米食品スーパー業界が戦々恐々?ドイツの人気スーパーアルディが米西部での出店を加速中! | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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■今号のスゴい★PR事例■

 


米食品スーパー業界が戦々恐々?
ドイツの人気スーパーアルディが米西部での
出店を加速&人気コメディアンとコラボ
|スゴい★PR《世界のマーケティング最新事例》

 


 


読者の皆様、こんにちは。


 


今回は、アメリカの食料品スーパー事情についてご紹介します。

 

 

Picture:Screen shot from USA Today


 

アメリカのグロッサリーストア(食料品スーパーマーケット)と
言えば、全米展開しているものにはSafeway/セイフウェイ、
Ralphs/ラルフス、Albertsons/アルバートソンズ、Kroger/クローガーや
Costco/コスコなど、そしてウォルマートやターゲットなどの大型店の
食料品売り場、低価格&ストアオリジナル商品で人気のTrader Joe's/
トレーダージョーズ、高品質&オーガニック・高級路線のWhole Foods
Market/ホールフーズマーケットなどがあります。



これらに加えて、地元のスーパーマーケットチェーンなどももちろん
展開されているわけなのですが、ここ数年こうしたアメリカの食料品
スーパーの地位を脅かす存在が出現し、注目を集めています。

 



"Aldi/アルディ"


 


 

Picture:Screen shot from Times Union.com



※Aldi Official Website
https://www.aldi.us/



 

食品スーパーチェーンの「アルディ」は、元々はドイツ発祥のスーパー
マーケットチェーンで、ドイツを含めたヨーロッパやオーストラリア、
アメリカなど、全世界で9000店舗以上を展開
しています。




アメリカへアルディが進出したのは、1976年のこと。元々は、低所得者層や
ヒスパニック層向けの安売りスーパーという色が強く、その立地も郊外の
少々治安の悪そうなところにあるものも少なくありませんでした。


しかし、近年はそうしたイメージも払拭されつつあるようで、品質の高い
PB商品を主体とした食料品を、リーズナブルに購入できるスーパーとして
認知されてきており、利用者も中所得者層に拡大しています。



 

そして、アルディには他の米スーパーマーケットチェーンと異なった
いくつかの特徴があります。


その主だったものには、



 

1)店舗面積が狭い。およそ300坪から500坪(1万8千~2万スクエアフィート)の
ボックスストア。

2)PB(プライベートブランド)商品率が非常に高い。90~95%がPB商品。

3)取扱いアイテム数が少ない。通常のスーパーマーケットが数万品目の
ところ、アルディは1400アイテム程度に絞り込んだ、リミテッド・
アソートメント・ストア。

4)徹底したローコストオペレーション
・対面式販売は無し
・買い物カート、買い物袋は有料
・袋詰め従業員がいない
・陳列は段ボール箱のまま
・店内での加工なし
・簡素な店舗建物と店内装飾



 

などがあり、店舗の狭さもあり、品ぞろえは人気商品・季節商品に絞り
ながらも、それらを徹底した低価格と一定の高い品質のPB商品で消費者
に提供しています。

 

 

Picture:Screen shot from USA Nachrichten jetzt unter USA



 


さて、先述の通り既にアメリカで事業を展開してから40年近く、店舗数も
32州で1400店舗近くにのぼるアルディですが、実はまだまだそのアメリカ
でのビジネス拡大の勢いは止まりません。

来年2016年には、南カリフォルニアエリアで45店舗の新店のオープン
を目指している
ことを公式発表したばかり。



 

もちろん他のエリアでの出店も精力的に続ける同社にとって、アメリカで
まだアルディでの買い物経験をもたない(もてない)人々に、いかにして
アルディの良さ、他店との違いを伝えていくかが重要だと認識。



そこで、先日からスタートさせた広告キャンペーン・ウェブ企画が、人気
コメディアンのBen Bailey/ベン・ベイリーと組んだ、

 


"Cart Smarts with Ben Bailey"



です。



 

 

Picture:Screen shot from Sporcle.com


 

ベンは、ディスカバリーチャンネルの「Cash Cab」というエミー賞も
受賞した大人気ゲームショーのホストとして知られるコメディアン。


 

そんな彼が、シカゴにあるアルディのストアに赴き、アルディのスタッフ
として買い物に訪れたお客さんに様々なスタイルで接しながら、アルディ
で買い物をする良さやポイント、おすすめ商品などを質問するなどして
コミュニケーションを図るサプライズを仕掛けました。



