない深刻な状況
・大気汚染の頭髪への悪影響を警告するため、汚染濃度と連動したビルボード広告を設置
・パンテーンは抜け毛をコントロールするヘアケア商品ラインナップを展開

 


【STORY】

 


春と秋をメインに季節風の影響で大陸から飛来するPM2.5や、光化学オキシダントの引き起こす光化学スモッグなど、大気汚染は日本でも人々の大きな関心事の一つとなっています。

 

大気汚染濃度の高い日には、マスクをする、外出を控える、屋外での活動を控える、建物や車の窓をなるべく開けないといった対策をとる必要性も専門家などから指摘されています。

 



pixabay

 


世界に目を向けても、都市部を中心に大気汚染が深刻な問題となっていることは周知のとおりです。

 

WHO(世界保健機関)の発表した報告によれば、世界でPM2.5の数値が高い都市をランキングした際に、上位20位以内にランクする都市を最も多く抱えているのはインドで、中国がそれに次いでいます。

 

アジアでは、インドや中国の他に、バングラディッシュやパキスタ、インドネシアなどの大気汚染も深刻です。そして「微笑みの国」タイもまた、深刻な大気汚染問題を抱えている国家の一つです。

 

 

今年の春先にはタイのバンコクで、バンコクの公機関Bangkok Metropolitan Administration (BMA)は、街の美化を達成すべきだという目的で、2万軒とも言われている世界的に有名なバンコクの屋台を特定の場所に集約する、もしくはなくすという動きをスタートさせ衝撃を与えました。

 

この背景としては、大気汚染の深刻化や劣悪な衛生環境とそれによる人体への悪影響(屋台のベンダー、屋台の利用者双方が受ける健康被害)を懸念しての判断だったとも指摘されています。

 

 

さて、大気汚染物質の人体への影響は様々な範囲に及びますが、実は頭髪にもかなりのダメージを与えるということはご存知でしょうか?

 

Procter & Gamble(P&G)社のヘアケア商品ブランド・パンテーンによれば、実は頭髪は肌の3倍も大気汚染の影響を受けるのだそうです。

 

そしてこの衝撃的なこれまであまり注目されてこなかった事実を、タイの人々に知ってもらう必要性があると考えた同ブランドは、ある巨大なビルボード広告を製作し人々に警鐘を鳴らしました。

 

それがこちらのビルボード広告です。

 

 



Pantene Thailand Official Youtube Video

 

 

上記の写真は、ビルボード広告(写真中央)が設置された一日目の状態です。

 

そして、次の写真は設置されてから10日が経過した後の、同じビルボード広告の状態です。

 

 



Pantene Thailand Official Youtube Video

 


設置初日にはほぼ真っ黒に塗りつぶされているかのように見えていたビルボード広告ですが、日数が経過するにつれて黒かった部分が取れ、土台の広告が見え始めます。

 

そして10日目にはそれが、パンテーンからの大気汚染の頭髪への深刻なダメージを警告するメッセージを含めたブランド広告であったことが判明しました。

 

 


実は当初ビルボード広告を覆っていた黒い物体の正体は、髪の毛だったのです。

 

パンテーンタイと総合広告代理店GREYnJ United Bangkokは、リアルタイムで大気汚染数値を計測する計器をビルボード広告に連動させ、数値が許容基準値である50 psiを超えると、ビルボード広告の髪の毛が抜け落ちるようプログラムしていました。

 

大気汚染数値には時間帯や曜日、天候などによっても変化しますが、ビルボード広告の髪の毛は抜け落ち続けて、結果的には10日目には完全に髪の毛が失われてしまったのでした。
 

 

 

今回のパンテーンが実施したマーケティングキャンペーンは、タイの人々に大気汚染が頭髪にダメージを与えうるという事実を広めるとともに、同ブランドの商品のひとつである' Hair Fall Control 'ラインナップのシャンプー・コンディショナー・トリートメントを消費者にアピールしたものでした。

 



Pantene Thailand Official Website

 

 


同ラインは、髪の毛の主成分ケラチンへのダメージをブロックする技術を用いた商品で、髪の毛をダメージから守り最大90%抜け毛や切れ毛を少なくする効果がある点を売り文句にしています。

