華やかで幸せなものだけがクリスマスではない!カナダはトロントの路上のDV撲滅ディスプレイ | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

■今号のスゴい★PR事例■

 



華やかで幸せなものだけがクリスマスディスプレイではない!
カナダはトロントの路上で異彩を放つ
DV撲滅啓蒙ディスプレイ
|スゴい★PR《世界のマーケティング最新事例》

 



 


読者の皆様、こんにちは。

 



今回ご紹介するのは、カナダはトロントの市街にあるショッピング
ストリートの、ある一角に登場したクリスマスをテーマにした
ウィンドウディスプレイの話題です。


 

 

Picture:Screen shot from Timeout


 


毎年クリスマスシーズンになると、たとえばニューヨークの百貨店
Macy's/メイシーズのクリスマス ウィンドウディスプレイは毎年話題になり、
写真のように多くの 人がウィンドウディスプレイの鑑賞を目的に
訪れるほどの人気となるように、クリスマス仕様のウインドウ
ディスプレイはたくさんの人の注目を集める催しのひとつです。

 


 

クリスマス、ホリデーシーズンのディスプレイと言えば、家族や友人が
集い、食卓を囲み、クリスマスツリーのそばでプレゼントを開けるなど、
皆の笑顔や幸せな雰囲気、HappyでCheerful、Joyfulであることが
当たり前ですよね。


そう、例えばこの写真の雰囲気のような。

 


 

Picture:Screen shot from The Gurdian

 




しかし、去る12月6日にトロントの華やかなファッションディストリクト、
西クイーンストリートにある"Untitled & Co"というショップの店頭に
登場したそれは、これまでには無い斬新なものでした。



Untitled & Co
438 Queen Street West,Tronto,Ontario

※Untitled & Co Official Website
http://untitledandco.com/



 


それがこちら。


 


 
 
Picture:Screen shot from The Stable



 

 

大きなクリスマスツリーのそばで、七面鳥の丸焼きなどのおいしそうな
クリスマスディナーが並ぶ食卓に家族4人が集って幸せそう・・・


ではないのです。

 



よく見ると、どのマネキンの顔にも笑顔はありません。


 

そして、手前の男の子は見たくないものがあるのか、両手で顔を
覆うような仕草をしています。


さらに、男性の手が女性に伸びていますが、女性が体を反らして夫の手から
逃れようとしているのがわかるように、それは幸せな夫婦のスキンシップでは
どうやらないようです。

 



 

Picture:Screen shot from Official The Window Project Video



 

 

"The Window Project"



 

と名付けられたこのディスプレイは、カナダのクリエイティブ会社
"FCB Tront"が、"The Ontario Association of Interval & Transition
Houses"(以下OAITH)という女性のためのシェルター施設をまとめサポート
している団体と"Yellow Brick House"という家庭内暴力や性的虐待などを
受けた女性や子どもたちを支援するシェルター施設のために手がけたもの。


※The Window Project Official Website
http://www.oaith.ca/thewindowproject/

 


 

そして、その目的はというと、ホリデーシーズンに発生件数がより増加
すると報告されている、家庭内暴力(DV)の問題とその発生の抑止について、
人々の関心と理解を高めること
にあったのです。



 


ユニセフの調べによれば、カナダ国内では年間36万2千人の子どもたちが、
何らかの家庭内暴力の目撃者になったり、また巻き込まれたりしている
そうです。

またシェルター施設Yellow Brick Houseによると、ホリデーシーズンに
同施設に助けを求めてくる件数は、平常時から30%以上も増加する
のだとか。



 


※トロントの街を歩く人の足を止める、DV減少・撲滅と被害者支援への
理解促進・啓蒙のために設置されたウィンドウディスプレイの全容が
わかる動画はこちらから。


" The Window Project ― A Window Into Domestic Violence Over The Holidays    "


https://youtu.be/j2xebkcqMmA


 


クリスマス、ホリデーシーズンは楽しいだけではなく、やるべきことの多さ、
忙しさや意見のすれ違いなどからストレスがたまりやすく、そうしたことが
家庭内暴力の発生数増加の原因ともなっているようです。



 

 

 
  

Picture:Screen shot from Official The Window Project Video


 


さて、動画でもわかるとおり、ウィンドウに案内されている番号に"NO MORE"と
テキストメッセージを送ることによって、OAITHとシェルターに5ドルの
寄付
を呼びかけています。

 


 

また足を止めた人がテキストを送ることで、このウィンドウディスプレイ内で
起こっている家庭内暴力の悲劇を、1分間の間止めることができる仕組みに

なっていて(60秒が経過すると、マネキンたちがまたアクションを起こし始め
ます)、一人一人のアクションによって家庭内暴力を止めることができる
ことを訴える仕組みになっています。



 

 

Picture:Screen shot from Official The Window Project Video

 


 


こちらのディスプレイが設置された12月6日は、1991年にカナダで制定された
"National Day of Remembrance and Action on Violence against Women/
女性に対する暴力に対してアクションを起こし、またそれを忘れない日"
という日にあたります。

これは、1989年にモントリオールで発生した、若い男性が大学へ侵入し、
24人の女性と4人の男性を銃撃、そして14人の若い女性が殺害された
痛ましい事件が契機となり制定されたもの。

 



 

ウィンドウディスプレイ内の14本の赤いバラは、その事件で犠牲となった
14人の女性を象徴しているのだそうです。

 

 

 

 

 

※ニュースソース

※AD WEEK
http://www.adweek.com/adfreak/all-not-merry-and-bright-seasons-most-shocking-retail-holiday-window-168550

※Campaing US
http://www.campaignlive.com/article/the-window-project-puts-holiday-domestic-violence-display/1376453

※psfk
http://www.psfk.com/2015/12/holiday-window-display-domestic-violence-fcb-toronto-ontario-association-interval-transition-houses.html

※Agency Spy
http://www.adweek.com/agencyspy/fcb-toronto-raises-domestic-violence-awareness-with-the-window-project/98846

 

 


 


■編集後記■



 

読者の皆様、こんにちは。

 

スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 


12月も2週目が終わろうとしています。


街はクリスマスのデコレーションやイルミネーションで華やぎ、
年末のカウントダウンや、ニューイヤーを祝うイベントの情報
が聞こえるようになり、1年の終わりにむけたラストスパートの
時期に入ったことをひしひしと感じるようになってきました。

 

アメリカでは、12月はクリスマスが最大のイベントで、31日の
カウントダウンもまあそこそこ。

でも、1月1日、新年あけましておめでとうございます!となった
後は、おめでたいムード、おまつりムードが冷める速度が
とっても早いように感じます。


 

31日にカウントダウンイベントに出かけ、花火を見たこともありますが、
その年のカレンダーによっては、もう3日から仕事・・・ということも
多く、お正月3が日はせめてのんびりなどということもありません。



今年は素敵なカレンダーのおかげで、3日までお休みとなるので
嬉しいのですが、お正月ばかりは日本式になってほしいと
思ってしまうのでした。。。



 


今年やるべきことを、なるべく来年に持ち越さないように、残りの
日々を走りぬきます。






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