 

 

Picture:Screen shot from Aldi's Official Youtube Video



 

そしてその模様をおさめたビデオシリーズを特設サイトなどで公開
しています。

 

※Cart Smarts with Ben Bailey Official Website
https://blog.aldi.us/cart-smarts-with-ben-bailey/



 

※米人気コメディアンがスーパーの店員に扮した面白動画はこちら

 

 

"Cart Smarts with Ben Bailey:Best of Ben "

https://youtu.be/57Rb6LgbegU


"Cart Smarts with Ben Bailey"

https://youtu.be/Xa6ncIr3EO8


"Cart Smarts with Ben Bailey: ALDI Love "

https://youtu.be/fZwfj6YavRI


"Cart Smarts with Ben Bailey:Finding Herb  "

https://youtu.be/H9Q4xxkY0RM


 

ちなみに、アメリカでのスーパーマーケット展開を今後積極的に
行おうとしているドイツのスーパーマーケットは、今回のアルディ
だけではありません。


アルディの競合である"Lidl/リドル"も、アメリカ本社をバージニア州に、
物流拠点をノースカロライナ州に置き、すでに80か所以上の出店候補地を
ワシントンDCエリアでセレクト。


2018年には500店舗、2020年までには2000店舗を展開する目標なのだ
そうです。

 


アメリカの食料品スーパー業界に血気盛んに乗り込んでくるドイツの
ディスカウントスーパー勢猛攻に対し、既存のスーパーがどんな対応
をみせるのか、また今後数年のスーパーマーケット業界の勢力図が
どのように変わっていくのか、その動向に注目が集まっています。

 

 


 

※ニュースソース

※Marketing Magazine
http://www.marketingmagazine.co.uk/article/1356213/aldi-us-viral-cash-cabs-ben-bailey-falls-flat-social

※Brand Channnel
http://www.brandchannel.com/2015/07/13/aldi-ben-bailey-071315/

※AD WEEK
http://www.adweek.com/adfreak/ben-bailey-crashes-aldi-and-gets-shoppers-say-what-they-love-about-it-165846

※The Produce News
http://www.theproducenews.com/news-dep-menu/test-featured/16383-aldi-s-calif-expansion-gets-help-from-popular-comedian-in-video-series

※Telegraph UK
http://www.telegraph.co.uk/finance/newsbysector/retailandconsumer/11744792/Happy-birthday-Aldi-and-Amazon-but-not-everyone-is-celebrating.html

※Forbs
http://www.forbes.com/sites/thehartmangroup/2015/04/14/aldi-is-a-growing-menace-to-americas-grocery-retailers/

 

 

 

■編集後記■


 

読者の皆様、こんにちは。

 

スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。



 

今回は、アメリカでその存在感を増しているドイツ発のディスカウント
スーパーマーケット、アルディの話題をお届けしました。


私がアメリカで使うスーパーと言えば、



1:Food Lion
2:Walmart Supercenter
3:Lowe's Food



でした。



田舎町のため、そんなに選択肢がないんです。。。



カリフォルニアではSafewayやTargetの食料品コーナーも使いましたが、
日本のような「ポイントカード」などがあまりないため、どこかの
1店に集中して使うということはあまりありません。

それよりも、その日や週の売り出し品や割引クーポンの利用可否、
店によって異なる得意・不得意の出る品揃えなどを見ながら、利用する
スーパーを選んでいました。



 

さてアメリカの一般的なスーパーで特徴的で日本と違う点と言えばやはり、



「袋詰めはレジ係(袋詰め係)が行う」



という習慣でしょうか。
レジに列ができていようと、購入した商品の量が多かろうと少なかろうと
関係ありません。

これ、個人的にはあまり嬉しいと思わないサービスです。

 

経験から言うと、係の人の袋詰めはさして丁寧でもなければ上手なわけでも
なく、ウォルマートなどでキャッシャーと袋詰めを一人でこなす場合には、
レジにかなりの時間がかかってしまうなど、なんだか悪いことだらけ。


なぜこんなシステムになっているのか、その経緯は存じ上げませんが、
私なら今回ご紹介したスーパーアルディの「袋詰めは自分でね!」という
スタイルで十分です。



読者の皆様は、どう考えますか?

 


 


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