 

そのため、大気汚染によって髪の毛が抜け落ちるという事実を目の当たりにさせた今回のビルボード広告は、同商品の持つ強みをより効果的に消費者に訴えることも可能にしたのでした。

 

 

巨大ビルボード広告のメイキングから頭髪が抜け落ちるまでの全プロセスを追ったドキュメンタリーは、動画でもご覧いただけます。

 

" มาดูกันว่า มลภาวะ จะทำร้ายเส้นผมได้มากเเค่ไหน? "

 

 

https://youtu.be/SaThfTaU_gI

 


※Pantene Thailand Official Website
https://www.pantene.co.th/th-th

 

 

※ニュースソース

 

※Mumbrella Asia
http://www.mumbrella.asia/2017/10/pantene-erects-giant-billboard-made-of-hair-to-highlight-pollution-damage

 

※Campaign Brief Asia
http://www.campaignbriefasia.com/2017/10/greynj-united-bangkok-creates.html

 

※Ads of the World
http://adsoftheworld.com/media/integrated/pantene_the_hair_falling_billboard

 

※The Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/travel/news/bangkok-bans-street-food-stall-vendors-thailand/

 

【今号のスゴい★PR】

 

 

豪州発。

 

遠くて不便なお店に牛乳を買いに行こう。

保険会社がライダーにツーリングを呼び掛ける面白キャンペーン

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》

 

 

 


Source FiberCreme Swann Insurance Official Website

 

 

 

【SUMMARY】

 

・豪州の保険会社が二輪ライダー向け保険のキャンペーンを実施
・生活必需品が購入できる" Inconvenience Stores "を設定しライダーに遠出を促す
・キャンペーン参加店舗で商品を購入すると保険料の割引特典が得られる

 

 

【STORY】


車やオートバイなどを所有し運転するなら、万が一の時のための自動車保険やバイク保険への加入は欠かせないものですよね。

 

数ある保険会社の中からさてどこに加入しようかと考えた時に、オーストラリアならもしかしたらこちらの会社が一番に浮かぶ人が増えるかもしれません。

 


' Swann Insurance / スワンインシュランス '

 

 



Swann Insurance Official Facebook Page

 


スワンインシュランス社はオーストラリア最大の保険グループである、IAG(Insurance Australia Group)の一員です。

 

スワンインシュランス社では自動車保険も取り扱っていますが、同社の最大の商品はモーターサイクル保険です。

 

その道40年以上の歴史を持つ同社のモーターサイクル保険には75万人以上のオーストラリア人が加入しており、オーストラリア、ニュージーランドにおいて業界のリーディングカンパニーとなっています。

 


同社にとって、オーストラリアの人々がより多くモーターサイクルに乗ってくれること、そしてより高い頻度でモーターサイクルを使用してくれることは、保険加入者数の確保と加入する保険内容のアップグレードを促すために重要なファクターであることは言うまでもありません。

 

そこでスワンインシュランス社は今回、日常のちょっとした場面でもせっかくならモーターサイクルに乗って出かけてもらおうとユニークなマーケティングキャンペーンを実施しています。それが、こちら。

 


' Inconveninece Stores / インコンビニエンス ストアズ '

 


24時間身近にあっていつでも気軽に利用できて便利なコンビニ・・・ではありません。" インコンビニエンス " つまりは、利用者にとって " 不便な " お店を設けたのです。

 

 

キャンペーンのために同社が協力をお願いして参加を取り付けたのはオーストラリア南東部のクイーンズランド、ニューサウスウェールズ、ヴィクトリア州に合計4店舗。

 

いずれの店舗も、オーストラリアで人気のあるツーリングルートの終点付近に位置しているのだそうです。

 

 



Swann Insurance Official Website

 


※キャンペーンに参加している店舗とキャンペーンの実施期間は下記の通りです。

 

・Glenlyon General Store
住所:63 Barkly St, Glenlyon VIC 3461
実施期間:2017年9月9日(土)から商品がなくなるまで

 

・Little Rae
住所:1/65 Queen St, Berry NSW 2535
実施期間:9月16日(土)から商品がなくなるまで

 

・The Bunyas General Store
住所:Bunya Avenue, Dandabah Village QLD 4405
実施期間:9月23日(土)から商品がなくなるまで

 

・New Vogue Roadhouse
住所:87 Mitchell St, Bourke NSW 2840
実施期間:9月29日(金)から商品がなくなるまで

 


そしてこれらのお店に行くと購入することができるスペシャルなアイテムがこちら。

 

 

 


Swann Insurance Official Youtube Video

 


牛乳、トイレットペーパー、そして板チョコレートです。

 

いずれのアイテムにも、' Inconvenient Milk 'のように不便を意味する単語が入ったパッケージのスペシャル商品になっています。

 

これまでなら、牛乳やトイレットペーパー、チョコレートのような生活必需品は近所のお店でパパっと仕入れるものだったはずです。

 

 

今回のキャンペーンではあえて、これら3つの日常的にそこそこの頻度で購入している商品を選ぶことで、ちょっとしたことが外出の理由だったとしても、より多くの機会を楽しみながらバイクにまたがって出かけてほしいとライダーに呼びかけています。

 

また、今回のキャンペーンを" 不便なお店 "とあえて名付けているからなのでしょうか、ライダーにはあえてGoogleマップで自分から一番遠いところにあるお店を選んで、出かけて欲しいとメッセージを送っています。

 


ちなみにこれらの不便な3商品のいずれかを購入すると、バイクで出かける新たな理由ができてツーリングを楽しめるだけでなく、スワンインシュランス社のバイク保険料10%引きの特典も受けられようになっています。

 


バイクにまたがってちょっと出かけようかと思ってしまいそうな同社のコマーシャル動画もあわせてご覧ください。

 


" Another Reason to Ride from Swann "

 

 

https://youtu.be/9wQZJxCVMb4

 

 

※Swann Insurance Official Website
https://www.swanninsurance.com.au/home/

 

 

※ニュースソース

 

※Ads of the World
http://adsoftheworld.com/media/film/swann_insurance_inconvenience_stores

※Campaign Brief
http://www.campaignbrief.com/2017/09/swann-insurance-launches-incon.html#more

※Pacific-pacific epeak
https://pacific.epeak.in/2017/09/13/swann-insurance-launches-inconvenience-stores-in-new-campaign-via-che-proximity/

 

【今号のスゴい★PR】

 

 

米国発。

 

菓子大手マース社が気候変動対策に10億ドルの投資を発表し

世界中で同様のムーブメントの拡散を促す

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》

 

 


Source Mars, Incorporated Official Twitter

 

 

【SUMMARY】

 

・米大手菓子メーカーMarsが新たに10億ドルを対気候変動プロジェクトに投資
・テキサスとスコットランドの風力発電所は、米・英での操業に十分なエネルギーを供給
・温室効果ガスの削減と持続可能な農業の促進、フードサプライチェーンの再構築を目指す
・トランプ大統領のパリ合意離脱に改めてNoを示し、地球環境保護の必要性と重要性を発信

 


【STORY】

 

チョコレート・キャンディ業界で世界一の大企業が、地球規模の気候変動に対してアクションを起こすことを改めて世界に示しました。


米菓子大手のMars / マース社は、日本でもおなじみのSnikersやM&Ms、Twix、Milky Way、Skittlesなどのチョコレート・キャンディ菓子やペットフードの PedigreeやWhiskasを傘下に抱える、年売上高350億ドルといわれる巨大企業です。

 



Source Mars, Incorporated Official Twitter

 

 

菓子業界のみならず、業界を超えて広く米経済界や他国にも大きな影響力を持つ同社が、気候変動にたいしてFightを続けること、持続可能型の社会や農業の発展と促進により強い意志と実行力をもって臨むことを表明しました。

 

 

同社CEOのGrant F. Reid氏は、"Mars has been in business for four generations and intends to be for the next four generations, / マース社はこれまで4世代にわたってビジネスを続けてきたし、次の4世代にわたってもビジネスを継続していく" と述べたうえで、同社の "Sustainable in a Generation Plan" に対し向こう数年で10億ドルを投資することを発表したのです。

 

 

CEOのReid氏が決意と取り組みの詳細について語る模様はこちらの動画でもご確認いただけます。

 

 

" Sustainable in a Generation Plan - Mars "

 

 

 

https://youtu.be/02D3O2EHw2A

 

 


マース社はこれまでにも既に気候変動に対するダイナミックな取り組みを実施してきました。

 

米テキサス州とスコットランドにある風力発電所では、同社のアメリカとイギリスでの操業に必要なエネルギーを十分に供給できるだけの電力を発電できるようになっています。

 

今回の"Sustainable in a Generation Plan" では、これらに加えてさらにロシア、中国、インドを含む世界11か国での風力発電を用いた操業を行っていくことを発表しています。

 

さらに具体的な数値目標として、2050年までに同社が排出する温室効果ガスを67%削減すると掲げました。

 



Source Mars, Incorporated Official Twitter

 


実は今週9月18日から24日にかけては、アメリカのニューヨークで国連のUN general assembly and climate weekが開催されています。

 

同社の今回のアナウンスメントはこれを前に計画的に発表されたものでした。

 

 

CEOのReid氏は以下のようにコメントし、米トランプ大統領が決断した2015年パリ協定からの離脱に対して改めて反意を示しました。

 


" Most scientists are saying there’s less than a 5% chance we will hit Paris agreement goals…which is catastrophic for the planet.”
「多くの科学者は、パリ協定のゴールに到達できるチャンスは5%に満たないと予測しているが、これは地球にとって壊滅的だ。」

 

" The engine of global business — its supply chain — is broken, requiring “transformational, cross-industry collaboration” to fix it. "
「世界のサプライチェ―ンは崩壊している。立て直しには、変革的な業界をまたいたコラボレーションが必要だ。」

 


マース社は、去る6月にトランプ大統領に対してパリ協定から離脱しないように求める文書にサインした企業の一社でした。

 



Source M&Ms Official Twitter

 


同社は世界中の企業に対してこのような動きに同調してもらい、具体的なアクションを起こしてもらえるよう訴えていますが、今後は同社の有名なキャラクター達もこの動きをサポートしていくようです。

 

 

※Mars  Official Website
http://www.mars.com/global

 

 


※ニュースソース

 

※Fortune
http://fortune.com/2017/09/06/mars-pledge-one-billion-fight-climate-change/

 

※Marketing Interactive

http://www.marketing-interactive.com/mms-makes-a-sweet-move-for-global-sustainability-campaign/

 

※Global Citizen
https://www.globalcitizen.org/en/content/mars-chocolate-mms-sustainability-plan-climate-cha/

 

※Business Insider
http://www.businessinsider.com/mars-climate-change-investment-global-warming-sustainability-plan-greenhouse-gas-2017-9?r=UK&IR=T

 

【今号のスゴい★PR】

 

 

 

豪発。

 

マイカップ持参でコーヒーカップのごみを削減。

カフェ&消費者双方のアクションを促進するアプリが登場

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》●

 

 

 


Source Bring-Yo Official Website

 

 

【SUMMARY】


・オーストラリアでは毎年50億個超の使用済み紙カップが埋め立て処分されている
・ユーザーのマイカップ(再利用可能カップ)利用はなかなか浸透していない
・企業と消費者双方のマイカップ利用意識を高める携帯アプリが登場

 

 

【STORY】

 


スターバックスやタリーズコーヒーなど多くのカフェで提供されるテイクアウト時のホットドリンク用紙カップ。

 

日頃は何気なくお気に入りの飲み物をオーダーし、コーヒーを味わい、そして飲み干した後はもちろんごみ箱に空になった紙カップを捨てていると思います。

 

紙カップだからとリサイクル可能なものとして分別している方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

でも実はこれらのホットドリンク用の紙カップはリサイクル可能ではないことをご存知ですか?

 

 


Source BBC News

 

 


上の写真は、昨年3月のある温かいコーヒーが飲みたくなる寒い朝にイギリスのロンドンの路上に出現した、紙コーヒーカップ1万個でデコレーションされたダブルデッカーバスです。

 

当時の記事によれば、イギリスでは毎日およそ700万個以上、一年間で25億個以上がごみになっているのだそうです。

 

そしてバスのデコレーションに使われた1万個という数字は、イギリスでたった二秒間の間に捨てられている紙カップ相当します。

 

紙カップダブルデッカーバスは、こうしたコーヒーカップがもたらしているごみ量へのインパクトに危機感をもってもらおうと登場しました。

 

 

持ち帰り用に使用されている紙カップのほとんどは、耐熱・耐水仕様とするためにポリエチレンが用いられていたり、そもそもリサイクル資源で作られていないことが多いのだそうです。

 

もちろん、技術的にはこれらのポリエチレンが使用されたカップのリサイクルは可能なのですが、イギリスにはそれを処理できる施設はたった2か所しかなく、その処理能力も微々たるものでした。

 

 

こうした状況に対して、コーヒーチェーン大手などは「Reusable Cups(再利用可能カップ)」での飲料提供率を上げる試みをいくつか打ち出してきました。

 

マイカップを持参すれば商品価格の割引があるなどがその代表です。

 

スターバックスでは、アメリカで1ドルの再利用可能カップを販売。同カップを持参すればコーヒー一杯が10セント引きとなることから、たった10回で元がとれるカップとして消費者にアピールしていました。

 

しかしながら、なかなか消費者の意識も、そして企業側のアクションのいずれも高まりを見せていないことは周知の事実です。

 

 

しかし、どうにかしてこの現状を打破しようとあるアクションがオーストラリアのメルボルンで起こりました。

 

 

` Bring-Yo `

 



Source Bring-Yo Official Website

 

 


最近リリースされたばかりのこちらの地図ベースアプリ。

 

これは、メルボルンエリアのマイカップ持参を歓迎している、またカスタマーに特典などがあるコーヒーショップを検索できるアプリです。

 

メルボルンの総合広告代理店であるV.I.が製作を手掛けたもので、仕掛け人はV.I.のクリエイティブディレクターであるChris Winterton氏です。

 

同氏によれば、オーストラリアでは年間およそ50億個のリサイクル不可能なカップが埋め立て場に送られている現状があり、これは毎秒27個の紙カップが使用されている計算になるそうです。

 



Source Chris Winterton Official Instagram

 


英語圏ではマイバッグ持参のことを略して「BYOB / Bring your own bag.」と呼んだりしていますが(※BYOBには、「Bring your own beer.」の意味もあります)、アプリの名称もこれと同様、「Bring your own cup.」から付けられています。

 

 

同アプリの使用を通して、コーヒーセントラルと自称するメルボルンっ子の環境保護への意識を高めてもらうとともに、特典やカフェそれぞれの個性を比較してなおかつ節約できるというメリットを楽しんでもらうと同時に、カフェ側にも我こそはと意識を高め自店舗をアプリにリストアップすることで、環境保護活動の一端を担いながらビジネス機会を拡大してもらいたいと、アプリ開発者側は狙っているようです。

 

 

※Bring-Yo  Official Website
https://www.bring-yo.com/

 

 


※ニュースソース

 

※Campaign Brief Asia
http://www.campaignbrief.com/2017/09/bring-yo-launches-app-via-vi-t.html

 

※Bring-Yo
https://www.bring-yo.com/

 

※BBC
http://www.bbc.com/news/magazine-36882799

 

※USA TODAY COLLEGE
http://college.usatoday.com/2016/09/27/reusable-cup-starbucks/

 

【今号のスゴい★PR】

 

 

米発。

 

Airbnbがハリケーン被災者救済プログラムを実施

同社の思慮不足のマーケティングに苦情も発生

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》

 

 

 


Source NBC NEWS

 

 

【SUMMARY】

 

・米テキサス州を襲ったハリケーン被害に対し、Airbnbが救済プログラムを実施し高評価
・奇しくも同タイミングで「水上の家に泊まろう!」キャンペーンを行い批判を浴びる

 


【STORY】

 


8月最後の週末に、アメリカテキサス州を襲ったハリケーン・ハービー(Hurricane Harvey)。

 

大西洋に発生したハリケーンの中で、今季初の大型ハリケーンとなったハービーは、テキサス州ロックポート付近に上陸前にはカテゴリー4に発達、同州に上陸したハリケーンとしては1961年以来最強のものとなりました。

 

事前からその脅威が警告されていたハービー。テキサス州やルイジアナ州では事前に住民の避難なども始まっていました。

 

沿岸部を中心とした浸水、建物の損壊や大規模停電など甚大な被害を引き起こし、住民の避難を余儀なくしたたハービーは、その後風速の弱まりから熱帯低気圧(Tropical Storm Harvey)に変わりましたが、その後もヒューストンなどにも大雨をもたらし、被害を引き起こしました。

 

 



Picture: ABC News

 


今回のハリケーンによって、多くの方が避難を余儀なくされ、住む場所をそして戻る場所を失い、また逃げ込むべきシェルターさえもないという状況が生み出されました。

 

そこで、こうした家を失った人たちにシェルターを提供しようとオファーを出したのが、エアビーアンドビー(Airbnb)です。

 

2008年にアメリカカリフォルニア州で創業したAirbnbは、世界中の例えば小さなアパートの一室からお城丸ごと貸切まで、様々な立地、価格、コンディションのユニークな宿泊施設を携帯電話やタブレット端末からオファー、検索、予約ができるシステムです。

 


通常はユーザーがシステムを利用する際には利用手数料を徴収しているAirbnbですが、今回はハリケーンの被災者を救済するという目的で、テキサス州のサンアントニオ、オースティン、ダラスの各都市で、8月23日水曜日から9月25日月曜日まで(当初は9月1日を期限としていましたが、その後Airbnbが期間の延長を発表)の期間は、Airbnbのホストの利用手数料(物件リスティング手数料:通常3%)を無料とする措置を採用し、特設ページを開設しました。

 

 


Picture: Airbnb Official Website

 

 


Picture: Airbnb Official Website

 


Airbnbがこのような自然災害の被災者への救済措置をスピーディーに取れた背景には、去る2012年にアメリカ東海岸を襲ったハリケーンサンディの大きな被害の際に、あるホストが状況を見かねて自身のNY市内のロフトを無料開放したことがきっかけとなって支援の輪が広がったことを受けて、災害対応プログラムを構築していたことがあります。

 

Airbnbは、ハリケーン・ハービーのテキサス州接近と甚大な被害予測を受けて、被災地域周辺の宿泊施設ホストに対してEメールを発信。ホストに対して、被災者に施設を提供してもらえるよう呼びかけ、同社のリストに登録してもらうよう依頼しました。

 

この結果、現時点で370軒超の施設が、被災者が無料で利用できるシェルターとしてウェブ上で公開されています(2017年8月29日時点)。

 


さて、今回のハリケーン・ハービーの被害に対しては、見事な対応力を見せたAirbnbですが、その一方では、奇しくもこのタイミングで不適切なマーケティングキャンペーンを行ったとしてユーザーから大ブーイングを浴びていました。

 

それがこちら。

 



Picture: Airbnb Official Website

 


浸水や大雨による河川の氾濫・洪水の未曽有の被害がテキサス州で発生している最中であったにも関わらず、Airbnbは` Floating World `、いわゆる水上の家や水上コテージへユーザーを誘うEメールを送信するマーケティングキャンペーンを行ってしまったのです。

 

 

Airbnbのスポークスマンはすぐに下記のような謝罪コメントを出すに至りました。


 ”The timing of this email marketing campaign was insensitive and we apologize for that.We continue to keep everyone affected by Harvey and all the first responders and their families in our thoughts.”

 

「今回のEメールマーケティングキャンペーンのタイミングは配慮に欠いていたことを謝罪します。私たちは常に、ハーベイによって影響を受けた方々やご家族の方々のことを思いやり続けます。」

 

 

※Airbnb  Official Website
https://ja.airbnb.com/

 

 

 

※ニュースソース

 

※abc13
http://abc13.com/airbnb-offering-free-rooms-to-harvey-evacuees/2339916/
http://abc7chicago.com/weather/hurricane-harvey-evacuees-offered-free-airbnb-stays/2350576/

 

※CNN
http://money.cnn.com/2017/08/29/technology/business/airbnb-hurricane-harvey-relief-program/

 

※The Drum
http://www.thedrum.com/news/2017/08/29/airbnb-waives-houston-fees-after-hurricane-harvey-floating-world-marketing-email